ドラゴンを倒した感触がまだ手に残っている。
手のひらを見つめると、Luciusはバルグルーフ首長が待つドラゴンズリーチへと急いだ。
これでバルグルーフ首長も帝国に与することに同意するだろう。
首長や執政などが、今か今かと待ちわびている。
Luciusが姿を現すと、早く報告をと急かす。
バルグルーフ首長:それで?西の監視塔にドラゴンはいたのか?
Lucius:ええ、ドラゴンに西の監視塔は破壊されました。
バルグルーフ首長:監視塔は修復すればいい。で、ドラゴンは?
Lucius:衛兵たちと共に倒すことができました
フロンガル:なんと!
バルグルーフ首長:イリレスが頼りになることはわかっていたが・・・お前もよくやってくれた
バルグルーフ首長は立ち上がると、執政のプロベンタス・アヴェニッチから褒美の品を受け取りLuciusに渡す。
更にホワイトランの従士の地位と私兵を付けると言い出した。
このままホワイトランに住めばいい、家を用意しようと思わぬ方向に話が進みだす。
Luciusが口ごもるのを見て、プロベンタス・アヴェニッチが話を戻す様に水を向ける。
ドラゴン退治が終わった今、テュリウス将軍の要請を受けるか否か、答えを出して貰う必要がある。
バルグルーフ首長とプロベンタス・アヴェニッチのやりとりに、黙って耳を傾けていた。
バルグルーフ首長:君に、ひとつ頼まれて欲しいことがある
Lucius:・・・何でしょうか
バルグルーフ首長:これをウルフリックに届けてくれ
Lucius:私が、ですか
プロベンタス・アヴェニッチ:我々が直接訪れる訳にはいかないからな
ひと振りの斧を手渡すと、ウルフリックには意味するところがわかるから、言葉はいらんと言うバルグルーフ首長。
断ることはできないようだ。
溜息一つつくと斧をしまい込み、その場を辞する。
ドラゴンズリーチから出ようとするLuciusに、柱の陰に控えていた兵士が声をかけてきた。
リディア:従士様。リディアと言います。お仕えできて光栄です。
Lucius:従士・・・?ああ、首長が言っていた私兵とは君か
リディア:よろしくお願いいたします。ウィンドヘルムへ向かうんですよね。ご案内します
Lucius:・・・
お払い箱にするのは流石に角が立つ。
ウィンドヘルムへの道案内をしてもらい、その後でホワイトランにいてもらうように伝えればいいだろう。
案内してくれるというリディアに頷き、ドラゴンズリーチを後にする。
※フォロワーも馬に乗るMOD入れてあります
馬に鞭を入れると、ウィンドヘルムへ向けて駆け出して行く。
近道はこっちと、リディアがどんどん林の中を進む。
私兵というだけあって馬の扱いも巧みだ。
Lusiusが急に方向転換するのにもついてくる。
なるほど。
バルグルーフ首長はいい人材をつけてくれたようだ。
リディア:従士様。そろそろ暗くなります。近くに宿があるはずなので休んだ方がよいかと
Lucius:わかった。夜道を走るのは避けたい。
リディア:ナイトゲートという小さな宿屋ですが・・・
ああ、あれですね、とリディアが指さす先に小さな小屋が見えてきた。
宿屋の中には、しょぼくれた親父と酒飲みがいるだけだった。
Luciusとリディアが中に入ると、宿の親父がおやという顔をする。
景気の悪い宿屋でね、と親父。
酒飲みのフルサイム爺さん以外に客が来たのは久しぶりだと言う。
リディアはエールとシチュー、パンを注文し、さっさと席に着いた。
以外にもワインが置いてあるのを見つけた。
Luciusはサケのステーキにポテト・リーキを付け合わせにと注文する。
食事を終えると、親父に部屋を2つ用意してもらい、それぞれ休むことにした。
朝早く宿屋を出て、ウィンドヘルムへと向かう。
リディアが辺りの様子を窺い、足を止めた。
Lucius:・・・どうした
リディア:何か、いるようです。
Lucius:何か、とはなんだ。
リディア:身を隠しているということは、ストームクローク兵ではないかと
Lucius:彼らは身を隠すような真似はしない、ということか?
リディア:ええ。正面切っての攻撃が正義だと信じているようですから
思いがけず辛らつな言葉が飛び出してきた。
まじまじとリディアを見やるが、彼女は気配を探るのに集中している。
兄が寄越した暗殺者かもしれんな。
ウィンドヘルムへ行くぞと、リディアを急かして馬に飛び乗る。
小さな製材所を越え、橋を渡る。
遠くに石造りの城壁が見えてきた。
あれが、ウィンドヘルムか。
急ぐかと鐙に力を込めたその時、リディアがLuciusの名を呼ぶ。
飛び出してきた暗殺者を弓で射殺した。
死体を漁ると、やはり闇の一党の指示書を持っていた。
苦い顔をするLuciusをリディアが見つめている。
Luciusが何も言わないので、彼女も黙ったままだ。
まずはウィンドヘルムだ。
そう呟くと、リディアは頷いた。
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