Fallout4 Sub libertate quietem(11)

Fallout4 Sub libertate quietem(11)

Super Duper Marketの扉を押し開ける。
中に入ると、足元にフェラルグールが転がっていて思わずぎょっとする。
とっさに銃を構えて頭を撃ち抜くが、反応なし。
すでに誰かに始末されていた。

「フェラルに・・・襲われたんだな?」
「ああ。奥の方に食料があるだろうと思って入り込んだのがマズかった。」

奥の方で、のそりと動くものが見えた。
まったく。息をつく暇もありゃしない。

倒したフェラルをプレストンが丹念に調べている。
いつも素材を集めている時、あまり良い顔をしないのに、どうしたんだ。

「こいつが気になるのか?」
「あ、いや。こいつがというよりも。」
なんとなく歯切れが悪い。
先を促す様に黙っていると、ひとつ溜息をついた。

この場所に入り込んでフェラルグールの群れに襲われた。
なんとか出口に辿り着いたけれど、途中でフェラルに捕まりそうになったママ・マーフィを逃がすためにミニッツメンの仲間が囮になったという。

「ジョシュは・・・無事に逃げることができたんだろうか。」
プレストンが視線を落とす。

「プレストン、動くな」
「え?」
後ろから襲い掛かろうとしていたフェラルグールの頭を撃ち抜く。

こんな場所に一人で残って無事だとは考えにくいが・・・。
何もなければ逃げたと思える。探すのを手伝ってくれないか、とプレストンが頼んできた。
勿論だとも。

散乱するカートや箱を避けながら、それらしき人物がいないか探す。
売り場だったと思われる場所は一通り探し終え、奥のドアを開けスタッフルームや物置のような場所へと進む。

踏み込んだ途端、奥の棚の上からフェラルが落ちてきて、更に床に寝転んでいたヤツも起き上がる。
「将軍!奥に、何か・・・。」
「まずはこいつらを片付けよう。」

襲い掛かってくるフェラルを始末して、部屋の奥へと進む。
そこには、無残な姿になった男性の遺体があった。

プレストンが息を飲む。
どうやら探していたジョシュだったようだ。

プレストンが跪き、ジョシュの手に握りしめられていたドッグタグを拾い上げる。
「ジョシュ自身をサンクチュアリまで運ぶことはできないが・・・、せめてこれくらいは弔ってやりたい。」
「・・・ああ。」

安らかに、とジョシュに向かってプレストンが呟くのが聞こえた。



マーケットを後にして、コンコードへと向かう。
「ママ・マーフィが、あと少しだと言うから、最初はコンコードが目指す場所だと思ったんだがな・・・。」

ところがついてみると、コンコードはレイダー達に占拠されていた。
博物館前にいたやつらはなんとか始末したが、更に襲い掛かってくるのをやり過ごすために博物館の中に逃げ込んだという訳か。

「後は、アンタの知っての通りだよ。」
「博物館の中にもレイダーがいたよな?」
「そう。そいつらに追い詰められて、あの部屋に立てこもってた。」

ああ、そうだ。そうだった。バルコニーから助けを求められたな。
プレストンがふと微笑んだ。

「あのとき、いや、あの時からアンタは俺のヒーローだ。」

真顔でそう言った後、照れ臭そうに笑う。
だから、俺も誰かのヒーローになれるように頑張るよ。

コンコードを抜け、レッドロケットを通り抜ければ・・・懐かしのサンクチュアリだ。

何か月ぶりなんだろう。
半年くらい?1年は経っていないとは思うが・・・。
なんだか、ファーハーバーやヌカワールドでの出来事が遠い昔にことのように思える。

ぼんやりと立ち尽くす俺にプレストンが声をかける。

「将軍。お帰り。皆、アンタの帰りを心から待ち望んでいた。」
「プレストン・・・。」
「そして、俺のわがままに付き合ってくれて、ありがとう。本当に感謝している。」

俺の故郷。
忘れたことはない。

ああ、俺は。ここにいて、いいのか。

「ただいま。」



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創作話「Sub libertate quietem」は、これにて完了。

Fallout4 Georgeの話も一旦終わりたいと思います。
PS4時代から使い続けているキャラクターなので愛着も深い・・・。
期間を空けて、クエストModをやるかもしれません。

いままで読んでいただいてありがとうございました!



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