Wasteland3 コロラドスプリングスへ

Wasteland3 コロラドスプリングスへ

ピーターソン空軍基地内の確認を終え、コロラドスプリングスへと足を踏み入れる。

入り口アすぐの広場はドーシー一家の襲撃を受けた怪我人の呻き声や、捕らえられ磔にされている囚人たちの罵り声、そして囚人に対しての怒号で溢れかえっていた。

『・・・あれは?』
「クソったれなドーシーども」
クォンが顎で指す。

「何かの間違いです!オースティンが、息子が人を傷つけるようなことをするはずがありません!」

母親と思しき女性が、晒し台に向かって叫んでいる。
クォンに気づくと、助けて欲しいと懇願してきた。

彼女の名は、エマライン・ピーズ。
家族皆で東部の農場から戦禍を逃れるために非難していたが、途中夫や息子、娘が死んでしまい、今となってはオースティンがただ一人の家族となってしまったと言う。
息子が人殺しなどするはずがない、とクォンへ何度も訴えかける。

「そうはいってもね、奥さん。やつらと一緒に捕まったんだろ?」
「でも・・・!お願いです、あのこと話をしてください!」
クォンが話を聞いてくれないと判断したピーズ夫人は、傍にいるWraith達に向かって頼み込む。

「オースティンって、どこ?」
Wraithが答える前に、Zephyrがピーズ夫人に尋ねていた。
夫人はほっとした表情で、息子はあそこにいます、と指さす。
クォンはWraithにちらりと視線を投げかけた。

磔にされながらも、街の人々や警官を罵り唾を吐きかけるドーシー一家たち。
その前に、青い顔をして立ち尽くす少年がいる。

『・・・君が、オースティンか?』

急に声をかけられた少年は怯えた表情でWraithやZephyr、クォンを見渡す。

「あんたのかーさんが心配してる。なんでこんなことになった訳?」
「ぼ、ぼくは・・・」
年の近いZephyrに声をかけられて警戒心が少し緩んだのか、オースティンはこれまでの経緯を話し出す。

東部の農場から逃げ出してきたが、父親や兄弟姉妹が死んでしまい、母親と2人になってしまった。
ようやくたどり着いたコロラドスプリングスは、彼らに門戸を開いてくれない。
飢え死にしそうな彼らを後目に、住民たちは暖かな家の中で、美味しい食事をし、楽しそうに過ごしている。

「そんなとき、ドーシー一家は僕たちに食べ物を分け与えてくれたんです。」
俯き、唇を噛み締めてオースティンは言葉を続ける。

飢え死にしそうな僕たちに、温かい食事を与えてくれた。
その礼として、少しだけ入り口を開けて欲しいと頼まれた時、断ることはできなかった。

Zephyrが何か言いたげにクォンを睨みつける。
クォンは肩を竦めただけだった。

『なるほど。そして、君は今・・・後悔している、ということかな。』
「・・・ええ。確かに僕たちを助けてくれない人たちなんて痛い目を見ればいいと、思わなかったといえば、それは嘘になります。でも、僕はドーシー一家の仲間じゃない。母さんだって。」
『君は、何ができる?』
「ぼ、僕は農場で育ったから、そういった重労働は問題ないです。銃も扱えます!助けてくれるなら、貴方たちのところで一生懸命働きます!」
Wraithはオースティンの言葉を聞き、頷く。



厳しく冷たい表情で晒し台を見つめる治安判事サイラス・ワトキンスにクォンが声をかけた。
「どうも、判事。いつものように視線で人を殺しそうだ。」
「・・・そう言う君は相変わらず生意気だな。」
クォンの後ろにいるレンジャー達に気づくと、説明を求めた。

総主教に招かれたデザートレンジャーの部隊であることを話すと、ドーシー一家の生き残りから聞き及んでいるとワトキンスは言う。
それで?とWraithに視線を据えたまま、続きを促す。

オースティンについてと話を切り出すと、判事は鼻を鳴らした。
あの少年が行った行為により保安官たちは手を取られ、ドーシー一家の襲撃への対応に遅れが生じた。
彼の罪は重い。

(スキル:Kiss Ass4)『あのこは、あの家族は飢えていた。ただそれだけだ。解放したら我々の所では働いてもらうつもりです。』

判事はじっとWraithを見つめている。
「君たちが、総主教の求める正義を本当に理解しているとは思えないが・・・まぁ、あの少年をドーシー一家と同じように処刑するというのは厳しすぎるのかもしれんな。」

クォンに視線を走らせ、再びWraithに視線を戻す。
いいだろう。少年を解放しよう。ただし、ここから先、何か問題があった際は君たちが責任を負う。
それなら、と提示された条件をWraithは、軽く頭を下げる仕草で受け入れることを示す。

「君たちから、あの少年に伝えてくれ。」
そう言うと、判事は再び晒し台に視線を戻し黙り込んでしまった。

※難民たちの好意を+5得た。

「オースティン!!」

Zephyrに呼ばれた少年は、期待と不安の入り混じる視線をレンジャー達に向ける。

『君は解放された。そして・・・』
「アタシたちと一緒に働くんだよ!!」

クォンに手縄を外して貰いながら、オースティンは思わずぽかんとした顔をする。
「え?ぼ、ぼくは」
「少年。レンジャー部隊に命を拾われたな。」
ぽんと肩を叩き、WraithとZephyrの前に押し出す。


※名声を得た!

母親の元へ駆け寄ると、助けられたことを共に喜ぶ。
「息子を、オースティンを助けてくれて本当にありがとうございます!貴方たちは英雄です。皆さんが息子にしてくれたことを皆に話て聞かせます。」
「準備が整ったら、本部にすぐに行きます。トイレ掃除でも、武器の手入れでもなんでもします!」

親子から離れ、警察署へ向かおうとするWraithをZephyrが呼び止めた。
「・・・あいつを助けてくれて、ありがとう。」
『君に礼を言われることはないと思うが。』
「うるさいな、言いたかっただけだよ!」
『そうか。』



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