
ベラミーが逃げ出すのを見届けて、一行は先へと進む。
Delvinが静かに前方を指さした。
鍵のかかったフェンス(Lock PickまたはRepairで開錠可能)がある。
どうやらベラミーが実験や太陽電池アレイの調整をしていたという場所らしい。
コンピューターやロッカーなどを漁ると、ベラミーが残した実験の記録を記したカセットテープなどが出てきた。
『太陽光の力を増幅するレンズか・・・。』
「なんで、そんなもん作ったんだ、あいつは?」
『レーザーとして利用するのか、電力調達のためなのか。なんにせよ、利用できそうだ。』
「クソったれどもの手には渡ってないのか?」
Wraithが顎髭を撫でながら、しばし考えこむ。
どれほどの威力なのかわからないが、おもちゃにされると厄介なのは確かだ。
『フォトン増幅レンズを探そう。』
更に先に進むと、風に乗って、何かが焦げているような嫌な臭いが漂ってきた。
黒い煙が上がっているのが見える。
ドーシー一家たちが屯している、その後ろに大きな機械が鎮座していた。あれがフォトン増幅レンズなのか?
『ルシア、やつらの背後に出る道はないか。』
「・・・。」
素早く左右に視線を走らせると、ルシアは左手にある獣道を見つけた。
襲い掛かってきた野犬を倒し、フォトン増幅レンズの機械へと近づく。
ドーシー一家たちに気付かれる前に、システムへアクセスし、フォトン収集の値を最高レベルまでに上げる。
レンズの向きを調整し、最後にボタンを押すと、熱線がドーシー一家に降り注いだ。
近くにあったタンクにも引火し、あっという間に火だるまになる。
「うわぁあああああ!!」
「なんだ!?襲撃か!!?」
「クソったれども、くたばりやがりな!!!」Zephyrが躍り出る。
体勢を立て直すこともできず、ドーシー一家たちは蹂躙されていく。
やつらの燃える臭いと、更に先ほどから感じている燻った臭い。
黒い煙がまだ立ち上っている穴を見つけた。
『これは・・・。』
身元を確認することが不可能なくらい焼け焦げた遺体が、穴の中で折り重なっていた。
大人も、子供も、男も、女も、何もかも。
「なにも・・・わからない。私の家族は・・・?」
ルシアはやっとの思いで呟く。
「誰が、こんなことをしたの?どうしてこんなことができるの?こんな、こんなことを・・・。」
そっとルシアの肩に手をかけたまま、Thunderは黙りこくっている。
深く眉間に皺を寄せ、Wraithは顔を背けた。
『行くぞ。』
※穴の近くに、Cyborg Chicken(サイボーグのニワトリ)がいるので、Animal Whispererがあるなら声かけておく。
坂を上りきると開けた場所に出た。若者たちが、元気なく座り込んでいるのが見える。。
仕立ての良いスーツを着た青年が1人、手を挙げ降伏を示しながら、一行に近寄ってくる。
「私の名は、アイザック・リード。ここの皆を代表して無条件降伏を申し出ます。我々に悪意がないことを示す証拠として、ドーシー一家が、どのようにして町に乗り込んだのか教えましょう。」
Wraithは難しい顔をしたまま、アイザック・リードに話を続けさせる。
「ファラン・ブリゴの組織が、ドーシー一家に力を貸したのです。そして・・・」
ルシアが拳を振るわせながら、アイザック・リードの話に割って入る。
「貴方たちは・・・あいつらを、ドーシー一家を手伝っていたと、そういうことなの・・・?」
「ルシア!ああ、君に会えるなんて。」
「再会を喜んでいると思うなら、大間違いよ。アイザック。」
ルシアの厳しい声音に一瞬怯んだが、アイザック・リードは自分たちはコロラドスプリングスのことを考えて行動したのだと、そう話す。
Zephyrが振り上げようとした拳をWraithが止める。
『・・・それは、どういう意味だ。』
「総主教を倒すとドーシー一家は約束したんです。コロラドスプリングスは総主教の監視下にある。我々百家族が責任のある立場だと言われているけど、本当は違う。」
『それで?』
「ここは病んでいる。変わる必要があるんです。」
『変化を起こすために、やったことだと、そう言いたいのか。』
「総主教は、自分たちの事しか考えていない!やつの娘リバティ・ブキャナンが軍隊を集めてるって話も聞いたんだ!」
かちり。
ルシアが撃鉄を起こし、アイザック・リードに狙いを定めた。
「もう十分よ。アンタの裏切りは刑が執行されるのに十分だわ。」
アイザック・リードは懇願するような眼差しを送る。
『ルシア、やめるんだ。』
「どうして!?こいつのせいで、みんな、みんな・・・。こいつを逃せとでもいう訳??」
『誰が、逃がすと言った。逮捕するんだ。正義が果たされるように。』
「正義なら、私の手に平の中にある!喜んで執行するわ!」
手を伸ばしルシアのリボルバーを押さえつける。
Wraithの冷たい視線にルシアは思わず目を伏せた。
『・・・君にその権限はない。君は保安官から代理で執行するように言われてもいない。これは、我々部隊の仕事だ。』
アイザック・リードはほっとして笑顔になったが、Wraithに睨みつけられ震えあがった。
頭を押さえつけ、無理やり跪かせる。
頭上に上げた両手に手錠をかけると、レンジャー部隊本部に連絡を入れた。
「・・・こちらレンジャー本部、マルセロ・ゴンザレス。どうぞ。」
『こちらTeam November。』
「ああ、君たちか。神々の庭園で銃撃戦があったと報告が入っているが、何か知っているか?」
『恐らく、我々がドーシー一家を片付けた際のものだと思います。それと数名の反乱軍を逮捕した。できるだけ早く彼らを迎えに来るようチームを派遣して欲しい。』
「よくやった。すぐに逮捕チームを派遣しよう。」
その場にいる、他の青年たちからも武器を奪い逃げられないように縛り上げる。
恨みがましく一行を睨みつける青年までいたが、Zephyrに銃口を向けられると命乞いを始める始末だった。
『・・・後は、逮捕チームに任せよう。我々はデイジー保安官の元へと戻る。』
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