Fallout1~Final bets
暫くの間、SethとTandiは再会を喜び抱き合ったりキスしたりしていた。
仕方がないので、咳ばらいをする。
Vesper「こほん」
Ian「おーい、Seth。19歳の若者には刺激が強いぞー。」
Sethがはっとした顔になり、Tandiを引き離す。TandiはまだSethと抱き合っていたいようだ。
Seth「すまない。いやぁ本当にありがとう。Aradeshと話すといい。お礼をしてくれるはずだ。」
Ianと顔を見合わせ、村長の家へと向かう。
村長のAradeshから報酬を貰い、Shady Sandsを後にする。次は・・・南東にあると言うJunkTownか。
JunkTown
JunkTownはその名の通り、Junk(がらくた)が積みあがって出来ている町のようだ。
廃車やタイヤ、そのほか諸々のがらくたが町の周りを取り囲んでいる。
Vesper「なんか、すげぇな。」
Ian「Killianの雑貨屋寄って行こうぜ。結構いい品ぞろえなんだ。」
忘れないうちの武器はしまっておく。
入り口を守るガードに声をかけるか。
Vesper「あの、すみません。町の中に入りたいのですが。」
Guard「夜間は門を閉めているんだ。すまんが、夜が明けたらまた来てくれ。」
Vesper「お邪魔をして申し訳ありませんが、中に入れてもらえませんか?勿論武器はしまっていますし、危険はありません。」
しばらく俺とIanを代わるがわる眺めていたが、仕方がないなと溜息をついて「OK」と言ってくれた。
ありがたく町の中に入らせてもらおう。
入り口のコンテナを抜けると、強面の男がこちらを睨んでいる。挨拶しておくことに越したことはなさそうだ。
Vesper「初めまして。僕はVesperと言います。Shady Sandsから来ました。」
Lars「ん?後ろにいるのはIanか?」
Ian「よっ」
どうやら2人は顔見知りのようだ。ならば話は早いだろう。
Lars「こんな時間にくるなんて珍しいな。」
Ian「あー、今日はキャラバンとしてきたんじゃないんだ。こいつの・・・お守り?」
Vesper「・・・お守り・・・ね。」
LarsはKillian Darkwaterの元で働いていること、町にはGizmoとSkulzというロクデナシがいること等を話してくれた。
さっきIanが言ってたKillianという人物が町の治安を守ろうとしているのか。
Larsと別れてKillianの店に向かう。
Vesper「とにかく俺は腹が減った。」
Ian「Killianのとこで飯食って一休みさせてもらおうぜ」
Ian「よう、Killian!」
Ianに声をかけられた男性が振り返る。どうやら彼がKillianのようだ。
俺に気づくと不思議そうな顔をした。
Killian「やあ、Ian。・・・こちらは?」
Vesper「僕はVesperといいます。北にあるVaultからやってきました。Shady SandsでIanに声をかけて一緒に旅をして貰っています。」
Killian「おやおや。これは礼儀正しい子だ。」
Ian「Killian、騙されちゃ・・・」
Killianに気づかれないように、後ろからIanのけつを蹴り飛ばす。
Killianの話を聞きながら、テーブルについて一休みしようとしたとき入り口で誰かが叫ぶ声が聞こえてきた。
???「Gizmoがよろしくだとよ!!」続いて響く銃声。
Killianを見ると間一髪、弾は当たっていないようだ。周りのガードたちと一緒に闖入者たちをぼこぼこにする。
KillianからGizmoの悪事を暴く手伝いをして欲しいと頼まれた。
礼もしてくれると言うし、Ianの知り合いでもあるし引き受けることにする。
Vesper「その前に、飯食いたい。」
Ian「Killian、食いものあるか?一休みしてからGizmoんとこ行ってくるよ。」
Killianに渡されたテープレコーダーを装備して、盗聴マイクを胸ポケットにしまい込む。
俺はギャンブルやる気はないので、Gizmoがいる奥の部屋へと向かう。
ルーレットやスロットに夢中になっている人たちが沢山いた。
傭兵を近くに置いた巨漢が迎える。こいつがGizmoか・・・。すげぇデブだな。
Gizmo「なんだ、お前らは。Izo、こいつらをつまみ出せ。」
Vesper「おや、貴方は自分の失敗について聞きたくないのですか?」
Gizmo「何の話だ。わしはお前など知らんし、失敗などしていない。」
Vesper「昨晩のKillianへの奇襲は失敗に終わっていますよ。あなたが雇った男はヘマをしました。」
そう言うと俺はGizmoに一歩近づいた。このほうが声を録音しやすいだろう。ついでに机の下にこっそり盗聴器もつけてやった。
大胆に近づく俺を睨みつけGizmoは不快そうに鼻を鳴らす。
ちらりと後ろにいるIanを見ると、渋い顔をしている。こういった腹芸は性に合わないんだろう。
Vesper「・・・僕なら、もっとうまく始末して差し上げられますよ。」
Gizmo「お前のような若造が?何故お前を信用しなくちゃならんのだ。」
Vesper「こうやって出向いてきたことが証拠になりませんか?余所者に汚れ仕事をさせていはずだ。」
Gizmoが底意地の悪そうな笑い声をあげる。
ああ、早くここから出たい。話を畳みかけて終わらせることにするか。
Gizmo「くっくっく。若造、なかなか腹が座っているな。いいだろう。だが、わしを裏切ろうなんて思うなよ。」
Vesper「こちらも仕事ですからね。で、何故Killianを殺そうとしているんですか?」
Gizmo「決まっているだろう。仕事の邪魔なんだよ。」
Gizmoの言質をとった。終わったら戻ってくると告げてGizmoのカジノを後にした。
Killianの店に戻り、テープレコーダーを渡す。
ずっと証拠を掴めなくて野放しになっていたGizmoをようやく始末できると、Killianは大喜びだ。
Gizmoを追い出しにかかるというので、お供させてもらうことにしよう。町の入り口付近にいたLarsに声をかけに行く。
Vesper「Killianが呼んでいます。Gizmoを倒しに行くそうですよ。」
Lars「おお!とうとうあのクソ野郎に止めを刺すことができるのか!お前も行くか?」
Vesper「ええ、お供しますよ。」
Ian「Vesper、お前こわい」
Vesper「うるせえな。行くぞ。」
KillianやガードたちがGizmoのところへ詰めかけ、あっという間に始末終了。
Larsから礼として500キャップ貰った。お、結構懐が暖まったぞ。
もう少し町の人と話をしてから、The Hubへ向かうことにしよう。