
Kingに調べたら戻ってくると伝え、オールド・モルモン・フォートへ再び向かう。
「今日一日で2回目?3回目?」
『とっととジュリー・ファルカスに話を聞いて、終わらせるぞ。』
何度も訪ねてくる2人をアポカリプスの使徒たちは嫌な顔もせず迎え入れる。
それにしても。
この場所を維持するのだって金はかかるだろうに。
ここの住人達に分け与えることはあっても、寄付されることはねぇだろ。
金をどう工面してやがるんだ。
Vesperは胡散臭げにあたりを窺う。
「あら、新顔ね。何が必要なのかしら。」
振り返ると白衣を着たモヒカンの女性が二人に近づいてくる。
『いや、俺らは・・・。』
「初めてフリーサイドに来たんですけど。」
ヴェロニカがニコニコしながらVesperの話を遮った。
女性の名はジュリー・ファルカス。
Kingが話をしろと言っていた人物だ。
ヴェロニカがちらりとVesperを見る。
『あー、この辺は物騒だな。さっき外で通り魔に出会った。』
「物騒なんてもんじゃないわ。」
ジュリーは難しい顔をして首を振る。
フリーサイドの住民がNCRの人間に喧嘩を吹っかけていて、治安は悪くなる一方。
住民たちは貧しく、NCR市民から物資を奪おうとしていると話す。
『・・・なるほど。NCRの連中はどうしてるんだ?どうやって物資を手に入れている。』
「確かに奪われるような物資を持ってるってことだよね?」
それなんだけど、とジュリー。
NCRに知り合いがいるらしい。
エリザベス・キーラン少佐に話を聞いてみるといいと教えてくれた。
フリーサイドの西の方で市民、といってもNCR市民だが、に物資を配っているというのだ。
『フリーサイドで、NCR兵がNCR市民にだけ物資を。』
「・・・そうね。」
そんなことすりゃフリーサイドの貧民たちがどう思うのか。
NCRのクソったれどもが。
Vesperが忌々しそうに煙草を投げ捨て足で踏みにじる。
「エリザベスが話をしてくれなかったら、私の名前を出すといいわ。」
『・・・そうさせてもらおう。』
「それにしてもさ、ヤな感じだよね。」
じゃあ、行くかと離れようとする2人をジュリーが呼び止める。
「Atmic Wranglerの方に行くなら、ついでに人を探してくれないかしら。」
Vesperが答えず、眉を上げてジュリーを見つめる。
腕のいい機械工と科学者が悪習に手を染めて抜け出せなくなっているというのだ。
ビル・ロンテ老とジェイコブ・ホフ。
2人を連れ戻して欲しい。
ヤク中なんざ、放っておけよ。
口から出かかったが、恩を売っておくのも悪くない。
あとで、あの先生を連れだすときにネタにできるだろ。
『・・・いいぜ。ビルとジェイコブだな。連れ戻してやるよ。』
(あ、なんか悪いこと考えてる顔してる)
ヴェロニカはVesperが何かを含んだ笑い顔をしたのを見逃さなかった。
ジュリーにフリーサイドにいる派閥について聞いてから出かけるとするか。
Mick and Ralph。Mickが銃を売って、Ralphは何を扱っているんだ?
Silver Rush。エネルギー武器を売っているサイコ。
『OK。NCRども見つけるついでに、やくち・・・ビルとジェイコブに戻ってくるように言ってくるか。』
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