
神々の庭園を後にし、デイジー保安官の元へ戻ろうと言うWraithの顔が今までにないほど険しくなっていることに気付くと、ZephyrはThunderに耳打ちする。
「・・・なぁ、あいつ・・・怒ってねぇか?」
「え?ああ、Wraithのこと?」
頷くZephyrにThunderは苦笑いで応える。
そういえば、とクォンがWraithに声をかける。
キャサディ夫妻が話していた医師がいるガレージが近くにあると言うのだ。
『・・・そうだな。寄って行こう。』
こっちだと先導するクォンを追いガレージへ。
車の修理や機械の調子を見ている若者たちに指示を出している老人が、Wraithたちに気付く。
「やあ、ジミー。」
「おや、保安官。何か用ですかな。」
後ろに控える一行に軽く頭を下げ挨拶する。
医師を探していることを伝えると、ガレージの一角をパーカー医師に貸していることを教えてくれた。
ドーシー一家の襲撃を受けて負傷した人々を収容しているというのだ。
ジミーが指さす先に、忙しそうに負傷者の様子を確認している白衣の男が見えた。
「やぁ、ドク。」
クォンに声をかけられて、男は振り返った。
疲れきって顔色が悪いが、人々を助けようと苦心している。
「ああ・・・クォンか。なんのようだ。」
「ドク、邪魔して悪いな。」
パーカー医師は手でクォンの謝罪を振り払う。
「気分を害さないで欲しいんだが、死にそうな人々の容態のほうが重要で、礼儀にかまけている暇なんてないんだ。」
「分かってるよ、ドク。」
Wraithがパーカー医師に総主教に招かれてやってきたことを話す。
コロラドスプリングの平和を、コロラドの平和を取り戻す手伝いをすると。
『なにか、手伝えることはないか?』
パーカー医師は、少しだけほっとしたような顔をした。
「手伝いはどれだけあってもいい。では、足りない物資を調達してきてくれないか?」
『何が必要だ?』
「縫合キット、負傷キット、医療パックを。」
※これらのアイテムは、今までの戦闘などで入手していることもあるが、ガレージの近くにある店でも買うことができる。
必要な物資を手に入れガレージに戻る。
そこでは、パーカー医師は新たに運び込まれた重傷者にかかりきりになっていた。
一行に視線を投げかけると、君たちは医療の知識はあるかと尋ねる。
『・・・応急処置程度なら。』
「それでもいい。私は手が離せないから、頼まれてくれないか。」
Zephyrが不安そうにWraithを見上げる。
それぞれに必要な処置(縫合キット、負傷キット、医療パックのどれかを使う)を行う。
なんとか処置を終えると、パーカー医師へ報告する。
今まで呻き声を上げて苦しんでいた患者たちが、ゆっくりと息をして眠る姿を見て医師は感謝の声を上げた。
「ああ、助かったよ・・・。よかった・・・。」
新しく運び込まれて来た患者をちらりと見る。
彼女には手術が必要だが、ここにある器具では足りないと言うのだ。
『わかった。ドク、俺たちの基地には医師が必要だ。その患者と一緒に基地へ来てくれないか。手術室は好きに使っていい。』
パーカー医師とWraithが、固く握手をする。
「・・・ありがたい。よろしく頼む。」
準備が整い次第、基地へ行くと言うパーカー医師と別れ、一行はデイジー保安官の元へと向かった。
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