各部門のリーダー達との挨拶も終わったので、ショーンの元へ戻る。
そろそろ・・・一度地上へ戻ろうか。皆心配しているだろうし。
「ショーン、戻った。」
「ああ。インスティチュートはどうだったかな?」
「そうだな・・・。」少し考える俺をショーンが眺める。
「地上では見たことがないようなテクノロジーが揃っている。すごいな。」
正気な感想を述べると、ほっと安心のため息をショーンはついた。
「ショーン。俺は一度地上に戻るよ。」
「何故?あんな安定していない危険な場所にまた戻る必要はないだろう?」
ショーンは理解できない、という表情で俺を見つめる。
「大丈夫、また来るよ。地上にも俺を待っている人たちがいるんだ。」
「・・・わかった。」不服そうだが、ショーンは頷いた。
Dr.リーがインスティチュート内部へFTできるようにしてくれたので、外からもすぐに来ることができるしな。
まずはサンクチュアリへ戻ろう。
スタージェスを探す。
仕事が終わって家で寛いでいるところを見つけた。声をかける。
「スタージェス!」
「・・・!やぁ、やぁ!無事に戻ってきたんだな!」嬉しそうに俺の肩を叩く。
忘れないうちにホロテープをスタージェスに渡そう。胸ポケットにしまい込んでいたテープを引っ張り出すとスタージェスの瞳が輝いた。
「ほら、スタージェス。預かっていたホロテープだ。データが沢山があればいいが。」
「やったぞ!ありがとう!役に立つデータがないか早速調べよう」
スタージェスはうきうきとしながらホロテープを矯めつ眇めつしている。
「これをどうするんだ?」
「解読可能な情報を読みだして・・・連中のメインフレームから何を盗み出したのか解析しないと。」
ミニッツメンクエスト:Inside Job完了
次に俺は、輝きの海にいるバージルのところへ来た。
インスティチュート内部で入手した血清を渡すためだ。
バージルは俺が無事に戻ってきたことに、まず驚いていた。
「無事だったか!それで、インスティチュート内部には行けたのか?」
「ああ、まったく問題なかったよ。」
「それで・・・血清は見つかったのか?」
割れないように、大切にバックパックの中にしまい込んだ血清を取り出すと、バージルに手渡した。
バージルは、その大きな手で不器用に血清を受け取ると目の前に持って行き、じっと眺めた。
「早速・・・」ぶつぶつ何やら呟くと、すぐさまケミストリーステーションへと向かった。
「組み換え反イントロン配列は安定しているようだ・・・。」
そういうと血清を自分の左腕に注射した。
目を瞑り、血清が体に巡るのを待つバージル。
「・・・どうだ?」
「しばらく休むよ。数日か一週間後にもう一度きてくれないか。」バージルはふらふらとベッドのほうへ歩いていく。
「わかった。時間を置いて、また来る。」
再び輝きの海、ロッキー洞窟。
こちらに背を向けてなにやら作業している白衣の男性がいる。
まさかな・・・。
「バージル・・・?」
恐る恐る後ろから声をかける。
「ああ、君か!」
どうやらバージルに違いない。スーパーミュータントではなく、人間に戻っている・・・。
「こりゃ、凄いな。」
「改良が必要だが、ひとまず成功と言えそうだ。」
バージルは嬉しそうに自分の手足を眺める。
「君のおかげだ、ありがとう。」