Fallout NewVegas~Not my pigeon
一服し終えるとVesperは改めてナッシュに、スーツの男の情報を確認する。
『保安官代理は、やつがノヴァックへ向かったと言っていた。』
「ノヴァック?カーンズの奴らと一緒だとしても、まぁ恐らくニプトンを抜けて行っただろうな。」
『保安官代理も同じこと言いやがったよ。ニプトンへはどう行く。』
ふむ、と呟くとナッシュは地図を広げて指し示す。
ニプトンへ向かうなら、道なりに進むのが一番安全だろう。少しでもそれるとファイアアントやスコルピオンに襲われる。
ジャッカルギャングやパウダーギャングなんかもうろついているから、独りで行くのは・・・。
と、そこまで話をして、ナッシュが机の上にある金属の塊のことを思い出した。
「そうだ。こいつを直すことができれば、力になるかもしれんぞ。」
『この鉄くずを、か?』
仕方がねぇなと呟きロボットの様子を見てみる。
※修理するには、ScienceかRepairのスキルが必要。あとジャンク
ナッシュから道具を借り、あれこれと弄っているうちに、ロボットからビープ音が聞こえてきた。
最後の配線を繋ぎ終えると、ロボットが宙に浮きあがりくるりと回る。
「おお、直したのか。」
Beep!!
「そいつを連れて行っていいぞ。レーザーがついてるはずだから、旅の相棒にはなるだろ。」
ロボットは、ナッシュとVesperの頭上でぐるぐると回って応えた。
さて、まずはここからニプトンか。
後ろをふよふよとついてくるロボットがどの程度役立つかはわからない。
期待せずにいくとしよう。
そんなことを考えながら歩いていると、ビッと音を立ててロボットがレーザーを放った。
どうやらゲッコーに反応して、始末したようだ。
砂漠の方へ急行して、ビームを放ち、再び戻ってくる。
『・・・お前、思ったより検知範囲が広いんだな。』
Beep!
どこからともなく現れた受刑者を仕留め、一息つく。
ニプトンまではまだまだ距離がありそうだ。
このままでは野宿する羽目になりそうだな、と考えているとパトロールステーションの建物が見えてきた。
中にギャングたちがいるかもしれないが、片付けてしまえば寝床を確保できるだろう。
建物の周りの荒れ方を見る限り、レイダーやギャングの住処になっていると判断して間違いなさそうだ。
『よし。』
中に足を踏み入れ、動くものを全て撃ち抜く。
ギャングは咄嗟のことに、武器を手にすることもできずに、頭を撃たれてあの世へと旅立っていった。
奥の部屋から仲間が飛び出してくるかと身構えていたが、誰も出てこない。
扉に耳を近づけると、かさかさと何かが動く音が聞こえてきた。
留置場の檻の中で、ジャイアントマンティスの幼虫が動き回っている。
クソったれと毒づいて、全て撃ち殺した。
パトロールステーションのオフィスには机と椅子しかなく、横になって休むことはできない。
仕方がなく、留置所へと戻る。
中には、ギャングたちに捕まったのか、ジャイアントマンティスの幼虫に襲われたのか、死体が転がっていた。
死体と一緒におねんねか。
煙草に火を点けると、簡易ベッドに横になった。
・・・俺はなんだって、こんなところで死体や死骸と一緒に寝る羽目になったんだ?
目を瞑ると、女の姿が浮かんできた。
「・・・Vegasで・・・いい仕事が・・・」
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