Skyrimーilex ブレイズとグレイビアード

Skyrimーilex ブレイズとグレイビアード

石造りの入り口を潜り抜け、聖堂へと続く通路を歩く。

天井から差し込む光の下に、大きな壁画が飾られているのが見えた。
あれが・・・、アルドゥインの壁?

これは凄いなとマーキュリオが呟いた。
リディアとエリクは圧倒されて言葉が出ないようだ。

ilexたちに続いて聖堂に入ってきたエズバーンが、息を飲む音が聞こえる。

エズバーン:なんて素晴らしい・・・。ほとんど無傷で残っているじゃないか
デルフィン:これがアルドゥインの壁なの、エズバーン?
エズバーン:これはすごいな。ここが・・・アルドゥインを示しているのか?こっちは、シャウトか?
ilex:・・・エズバーン、わかったことを教えてくれる?
エズバーン:あ、ああ。すまないね。この壁画の内容を読み取るに・・・ドラゴンを空から落とす方法があるようだ。
リディア:ドラゴンを落とす?
エズバーン:そして・・・それは恐らくシャウトだろう

デルフィンが腕組みしながら、壁画の解析に夢中になっているエズバーンを見つめる。

シャウト。
ドラゴンを空から落とすシャウト。
そんなものが存在するとしたら、グレイビアードがとっくに使っているのではないだろうか。

デルフィンも件のシャウトのことは初耳だったようで、どうしたものかと考え込んでいるのか黙ったままだ。
ilexがグレイビアードなら何か情報を持っているかもと言うと、デルフィンは軽く鼻を鳴らして返事をした。

デルフィン:できることなら彼らの力など借りたくはないけど
ilex:なんなのよ。何が気に食わないのよ
デルフィン:山に籠ったまま、彼らが一体何をしてくれたというの?内戦やアルドゥインと止めるために、何をしたというの!
ilex:じゃあ、貴方たちは何をしたというのよ
デルフィン:我々は皇帝の護衛として働いてきたわ!力があるのに使わないなんてただの臆病者よ!
ilex:皇帝の護衛だったのは、過去の話でしょう!

慌ててリディアが割って入ってきた。
アルドゥインを倒すためのシャウトについて、グレイビアードに聞きに行きましょうとilexとデルフィンに向かって諭すように話す。



スカイ・ヘブン聖堂を後にして、ハイフロスガーに向かう一行。

エリクが、デルフィンの言うこともわかるな、とぽつりと呟いた。

ilex:どういうこと?
エリク:・・・僕の村でもさ。戦争のためだって帝国兵に収穫物を持って行かれたり、ストーククローク兵が食事代を踏み倒したりしたりしてさ
リディア:まぁ・・・
エリク:そうやって苦しんでいる時に、内戦を止めることができる力があるのに使わないなんて
マーキュリオ:お前の言いたいことはわかる。しかしどうやって、彼らが内戦を止める?
ilex:そうか。どっちの味方も・・・できない。力がある故に干渉できない

確かにそうだね、とエリクが同意した。

グレイビアードは世俗とは距離を置いていると聞いている。
アーンゲール師も良い顔をしないであろうことは想像に難くない。
しかも、協力を仰ぐ側が・・・あの態度だ。

気が重いわ、と溜息をつくilexの肩をリディアがそっと心配そうに叩く。

いつものように静寂の中でアーンゲール師は本を読んでいる。
久しぶりに姿を現したilexを見止めると、黙って頷き、視線を再び本へと移す。

アルドゥインを倒すためのシャウトを学びたいと言うと、ページを捲る手が止まった。
誰に聞いた、とilexを見ずに静かに問うアーンゲール師。
アルドゥインの壁に記されていたと告げると、怒気を含んだ視線をilexへと向ける。

アーンゲール師:ブレイズか!理解できない物事に首を突っ込むのが得意だからな!彼らの無謀な傲慢は底が知れぬ
ilex:あー・・・そこは否定できない気がする。
アーンゲール師:お前も、彼らの只の道具として使われたいのか?我々から何も学んでいないのか?
ilex:言葉を返すようだけど、私はブレイズの仲間でもないし、手先でも道具でもないわ
アーンゲール:・・・。すまない。そうだな。私が抑制を欠いた

アーンゲール師は溜息をつきながら詫びた。
リディアたちは固唾を飲んで成り行きを見守っている。

それで何が知りたいんだ、とアーンゲール師が水を向ける。
ilexはアルドゥインの壁に描かれていた内容をアーンゲール師に説明した。
シャウトを使ってアルドゥインを空から落としたことが描かれていた。

アルドゥインの壁に描かれていた、ドラゴンを空から落とすシャウトは”ドラゴンレンド”と呼ばれるシャウトであろうとアーンゲール師は言う。
但し、グレイビアードはその言葉を知らないと。

グレイビアードでも知らないシャウトがあるというのが驚きだ。
それくらい特別なシャウトということなのだろう。アーンゲール師も”ドラゴンレンド”は例外だと言うのだ。

しかしグレイビアードさえも知らないシャウトを学ばなければ、アルドゥインを倒すことはできない。

どうにかして学ぶ方法はないのだろうか。

教団の主パーサーバックスなら答えを持っているかもしれないと、椅子から立ち上がる。
アーンゲール師に導かれ、中庭へと向かう。



山の頂上にいるパーサーナックスに会うためには、猛吹雪の道を開いて進むほかない。
そのためのシャウトをアーンゲール師は教えてくれた。

「Lok」「Va」「Koor」の3つを教わり、目指すは世界のノド。

アーンゲール師:止まらず、己の目標に心を定めていれば、山頂に辿る着けるだろう
ilex:ありがとう、アーンゲール師。ちなみにパーサーナックスってどんな人?
アーンゲール師:・・・会えばわかる。
ilex:わかった。皆で行ってくる
アーンゲール師:上に空、内に声

「晴天の空」を使うと、吹雪が晴れるので、急いで雪山を上っていく。


ilex:「Lok」「Va」「Koor」!!

※吹雪に触れると体力・スタミナ減ります。シャウト無しでは先に進めない。

少し進んでは「晴天の空」を使う、を繰り返す。
こんな雪山の頂上で1人暮らしている教団の主って、どんな人だろうね?とエリクが言う。
アーンゲール師以上に世俗に関わることを拒む人かもしれない。
なんせ人を寄せ付けない雪山の頂上で瞑想しているくらいだものね・・・。

パーサーナックスの人となりを話し合いながら進んでいると、突然目の前が晴れた。

どうやら山頂に、世界のノドに着いたようだ。
あとはパーサーナックスを探すだけ。

人の気配を求めてきょろきょろしていると、頭上に大きな影ができた。

ばさり、と羽ばたく音が聞こえる。
そしてどすんと山頂に着地した。

パーサーナックス:ドルム、ヨル、ロク。良く来た、ウンドゥニーク。私はパーサーナックスだ。


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