Fallout NewVegas ; G.I. Blues(2)

Kingのところで休ませてもらい、翌朝フリーサイド東門ゲートへと向かう。

「なぁ、ボス。Kingが言ってたボディガードだけど、入り口にそんな奴いたか?」
『この間来た時はいなかったかも。初めてここに来た時に、なんか勧められたの覚えてるよ。』
「勧められた?」
『うん。ボディガードを連れて歩けって。フリーサイドは危ないからって言ってた。』
「ボディガードを連れ歩かないと危ない町っていうのも、まぁ・・・なんだな」

東門ゲートまでやってくると・・・ああ、あの髭面。いたいた。

Orrisに声をかけると案の定自分を雇えと売り込みを始めた。

勿論雇うつもりで近づいたのだが、それを悟られるのも面倒だ。
Luciaとラウルは初めてフリーサイドに来た観光客(あながち間違いではないのだが)を装って、Orrisの話をじっと聞く。

「あんたら観光客だな。安全に南門まで行きたいなら俺を雇うんだな」
『ここはそんなに物騒なの?』
「嬢ちゃんみたいなおのぼりさんは格好のカモだろうよ。挨拶代わりに刺していくような奴らばっかりだ」
「で、あんたを雇うのにいくらかかるんだい?」

Luciaとラウルを値踏みするように見つめると、200キャップで安全を保障してやろうと言った。

『わかった。安全には代えられないものね』

Luciaとラウルが雇うと伝えると、かなり詳細な指示をOrrisは出してきた。
「随分と・・・細かく指示を出してくるな。」
『・・・うん。』

指示を出し終わった途端、走り出したので慌てて追いかける。

オールドモルモンフォートを通り抜け

Kingのものまね学校とアトミックラングラーを紹介しながら走り続けると

急に道を迂回すると言い出したOrris。
先のほうを見ると、確かにチンピラが数人こっちをじっと見つめていた。

横道に入っていくOrrisを追いかける。

いきなり拳銃を抜いたOrrisが横道にいたチンピラを撃ち抜いた。3発の銃声。
一瞬の出来事にLuciaとラウルは声が出なかった。

だけど・・・?
何か、違和感がある。Luciaが倒れているチンピラを眺めているとOrrisが満足そうな顔をして近づいてきた。

ああ、そうか。
おかしいんだ。数があわない。

そのピストルでか、とラウルは口に出しそうになったが黙っておくことにした。
見るとLuciaも同じように思っているようだ。

『・・・もしくは、貴方が宣伝の為に彼らを雇ってパフォーマンスしているか、よね?』

OrrisはLuciaを睨みつける。
「ハッ。面白い仮説を立てるな、お嬢ちゃん。そんな話は誰にも言わないほうがいいぞ」
笑いながらLuciaを威圧する。負けじとLuciaもOrrisを睨みつける。
ラウルが慌てて口を挟んだ。

「とりあえず、南門への案内を続きを頼む。」

チンピラの死体をよそにOrrisが走り出した。
ラウルも後に続こうとすると、Luciaが倒れているチンピラをさっと調べ出した。
「ボス?」
『ラウルは先に走っててくれる?Orrisに怪しまれないように。すぐに追いつくから』
「OK、ボス。気を付けろよ」

『一発で仕留めることができるなんて、ブーンさんじゃあるまいし。信じるとでも思ったのかなぁ。』

チンピラ達が死んでいないことを見破ると、Luciaは慌ててラウルの後を追いかけた。

南門前までやってくるとOrrisは護衛はここまでだと言い、報酬を要求するように手を差し出した。
大人しく200キャップを渡す。

元居た場所へ戻るOrrisの後姿を眺めながら、ラウルは200キャップ払ってよかったのか?と聞いた。

『うん。まぁKingさんから貰ってた経費だしね。』
「で?あいつ、クロなんだろ?」
『あはは。持ってた銃を調べさせてもらっても良かったかもね。』
「チンピラどもは・・・」
『死んでない、死んでない。』

『さてと。Kingさんに報告に戻らないと。』

ものまね学校に戻り、Kingに報告する。

「おや、嬢ちゃん戻ったか。で、どうだった?」
『Orrisの件だけど・・・そうね、自作自演ってとこね。』

Kingが片方の眉を上げて話を促す。

KingはLuciaの話を面白そうに聞いていた。
だが、Orrisを見逃してやる気はさらさらないらしい。

近くにいた部下を呼び寄せ、Orrisを追い出す指示を出していた。

「よしよし、お嬢ちゃんはいいこだ。物事を見抜く目を持っているようだな。」
上機嫌になったKingは、さらなる仕事を指示してきた。

「ちょっとした暴力沙汰があってね。私の友人が襲われたんだ。誰が犯人か調べて欲しい。」


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