アルドゥインは、骨のドラゴンが這い出してきたことを確認し、一声吠えて空高く舞い上がって行く。
マーキュリオ:こいつが完全に復活する前に倒すぞ!
リディア:従士様!!
ilex:ここは、なんなの?ドラゴンの墓??
エリク:やーーーーー!!
骨のままでは空を飛ぶこともできず、復活したドラゴンはilexたち4人の手で呆気なく葬られた。
すると後ろからデルフィンの感嘆の声が飛んできた。
振り返ると目を見開いたデルフィンがilexと骨のドラゴンを見比べている。
マーキュリオが訝し気な顔でデルフィンを見ている。
リディアが小声で、ドラゴンに何か関りがある人のようなんですと説明した。
デルフィン:本当にドラゴンを倒すとは思わなかったわ
ilex:あんたね・・・。
デルフィン:それじゃ、あなたの質問に答えるわ。私はブレイズの最後の一員よ
エリク:ブレイズ??
ilex:(どこかで聞いたことがあるような・・・)
デルフィンは説明を続ける。
ブレイズは自身もドラゴンスレイヤーだけれど、偉大なドラゴンボーンであるセプティム皇帝を護衛するものとして名を馳せていた。
しかし最後のドラゴンボーンであった皇帝が亡くなって以降、その存在意義を探し求めてきたと言う。
ドラゴンボーンに仕えていたということは、これからはドラゴンボーンである(らしい)ilexに仕えるということだろうか?
リディアが心配そうにilexを見つめた。
ilex:で、これからどうするつもり?
デルフィン:ドラゴンを操っている黒幕を探し出すのよ
エリク:黒幕?
ilex:操られているとは限らないでしょう
デルフィン:ウルフリックが帝国に捕まって、あわや死刑というタイミングでドラゴンが現れたのよ?タイミングが良すぎると思わない?
リディア:ウルフリック・ストームクロークを殺さないためにドラゴンを動かしたとでも言いたいのですか?
デルフィンがリディアに向かって頷く。
そして一番きな臭いのはサルモールであると。
サルモール?
ilexはストームクローク兵と一緒にヘルゲンへ馬車で移送される際に、帝国兵がサルモールと会話している姿を見たことを思い出した。
アルドゥインとサルモール。確かにヘルゲンをキーワードに繋がっている。
サルモールはブレイズとも因縁があるようだ。
なんだか面倒くさい政治の臭いがし出したのを感じた。
エリク:でもさ、サルモールって帝国側じゃなかったっけ?
リディア:帝国とストームクロークとで天秤にかけた場合、どちらかと言えば帝国寄り。というくらいだと思います
デルフィン:そう。お嬢ちゃんの言うとおり。あいつらは・・・どちらかに加担することはないはずよ
リディア:お嬢ちゃん・・・
ilex:サルモールがドラゴンについて何を知っているのか調べないとね。
サルモール大使館に忍び込む方法を考えておくわと言って、デルフィンはリバーウッドの宿屋の鍵を渡してきた。
宿屋の地下の部屋で会いましょうと言い残し、立ち去って行く。
デルフィンの姿が見えなくなるまで、暫し無言の一行。
口火を切ったのはマーキュリオだった。
マーキュリオ:サルモールの暗躍・・・ね。さもありなんといったところか
エリク:そうなの?
リディア:ウルフリックを殺さないためにドラゴンを動かすというのも、どうなんでしょうね?
ilex:あの襲撃で死んでしまう可能性もあるわよね。
エリク:ウルフリックが生き延びることで、サルモールに何の得があるんだろ
確かにそうだ。
なんの意味もないことをするとは思えない。
とりあえず一休みして情報を整理することにしよう。