Fallout3 Tranquility Lane

目を開くと、そこは・・・どこか平和な街並み。
真ん中に公園があり、周りを住宅が囲んでいる。

長閑な風景。

無意識の癖で、Pip-Boyを確認しようとすると、そこには見たことのない腕時計が。

あれ?なんで?Pip-Boyはどこにいったんだろう。
そして・・・ここは、どこだ?

僕は、父さんを探してVault112にきて。それでラウンジに入れってアナウンスに従って横になって・・・。
どうもはっきりとしない。よくわからないけど変だ。そう感じる。
近くを通りかかった男性に聞いてみよう。

『あの・・・。』
「よお、いい天気だな!」


ジョージ・ネウスバウム


ジャネット・ロックウェル


ビル・フォスター

公園の周りにいる大人に声をかけても、明快な答えを得ることができない。
それどころか、人の話を聞かずに「ベティ」に会えと言うだけだ。

もう少し、他の人の話を聞いてみよう。
それで駄目なら、ベティって奴を探すとしようか。
Patrickは近くの家の中を覗いてみた。

中には老婦人が1人、落ち着かない様子で家の中をうろうろしている。
見知らぬ少年が家の中に入って来たことに気付くと、少し不安そうな顔をした。

「・・・あんたは・・・?」
『え、ええと、僕は・・。』

ディザーズ夫人は、じっとPatrickを見つめる。

「あんた、あんたはここの住人じゃないね。」
そう言うと、辺りの様子を窺い、Patrickの腕を掴んで引き寄せた。
小声で、ここにいてはいけないと囁く。

『どういうこと?』
「ここは・・・現実じゃないんだよ。全部嘘、嘘の世界さ。悪夢だよ。悪夢は・・・終わらせなければ。」

頭の中のもやもやが少し晴れたような気がした。
この人は、外で暢気に挨拶したり散歩している大人と何かが違う。
Patrickの顔を見て、ディザーズ夫人は頷く。

『嘘の世界。』
「そう。私たちは、本当はここにいないし、話もしていないんだ。全部作り事。」
『じゃあ、本当の僕たちはどこにいるの?』
「・・・寝ているんだよ。夢を見ているのさ。」

私たちに目を覚まして欲しくないと願う彼の仕業だとディザーズ夫人は言う。
彼?彼とは誰なんだ?

不思議そうな顔をするPatrickに、ベティ会ったかと尋ねる。
どこかで聞いたような名前だ。
そうだ、外の大人たちが声を揃えて会えと勧めてきた。

『ベティってやつが、ここを支配しているの?』
「今はベティと名乗っているだけよ。本当の姿は、ブラウン。」
『ブラウン!?科学者の??』
「そう。ここを作るのに貢献したからって神みたいに振舞ってる。安全装置ターミナルを利用してね。」

ディザーズ夫人から、安全装置ターミナルなるものが捨てられた家の中にあると教えられる。
装置を作動させて悪夢を終わらせて欲しいと頼まれた。
あんたなら見つけられると励まされ、ディザーズ夫人の家を後にした。



捨てられた家。
どこにあるだろう・・・。辺りを見渡しながら歩いていると公園の中から手招きする子供が見えた。

「あんた、新顔ね!ここんとこついてるわ」
『えーと、君は?』
「ベティよ。トランキル・レーンに住んでるの。ねぇ、ゲームしない?」

ゲーム?
そして、ベティっていった?
Patrickが何も言わないでいると、ベティは馬鹿にしたように鼻を鳴らした。

『ゲ、ゲーム?』
「やるといったら、やるのよ。」
『・・・。』

ティミー・ネウスバウムを泣かせろ。
ベティはそう指示を出した。
Patrickが不可解そうな顔をしていることに気付くと、苛ついた様子を見せる。

「いいからティミーを泣かしてきなさいよ。泣かせて戻ってきたら、アンタが聞きたいことを教えてやってもいい。」

わん!とどこかで犬の鳴き声がしたような気がした。



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