Fallout4 Sub libertate quietem(8)

Fallout4 Sub libertate quietem(8)

寝袋に寝転んだ後も、クインシーでの日々の話やホリス大佐の話をぽつりぽつりとプレストンが語るのに耳を傾けていた。
互いに、どちらからともなく無言になり、そのまま眠りへと落ちて行った。

「将軍。」
肩を揺すられ目を覚ます。
まだ薄暗いが、まわりから鳥の鳴き声が聞こえてくる。
朝か。

プレストンは俺より早く目を覚ましていたようで、温かい茶を渡してくれた。
「サンキュ。」
「バンカーヒルで買っておいたファンシーラッドケーキでも食べるか?」
「朝から甘さが脳天にきそうだな。やめとくよ。トウモロコシでも焼こう。」

そういえばコンコードへの道中、食事はどうしていたんだろうか。
ファロンデパートで食料を入手できたことは、かなり幸運だったよとプレストンは言う。



日が昇りきる前に、フェアライン・ヒル私有地を後にした。

少し進むと線路の跡に出る。
住民たちが歩きやすいようにと、線路沿いを進んで行ったらしい。
「幸いなことに、レイダーやスーパーミュータント達には襲われなかったんだ。」
「へぇ。」

そんな話をしている矢先。
足元の土が盛り上がり、中からモールラットが飛び出してきた。
思わず蹴り上げ、銃の横っ面で頭を殴り飛ばした後、弾を撃ち込み始末する。

「こいつらは、本当に心臓に悪い。」
「ドッグミートがいたら、真っ先に噛みつきに行くな。」

モールラットのあとは、ワイルドモングレルが藪の中から唸り声を上げながら襲い掛かる。
この辺りまで来る頃には、住民たちも逞しくなってきていて、棍棒等を手に武装しだす者もいたと言う。

向こう側にビルが見えてきた。
ここまでくれば、ダイヤモンドシティも近い。

「ママ・マーフィの予言を元に当てもなく北上することを拒んでダイヤモンドシティに向かいたいと言う住民が出てきたんだ。」
「ああ、なるほど・・・。」
「俺は、ダイヤモンドシティに落ち着くより、住民たちのために新しい居住地を見つけたかった。」

そう考えるプレストンとダイヤモンドシティ行きを強く望む住民との間で話し合いが行われた。
ミニッツメンのメンバーの中にも、ダイヤモンドシティへ行きたいというものがいたらしい。
ならば、と二手に分かれようとしていた彼らをスーパーミュータント達が襲う。

スーパーミュータント達との戦いの中で散り散りになってしまい、ダイヤモンドシティに無事たどり着いたのか、わからないことが心残りだ。
プレストンが悲しそうに首を振る。

遠くで銃を撃つ音と叫び声が聞こえてきた。
どうやらダイヤモンドシティ・ガードがスーパーミュータント達と交戦しているようだ。
「手助けするぞ」
「勿論だ、将軍!」



ガード達と共にスーパーミュータントを片付ける。
一緒に戦っている中で、プレストンが「ミニッツメンのプレストン・ガービー」であることに気付いたガードが弾はあるかと聞いてきてくれた。
「アンタたちが復活したことは、いいことだと思うぜ。」
「ありがとう。ダイヤモンドシティは君たちが守っているんだな。お互い頑張ろう。」
ガードと握手を交わす。

ようやく、クインシーからコンコードまでの道程の半分くらいまで来た。
橋を渡ればケンブリッジ。
そこからレキシントンへと抜けて、コンコードか。

壊れた橋を渡っていると、動くものが見えた。
船を拠点としてレイダーが巣食っている。
片付けてしまおう。

橋を渡った先に、C.I.T.廃墟がある。
いや、正確にはあった。

思わず立ち止まる俺にプレストンが声をかけてきた。
「将軍?どうしたんだ?」
「・・・いや。」
直視できず、走るように立ち去る。

暫く走り続け、ケンブリッジ警察署近くまでやってきた。
息を切らして追いついたプレストンが、俺の肩を掴む。
「し、将軍。」
「すまん・・・。」

2人でへたり込んで、息を整える。

「プレストン。」
「どうした」
「俺は、あんなに会いたいと思って、ノーラの仇を取りたくて、会いたくて探して。」

様子が少しおかしいと思ったプレストンは、俺が話し続けるのを手で制した。
「将軍。少し落ち着ける場所を探そう。そこで・・・話を聞くよ。」



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