「さて、ナイトよ。チームの一員として力を発揮するためには、この船の様子について学び、乗組員と親しくなることが欠かせない」
「そうだな。まず挨拶しておいたほうが良い人たちを教えてくれないか?」
ふむ、と考えパラディン・ダンスはプロテクター・クインラン、プロテクター・ティーガン、プロテクター・イングラムそしてナイトキャプテン・ケイドの名前を挙げた。
それでは、挨拶するとしようか。
お目付け役・・・という訳ではないと思うが、パラディン・ダンスは一緒に行動することを勧めてきたので、同行してもらうことにする。
プリドゥエンの中には結構人がいるな・・・。
パワーアーマーが沢山並んだデッキにプロテクター・イングラムがいた。
「どうも」
「あら、あんたが話に聞いていた新兵ね。・・・ふーん、思ってたのと違うけど・・・まぁいいわ。」
「どんなのが来ると思ってたんだ?」
「そうね、もっと厳ついやつかな。私はイングラム。エンジニアよ。この船の修理やアーマーの整備なんかをやってるわね」
「あんたのアーマーは3番ベイにあるから使うといいわ」
「そうか、ありがとう。」
「爆風やらSMやら色々なものから守ってくれるから、きちんとアーマーを着けることを勧めるわ」
「?実感がこもっているようだが。」
「ちょっとした事故でね。SMと交戦中に核爆発に巻き込まれちゃって。」
「え?よく・・・生き残ったな」
「パワーアーマーのおかげで、ね。両足を失ったけど、アーマーのおかげで動けているし。」
イングラムに礼を言って、その場を離れた。
次は・・・プロテクター・ティーガンに会おう。
檻のような場所の中にプロテクター・ティーガンがいた。
武器庫のように見えるが・・・。
「よお、あんたが噂の新兵か」
「噂?」
ティーガンは笑いながら、俺の後ろにいるパラディン・ダンスを顎で指し示した。
「ダンスの肝いりでってな」
「ティーガン!」
パラディン・ダンスが余計なことを言うなとティーガンに抗議する。
「ここでは武器が買えるし、ちょっとした仕事も受けられる」
「仕事?どんな仕事だ?」
「居住地へ行って食料を”融通”してきて欲しい。まぁ、”融通”の方法は任せるよ。武力をもって奪い取るでも問題はない。代わりに我々が連邦を守るのだから。」
俺の眉間に皺が寄ったのをパラディン・ダンスは気づいたようだ。
受けるとも受けないとも返事をせず、その場を離れた。
次はプロテクター・クインランだ。
声をかけようとすると、待ってた!と言わんばかりに話を始めた。
慌てて人違いじゃないか?と言うと、ようやく俺の顔をまじまじと見つめて待ち人とは違うことを認めた。
クインランは技術資料の収集やフィールドスクライブの護衛といった仕事をお願いしたいと言っていた。
「わかった。技術資料は見かけたら持ってくるよ。護衛は・・・今はできない」
「そうか、ナイト。頼んだぞ。技術資料は思いがけないところにあるから、出かけた際はあちこち探してくれ」
ふう、とため息をつくとダンスが声をかけてきた。
「疲れたか、ナイト」
「まぁ・・・人に沢山会うと疲れるよな。後は・・・ナイトキャプテン・ケイドか。」
最後はどうやら健康診断?のようだ。
「いくつか健康面について質問をするから答えて欲しい」
「わかった」
「長時間放射能に晒されたことはあるか?」
「俺は以前Vaultにいたから、その手の審査は終わってるはずだよ」
「なんだって?Vault居住者か!すまんな、資料を改めて確認するよ」
パラディン・ダンスもVault居住者と聞いて少し驚いた顔をしていた。
そういえばダンスに冷凍されてた戦前に人間だって話してあっただろうか?覚えていないな・・・。
残り2,3の質問に答えてナイトキャプテン・ケイドとの話も終了した。
やれやれようやく終わったかと一息ついていると、スクライブが走り寄ってきてパラディン・ダンスに声をかけた。
「パラディン・ダンス!エルダー・マクソンがお呼びです。」
「わかった。すぐに行く。ナイト、君も来るんだ」