Wasteland3 Don’t you be my neighbor

デイジー保安官の元へ戻り、神の庭で見た事実を報告する。
アイザック・リードたちがドーシー一家の襲撃に一役買っていたこと、ファラン・ブリゴと言う人物も手を貸していること。

デイジー保安官が深く溜息をつく。

「ファラン・ブリゴか・・・。いい噂はきかない。なるほどな。」
『助けることができたのは、ベラミーという青年だけでした。』
「うん。ベラミーからも聞いている。」
そういうと保安官はちらりとルシアに視線を走らせた。

「君たちには、ファラン・ブリゴが経営しているLittle Vegasへ潜入してもらいたい。」
「Little Vegas?」
「ああ、コロラドスプリングスでも人気のナイトクラブだ。調査員を何人か派遣したのだが、戻って来なくてね。」
『・・・わかりました。調査してきましょう。』

デイジー保安官はWraithを見つめ頷く。
中に入ったら手荒い歓迎を受けるかもしれない。
ちょっと遊んでやってくれて構わないと、デイジー保安官は言う。



保安官事務所を出て、街の北にあるLittle Vegasへと向かう。
華やかなネオンが輝くその姿は、ドーシー一家襲撃の跡が残る街の中で異彩を放っていた。
Zephyrが不愉快そうに鼻を鳴らす。

そこへ、レンジャー部隊本部の通信が割り込んできた。
「Team Novembe、どうぞ。」
『・・・こちらTeam Novembe。』
「あー、サン・ラックス・アパートメントの管理人であるウォンさんから連絡があってね。アパートの中で爆弾が作られてるのではないかと言うんだ。」
『爆弾・・・?』

「ちょっと、あんた!私に変わりな!!」

クォンが思わず頭を抱えた。
通信員のゴンザレスからマイクを奪い取ったウォン夫人が、アパートに変人がいて爆弾を作ってると捲し立てる。
ゴンザレスの制止も聞かず、ウォン夫人は3号室から変な音が聞こえる!複数人の声がする!と一気に話す。

クォンを見ると、肩を竦め頭を振った。
『えーと。保安官には相談してみたのか?街の困りごとは彼らの担当だと思うのだが・・・。』
ウォン夫人はWraithの話を馬鹿にしたように遮る。
「アタシが何もしていないとでも思ってるのかい?電話したに決まってるだろ!でも何もしてくれやしない!」

「アパートに来ておくれ!あの変人が、うちのアパートを吹き飛ばす前に!」

Wraithの沈黙を、困っていると感じたのか、ゴンザレスが手を煩わせて済まないと謝る。
ウォン夫人が、煩わせるとはどういうことだい!と食って掛かっているのが無線から聞こえてきた。

返事をする前に通信が切れてしまい、返事をし損ねてしまった。
WraithはZephyrにどう思うか尋ねる。
「ナイトクラブ行く前に、ばーさんの言うこと聞いてやってもいいんじゃね?」
他の面々も、苦笑いしながら頷いた。

『仕方がない、サン・ラックス・アパートメントへ行こうか。』

アパートのインターフォンを鳴らすと、ウォン夫人が疑い深そうな声で誰なのかと尋ねてきた。

『・・・デザートレンジャー部隊だ。ウォン夫人。』
「え??!!本当に??」
バタバタと走り回る音がして、アパートの扉が開いた。
クォンがやれやれと言わんばかりに大げさな溜息をつく。

Wraithと視線が合うと、軽く頭を振る。



薄暗いアパートの中で、ウォン夫人がレンジャー部隊を待ち受けていた。
ウォン夫人はWraithを見ると、煙草の脂で黄色くなった歯を見せニヤリと笑った。

「いやはや、本当に来てくれるとは。保安官達なんかは決して来やしなかったのに。」
「いや、ちょっと待てよ。ウォン夫人。私は電話があったら来ただろう?」
クォンが異議を唱える。

「おや、アンタはレンジャー部隊と一緒に行動してるのかい。そりゃいいことだ。総主教なんかの為に働くよりずっといい。」
どうやら総主教に対して思うところがあるようだ。
Delvinがおやと言う顔をし、Thunderと視線を合わせる。
しかし、今その話をしている場合ではない。

アパートの住人が爆弾を作っているだのどうのという話に戻る。
夫人が言うには、アーヴという名の住人が暮らす3号室から複数の人間の声がして五月蠅いらしい。
更に、燃えるような匂いや漂白剤の匂いがすると。

「友達でも呼んで遊んでるんじゃねーの?」
そう言うZephyrに、アーヴに友達なんかいやしないよと馬鹿にしたような口調で返す。

アーヴの部屋に行ってみたのかと尋ねると、部屋には鍵が掛かっているという。
その秘密めいた行動が余計に疑惑を煽っているようだ。
「私にはわかっているんだよ!あいつは絶対に怪しいことしているんだ!」

溜息を一つつくと、Wraithはウォン夫人に3号室を確認して来ようと約束した。

ウォン夫人が、3号室の方を指さす。
「部屋は、この廊下の奥、右手だよ。彼が爆弾を作っているなら止めさせるか、追い出すかしておくれ。」
『・・・まずは、様子を見てからだ。』



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