Fallout4 A World of Refreshment

Fallout4 A World of Refreshment

マジックキングダムに旗を立て終える頃には、辺りが暗くなってきていた。

さっきオズワルドと会話をした辺りに、寝床があったはずだ。
今夜はここで一休みして、朝になったらヌカコーラの工場かサファリパークに赴くことにしよう。

「ゲイジ、今晩はここで休む。」
「おいおい、まだ先に進めるだろ?少し暗くなってきただけだ。」
「・・・前に言っただろ。基本的に夜間は動かない。」

納得いかな気に口の中で何かぶつぶつ呟くと、ゲイジはこちらに背を向けた。
ドッグミートが鼻面を押し付けてきたので、頭を撫でてやる。

スコープもない状態で夜襲をかけようとして全滅したレイダーたちの話でもしようかと思ったが、先を急ぎたいゲイジにそんな話をしたところでと思い口を噤む。

そして、結局俺は生き残ることを選んでしまっている。

床に座り込んで目を瞑ると、ドッグミートが隣に横たわる。
体の温かさを感じて、心が少しだけ軽くなったような気がした。



翌朝、辺りが明るくなったことを確認し、Theaterを後にする。

さてと、ヌカコーラの工場とサファリパーク。どちらに行こうか。
「ボス。あれが工場だ。」
ゲイジが顎で指し示した先に、ヌカコーラを模した大きなモニュメントがいくつも建っているのが見えた。

「じゃ、工場を先に片付けるとしよう。」


クエスト:A World of Refreshment 開始

辺りを見て回るが、入り口はどこだ・・・?

ドッグミートが、ワン!と吠えて裏手の方に走り出した。
裏口でも見つけたのだろうか。

「犬なんてほっとけよ。」
ゲイジは犬が嫌いなのか、しばしばこんな言い方をする。
じろりと睨みつけると、溜息をついて視線を外す。

ドッグミートの唸り声が聞こえてきた。

走り寄るとマイアラークに囲まれたドッグミートが見える。
「この・・・!」

ドッグミートの周りにいるマイアラークを蹴散らしていると、水の中から何かデカいやつが現れたのが視界の端に見えた。
振り返ると・・・マイアラーク・クイーンか!!?
「ボス!ヌカルークの親玉だ!!」
「ヌカルーク!?」

わらわらと集まってくるヌカルークたちはゲイジとドッグミートに任せ、ヌカルーク・クイーンを片付けることに専念する。

暫し銃声とドッグミートの唸り声が鳴り響く。
大きな音を立てて、ヌカルーク・クイーンが水の中に倒れ込んだ。

「やれやれ。これで全部か?」
「・・・いや、あっちの建物に何か居そうだ。今動く影が見えた。」
そう言うとゲイジが、すかさず潜んでいたヌカルークを撃ち殺す。

外にいるヌカルークを片付けてから、工場に入るとしよう。



「さてと・・・結局入り口はどこなんだ?」
「・・・ボス、そこじゃねぇか?」

最初の場所に戻りウロウロしていると、ゲイジが呆れたように入り口と思われる場所を指さす。
さっきは全然気づかなかった。
「よく気づいたな。」
「・・・Enter(入り口)って書いてある。」
「俺は全く気付いてなかったよ。よく見てるな、ゲイジ。」
褒められるとは思っていなかったようで、驚いた顔をしてゲイジは顔を伏せた。

建物の中も案の定ヌカルークが住み着いている。

襲い掛かってくるヌカルークを倒し、ついでに卵も破壊しておこう。

歩いていると、ヌカコーラの歴史についてアナウンスが流れだした。
ヌカコーラを発明した、ジョン・ケレイブ・ブラットバートンの話。
東海岸と西海岸では売れてる種類が違うという話。

そんなアナウンスに耳を傾けながら、ヌカルーク達を片付けていると、なんだか喉が渇いてきた。

「冷えたヌカコーラ、飲みたいな。」
「・・・ボス、あんなの飲みたいのか。」
「なんだ、ゲイジ。お前ヌカコーラ嫌いか?」
「俺は・・・薬品みたいな味が嫌いだ。ついでに言うと、サイコとか全部嫌いだ。」

レイダーらしからぬ発言に思わず、まじまじとゲイジの顔を見つめる。
レイダーならやってると思ってんだろ、とゲイジが睨みつけた。

不満そうにそっぽを向くゲイジが可笑しくて、思わず笑ってしまう。

「・・・何が可笑しいんだ、ボス。」
「いや、すまん。確かにレイダーならサイコとかやってると先入観で決めつけていたな。」
ふん、とゲイジが鼻を鳴らす。

ヌカコーラを紹介する工場の旅は、どうやらここが終着点のようだ。

出口が見当たらないので、残りのヌカルークを片付けて、来た道を戻るしかなさそうだ。
「しかし、仲間が勧めてくることもあるだろ?」
「全部断った。」

何気ない口調でそう言うが、周りの皆がやっている中で断り続けるのもなかなか難しいだろうに。
痛みや現実から逃げるために・・・溺れる者もいる。

「ボス、俺は・・・サイコとかキメた後の・・・覚めた時が一番嫌いなんだ。だからやらない。」
それに、とゲイジが続ける。
最初の頃は断るのも難しかったが、組織の中での立場が上がれば、とやかく言う奴も減ったよ。

工場の中も外も片付けたし、旗を上げてくれとゲイジ。

「・・・ヌカコーラ・ダークが飲みたいな。」
「ボス、俺の話聞いてたか?」


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