
ファレンガーと呼ばれた男は、「ドラゴン」という単語に目を輝かせてバルグルーフ首長に向き直った。
バルグルーフ首長:お前が探したいと言ってたドラゴンストーンを探しに行ってもらうにうってつけだろう
ファレンガー:ドラゴンストーンを探しに行ってくれるんですか!?・・・ところで誰なんです・・・?彼は
バルグルーフ首長:誰でもいいだろう。手を貸してくれるというんだ、頼みを言うといい
ファレンガーはLuciusをじろじろと眺めると、ふむと呟いた。
実際に存在するかもわからない、ドラゴンストーンと呼ばれるものを廃墟から持ってきて欲しい、と言う。
怪訝な顔をするLuciusに、バルグルーフ首長はドラゴンの脅威をなんとかすることが先だと釘を刺した。
ドラゴンの脅威。
テュリウス将軍やリッケ特使はドラゴンの件については触れていない。
どういうことだ・・・?
思いに耽るLuciusを後目に、ファレンガーはドラゴンストーンの話を一人進めて行く。
とある筋からブリークフォール墓地という遺跡にドラゴンストーンが眠っているという情報を得た。
危険な場所だが行く価値はある。云々・・・。
ドラゴンストーンを持ち帰らなければ話は進まないようだ。
ひとつ溜息をつくと、Luciusはファレンガーにブリークフォール墓地の場所を教えて貰う。
ホワイトランの南にある、小さな村リバーウッド。
リバーウッドの近くにブリークフォール墓地があるので、村で情報収集してから行くと良いとバルグルーフ首長から教えて貰った。
ホワイトランの衛兵も守備についているから、何か知っていることがないか聞いてみるといいかもなとも。
ドラゴンストーンを探し終えたら、バルグルーフ首長にドラゴンの脅威の件を追及するか。
そしてソリチュードに戻ったら、テュリウス将軍にも話を聞かねばな。
そんなことを考えてながら道なりに進んでいると、橋の向こうに小さな村の入り口が見えてきた。
水車の力で木を伐り出す製材所。
小さな宿屋と鍛冶屋に道具屋。
犬と子供たちが走り回っている。
長閑な村だ。
宿屋の入り口に馬を止めると、昼間から飲んだくれている老人を後目に扉を押し開ける。
???:よぉ!
どこかで聞き覚えのある声が、Luciusを呼ぶ。
辺りを見ると、帝国兵の鎧を着た男が、陽気に手を振っている。
あれは・・・コルバンヤンドにいた・・・ハドバルだったか?
何故こんなところにいる?
Luciusの不審を感じ取ったのか、ハドバルは自分の叔父がリバーウッドに住んでいるんだと説明する。
ハドバル:リッケ特使に言って、少し休養を取らせてもらってるんだ
Lucius:・・・
ハドバル:で、アンタはなんでこんなとこにいるんだ?
テュリウス将軍の話やバルグルーフ首長との話をここでするわけにはいかない。
ハドバルの質問をはぐらかしながら、この辺りの情報を聞き出すことにした。
Lucius:・・・まぁ、私も似たようなものだ
ハドバル:へぇ、そうかい!こんな辺鄙な場所にようこそ!エールでも呑むか?
Lucius:いや、私はエールは飲まない
ハドバル:ふーん、ま、好きにするといいさ。
Lucius:おじさんがいるといっていたが、君はこの辺りの生まれなのか?
ハドバル:そう。生まれも育ちもこの辺りだ。生粋のノルドってやつさ
そういうとニヤリと笑ってエールを飲み干す。
酔って前後を無くす前にブリークフォール墓地のことを聞きだすか。
リバーウッドの西にある山の上にブリークフォール墓地があるらしい。
小さい頃は言うことを聞かないと墓地に置いてくよと脅されたもんだと懐かしそうに話す。
ここから西の山か。
エールをもう一杯ハドバルにと、宿屋の親父にゴールドを渡し、外に出る。
恐らく遺跡には山賊どもが住み着いているだろう。
馬はここに置いて行くか。
ハドバル:ブリークフォール墓地に行くのか?
振り返るとハドバルがにやにやしながらLuciusを眺めていた。
いつの間に。
じろりとハドバルを睨みつけると、Luciusは無言で歩き出す。
なんだよ、行くなら俺が案内するぜ。あんたこの辺り不案内だろ?とハドバルは話続ける。
確かに不案内ではある。
何を探しているのかまで詳しく伝える必要はないか、と腹を括ることにした。
Lucius:・・・そうだな。私はこのあたりは不案内だから、詳しい道先案内人がいると助かる
ハドバル:だろ、だろ!?俺が案内してやるよ。ガキの頃、よく肝試しに行ったもんだ
Lucius:肝試し?
ハドバル:あそこは墓地だからな。出るって噂もあったし
ハドバルは嬉しそうに、小さい頃ブリークフォール墓地でした冒険の話を聞かせる。
また、共に育った友がストームクローク側に立ってしまい、袂を分かつことになった話も。
そんな話を聞きながら、山道を登って行く。
雪道を登った先に、何かが見えてきた。
あれだよ、とハドバルが指さす。
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