闇の一党 湯けむり慰安旅行

沢山の傷を負ったが、Skyrimに戻ることができたDiyaab。
少しづつ体力を取り戻し、リハビリでも開始するかとナジルと話し合う。

それにしても、ドーンスターの聖域は寒い。
強張った筋肉がなかなか緩まないな、と溜息交じりに呟く。


そんな話を聞いていた新人が、ウィンドヘルムの南にいい保養地があるらしいですよと教えてくれた。
なんでも狩人たちや動物が温泉に浸かって傷を癒しているという。
「温泉か・・・。そういえば、そんな話をどこかで聞いたことがあるな。」
「私行ってみたい!」バベットが諸手を挙げて賛成した。
ナジルがバベットとDiyaabを見比べて、ふむと言う。

「よし、お前とシセロで先に行ってくれ。私とバベット、新人たちは日が暮れたら落ち合うことにする。」
「わかった。シセロ!」Diyaabが呼ぶと、花を手にシセロが飛んできた。
「呼んだかい?聞こえし者」
「ウィンドヘルムの南にある保養地に皆で行くことにする。聖域も落ち着いたし、皆の慰安というわけだ。」


鼻歌を歌うシセロと、久々の遠出が嬉しいLady。
Diyaabは商人風の服装のまま現地へ向かうことにした。
足の悪い商人と、その従者という体でいくからなとシセロには説明した。
故郷から戻ることはできたが、まだ油断はできない。暫くの間は一般市民を装うことにすると決めた。


「あそこだね、聞こえし者!」シセロが歓声を上げた。



日が陰り出してきたため、保養に来ていた狩人たちは引き上げるようだった。
ふらりと現れた商人とその従者の姿を見て、親切にも声をかけてきた。
「あんたたち、保養に来たのかい?暗くなるから気を付けろよ。」
「ああ、ありがとうよ。妻がこれから来るはずだから、灯りを点けておきたいと思うんだが・・・。」
「じゃあ、このランタン使ってくれ。俺たちは、辺り慣れているから。」

シセロに持っていたランタンを渡し、狩人たちは帰って行った。

「聞こえし者、妻って?」ランタンで辺りを照らしながらシセロが聞く。
「ん?ナジルたちが来るだろ。灯りを点けておく口実だ。」
ふぅんと面白くなさそうに呟いて、シセロは背を向けた。


辺りが暗くなってきた頃、ナジルやバベット達が到着した。
バベットは初めて見る温泉に大はしゃぎだ。
「随分と荷物が多いな。」見れば新人たちが大きな籠を抱えている。
ナジルがにやりと笑った。
「慰安だからな。途中で酒や食べ物を調達してきた。今日はゆるりと楽しもう。」


新人とシセロで辺りを探索し、狼や巨人なんかを倒す。準備は万端だ。

傷ついた体を温かい湯に漬けると、思わずため息が出た。
ナジルもバベットも新人たちも満足そうだ。
エールを飲み、焼いた肉を食べる。ああ、五臓六腑に染みわたる。


湯の中で、右足の筋肉を揉み解す。やはりまだ痛みがあるな・・・。
そう思っていると、シセロがDiyaabの腕や背中をマッサージし始めた。
「お、おい。やめろ、シセロ!」
「早く治って欲しいんだよ、聞こえし者。右ひざ周りもストレッチしようか。」
慌ててシセロを止めようとするDiyaabに、バベットが笑いながら声をかけてきた。
「シセロはね、早く一緒に仕事がしたいのよ。だから一生懸命マッサージの仕方とか覚えたのよ。」
見ればナジルもにやりと笑いながら、こちらを見ている。

そう言われてしまうと、止めることができないじゃないか・・・。
大人しくシセロに任せることにした。




ふと目を上げると、オーロラと大きな月。

「私、今日の事忘れない。」
「バベット、また来ればいい。なぁ、Diyaab?」

皆のためにも、早く体調を戻さないとな。
「その通りだよ、聞こえし者!」蜂蜜酒を飲んでご機嫌になったシセロの叫び声がこだました。