Skyrimーilex 追いつめられたネズミ 飛び出す

Skyrimーilex 追いつめられたネズミ 飛び出す

ヴェケルはコップを磨く手を休めず、ラットウェイ・ウォーレンズは奥の扉から行けると顎で指し示した。

それにしても、とilexは辺りを見回す。
眼光鋭くこちらを睨みつけている男や、背を向けてはいるが恐らく話の一言一句を聞き逃していないであろう背の高い女。
一癖も二癖もありそうな人物ばかり。

さっさとエズバーンを連れ出すに越したことは無さそうだ。

ヴェケルに礼を言うと、リディアたちに合図をしラットウェイ・ウォーレンズの扉を開けた。

暗い地下道が続く。
饐えた臭いに思わずマーキュリオが顔を顰めた。

階段を降りたところでサルモール兵に遭遇してしまった。

サルモール・ウィザード:・・・!なんだ、お前らは・・・!
ilex:邪魔よ!
エリク:ilex、うしろ!!
サルモール兵士:邪魔立てするな!
リディア:従士様!

サルモール以外にも、元々ラットウェイ・ウォーレンズで生活していたと思われるゴロツキたちが、金を奪おうと襲い掛かってきた。



住人のぶつぶつと呟く声を聞きながら、ラットウェイ・ウォーレンズ探索を続ける。

鎖や鍵が厳重にかけられた扉が見えた。
あれが、エズバーンの住処だろうか。

何度か強く扉を叩くと、ようやく中の扉の覗き口が開いた。
中の住人がilexたちをじろりと睨みつける。

デルフィンに言われて来たことや「降霜の月の30日にどこにいたのか。」を伝えると、ようやくilexの話を信じたようだ。
今鍵を開けると言って、がちゃがちゃとやり出した。

エズバーン:よし、開いた。さぁ、入ってくれ
ilex:随分と厳重ね
エズバーン:注意に注意を重ねても、まだ安心できないからね
リディア:デルフィンが、あなたはドラゴンに詳しいと
エズバーン:つまりデルフィンは戦い続けているのか、いまだに
ilex:まぁ、そういうことになるわね
エズバーン:なんということだ。望みなどないのに
マーキュリオ:望みがないとはどういうことだ

エズバーンは愚問だと言わんばかりに頭を振る。
”世界を貪り喰う”アルドゥインが復活し、それを止めることができる唯一の存在であるドラゴンボーン。
ドラゴンボーンは、何世紀にも渡って現れていない・・・。

リディア、エリク、マーキュリオの三人の視線が、一斉にilexに注がれる。
従士様、と小声でリディアが促す。

ilex:あー、えーと、エズバーン。私が、そのドラゴンボーンなのよね
エズバーン:なんだって!?

渋々と言った体で、ilexはエズバーンに自分はドラゴンボーンであることを伝える。
エズバーンが信じなかったときにために、ilexは最小限の力でシャウトをするつもりでいたが、エズバーンは拍子抜けするくらいの素直さでilexがドラゴンゴーンであることを受け入れた。

デルフィンの所に行かなくては!と言い出発の準備をし出したエズバーンを、4人は待つことにした。



必要な書類だけを残して、あとは全て焼却処分にし部屋を出る。

案の定待ち構えていたサルモール兵が襲い掛かってきた。
エズバーンを守らなきゃ!と4人が一斉に立ち向かう。
が、当のエズバーンは氷の精霊を呼び出し、サルモール兵に向かって攻撃を仕掛けている。
助太刀は不要なようだ。

ラットウェイ・ウォーレンズを抜け、地上へ。
久しぶりの日差しに思わずエズバーンが日陰に隠れた。

リディア:大丈夫ですか?
エズバーン:久しぶりのお天道様は眩しすぎるね
ilex:夜まで休む?
エズバーン:いや、すぐにでもデルフィンのところへ向かいたい
エリク:じゃぁさ、馬車でホワイトランまで行こうか?
マーキュリオ:ああ、そうだな。その間に色々話もできるしな

ホワイトランまでの道中、エズバーンはブレイズの歴史やサルモールとの戦いなど様々なことを熱く語った。
デルフィンと顔を合わせるのは何年ぶりだろうな、とぽつりとエズバーンが呟く。


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