Skyrim~Diyaab ご覧よ、心の道化師を!

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静かに姿を現したシャドウメアに跨り、ドーンスターの北にある聖域を目指すとしよう。

ルシエンは、シャドウメアを古き友と呼んでいた。
実体のない手でシャドウメアの鼻面を撫でてやっている。
再会を懐かしんでいるルシエンには悪いが、シセロを探し出す方が先だ。

手綱を握り、脇腹を蹴るとシャドウメアは走り出した。

Ladyは全力で走ることができるのが嬉しいのかシャドウメアの横に並んだり、森の中に駆け込んで狼を殺して口の周りを血で汚して戻ってきたりしている。

黒い馬に、犬に、古の暗殺者。
なんとも奇妙な組み合わせだな、と心の中で独り言ちた。

雪景色になると、風の冷たさが身に染みる。
・・・さっさとシセロをどうにかして、暖まりたいものだ。

そんなことを考えながら、ドーンスターを通り過ぎる。

少し北に行った海岸線に、古い聖域があった。

扉の前でアーンビョルンが傷口を抑えた格好で座り込んでいた。
俺を見つけると、少しだけほっとした顔をした。

見れば、地面には血だまりが。
やられた分はやり返したぜ、とアーンビョルンはにやりと笑う。

ここまで追い詰めたが、合い言葉がわからなかったために中に入ることができなかった。
合い言葉。日記に書いてあった、あれか。



中に入ると、血の跡が点々と続いている。
シセロもかなり傷を負っているようだな。

そんなことを考えていると、どこからともなくシセロを声が響いてきた。

アーンビョルンを馬鹿なオオカミと呼ぶシセロ。

罠や敵が隠れていないか確認しながら慎重に進む。
それにしても・・・よく喋るな。

人間は出てこないが、この聖域を守っているのか亡霊が襲い掛かってくる。
亡霊を倒しつつ、先へと進む。

広間のような場所に出た。
壁に穴が開いていて、そこから・・・冷たい風が吹き込んでくる。

氷の洞窟を進んでいくと、何やら蠢くものが見えた。

トロールか。面倒だな。
遠くから弓で片付けるとしようか。

おやおや、今度はアストリッドがやり玉に挙がった。
アーンビョルンのことを話している時は半笑いと言った様子だったが、アストリッドに対しては少し憎しみが混じっているように聞こえた。

しかし、こんなにあれこれ喋って・・・こいつはどうしたいというんだ?
俺を煽って、激昂させるのが目的か?


※その後も煽り続けるシセロ



奥の部屋で蹲るシセロを見つけた。

無言のまま部屋に入ると、シセロは笑い出した。

見下ろしていると、シセロが命乞いをし出した。

夜母への忠義は本物だろう。
ルシエンが言っていたが、シシスさえシセロを片付けることを望んでいないようだ。

聞こえし者であることを切望したが、聞こえし者になることはできなかったシセロ。
シロディールの聖域の壊滅。任務の失敗。



シセロには一言も声をかけず、ドーンスターの聖域を後にする。

ファルクリースの聖域では、アストリッドが俺の帰りを今か今かと待ち構えていた。

アストリッドには嘘をつくことにした。

まぁ、あの傷だ。
生きるか死ぬか、微妙なところであることも事実だ。

シセロは死んだと聞くと、アストリッドは上機嫌になった。
シャドウメアをこれからも使うと良いと鷹揚に言う。

シセロの問題が片付いた今、皇帝暗殺へ向けて次の手を打つ。
そのためにフェスタス・クレックスと話をするようにと、アストリッドは指示してきた。




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