「なあ、ボス」
『うん？』
「デスクローってどんな奴か知ってるのかい？」
『なんか、大きくて危険なやつなんでしょ？Sloanの人も言ってたよ。』
「デカイ上に、すばしこいんだよ。鋭い鍵爪も持っててな。」

一生懸命デスクローがどんなに危険な怪物かを説明するラウルを嬉しそうに眺めるLuciaを見て、ラウルはなんだか馬鹿らしくなってきた。

「ボス。あんた何でにこにこしている？」
『ラウル、心配してくれてるんだなぁって思って。でもね、私みんなと旅して少しは強くなったと思うし』
「思うし？」
『ラウルとED-Eがいるから大丈夫かなって』
ED-Eが同意を表すかのように、2人の頭上をくるくると回った。

Black Mountainの坂道を降りながら、ラウルは選択を間違ったかなとちらりと考えた。
だが、よくよく考えれば、ここまで来るのにスーパーミュータントやナイトキンを倒してきているはずだ。”強くなったと思う”というのも満更嘘ではないのだろう。

そんなことを考えているラウルを余所にLuciaはニールを見つけ、タビサとロンダが立ち去ったことを報告した。

「よくやってくれた、ニンゲンよ。これでここも平和になるだろう」
『これからどうするの？』

ニールはLuciaとラウルを見つめ、タビサの放送を聞いてここへ向かってくるスーパーミュータントやナイトキンをJacobsTownに導くと言った。

ニールに別れを告げ、更に山を下っていく。

この先らしいよ、とLuciaが指さす。
採石場に巣食うデスクロー退治か、とラウルが呟く。大物を狙うのも久しぶりだ。腰に差したリボルバーを撫でる。

『よし、行こう！』

Hit!!　※カメラが近づきすぎて、なんだかわからないけどデスクローですｗ

3人で次々とデスクローを仕留めていく。

「ボス。」
『これで全部かな。ん？なに、ラウル』
息を切らして、Luciaがラウルに向き直る。

「あんた、俺の助けなんかいらなかったんじゃないか？」
『なんで？ラウルとED-Eがいたから、全部倒せたんだよ。助けてくれて、ありがとう』
あ、あそこに卵がある！とLuciaはデスクローの卵を大事そうに抱え込んだ。

Sloanに戻り、デスクローを倒してきたことを告げると大喜びされた。

※NCRからの評判が上昇した！

『採掘場にいたデスクローはオスもメスも倒してきたよ。』
「なんだって？嬢ちゃんとあんたで・・・やってくれたっていうのか？」
「あー、まぁそういうことになるのかな。」
「ありがとう！従業員に安全になったことを伝えるよ。今夜はSloanで休んでいってくれ。」
『やった！お腹ぺこぺこなんだ。』

食堂に入り、カウンターにいる女性に声をかける。

『こんにちは。お腹ぺこぺこなんだけど、何か美味しい物食べることできる？』
「美味しい物？そうねぇ」

ジャス・ウィルキンスはデスクローのオムレツなるもののレシピがある、と言い出した。

その昔、Modocという町にいたRoseという女性が考案したレシピだそうだ。
デスクローの卵があれば作ってあげるわよとジャス・ウィルキンスは請け負ってくれた。

「ボス、さっき拾った卵。あれがいいんじゃないか？」
『記念に取っておこうかと思ったけど・・・美味しく食べられるなら、まぁいいか。』

ジャス・ウィルキンスにデスクローの卵を見せると目を丸くした。
「あんた、これ、どうしたの？」
『採掘場のデスクローを退治してきたときに、持ってきたの。これで作ってくれる？』
「勿論よ！ちょっと待っててね。」

そう言うとデスクローの卵を受け取り、早速調理に取り掛かった。

じゅうじゅうと焼ける音と良い匂いが辺りに漂い出した。
これは俺でもそそられるな、とラウルが笑う。

美味しそうな焼き色のついたオムレツが出来上がった。
大きな更に盛り付けて持ってきてくれたので、その場にいた皆で分けて食べることにしよう。

『わーい!美味しい！すごい！』
「（もぐもぐもぐ）」
『ラウル、美味しい？』
「ん？ああ、ボス。これはうまいな。」

ジャス・ウィルキンスがLuciaにレシピをわけてくれた。
「卵さえあれば、いつでも作れるわよ。」
『嬉しい！ありがとう。ブーンさんや先生、キャスにも食べてみて欲しいな。』
「ボス、それは誰だい？ボスの仲間か？」

スプーンを置くと、Luciaが少しだけ寂しそうな顔をした。
『そう、皆一緒に旅をしてくれる仲間。今は皆ばらばらだけど・・・。一緒に暮らせる場所見つけたいな。』
ラウルが頭を撫でてやると、Luciaはへへへと笑った。

『今晩はSloanに泊まって、明日はNewVegasに行こう！』

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