ハドバルが、ホワイトランのバルグルーフ首長についてあれこれと教えてくれる。
アルヴォアも言っていたが、今のところ帝国にもストームクロークにも与していないらしい。
ホワイトランにある首長の住居は立派なもんだぞ、と言う。
ウィンドヘルムでは港湾地区から出たことがないilexは、立派なものと言われてもピンとこなかった。
ホワイトランが見えてきた頃、ハドバルが歩みを止めた。
ハドバル:帝国への鎧のままではマズいかもな
ilex:そうなの?
ハドバル:帝国兵が用もなく来たとなっては警戒されかねん
ilex:じゃあ、どうするわけ?
まぁ、待てと呟いて岩陰に姿を隠すと、なにやらもぞもぞし始めた。
暫くすると、鎧を脱ぎ捨て市民の服に着替えたハドバルが現れた。
これならいいだろう、と得意げだ。
ホワイトランの大きな門の前で、衛兵に呼び止められた。
どうやらドラゴンを警戒して門を閉ざしているらしい。
リバーウッドが救援を求めていると伝えると、急ぎ首長と話す様にと言い門を開けてくれた。
市民が集まる広場を抜け、タロス像の呼びかけを聞き流しながらドラゴンズリーチを目指す。
ハドバルが言っていたように、大きな建物だ。
こんなところに住んでいる人がいるのね。
あそこにいるのがバルグルーフ首長だとハドバルが教えてくれたので一直線に向かって行くと、険しい顔をしたダンマーに行く手を遮られた。
イリレス:何のご用かしら、アルゴニアンのお嬢ちゃん
ilex:リバーウッドが救援を求めているわ
イリレス:リバーウッドが?わかった、首長と話をしていいわよ
そう言うとイリレスはバルグルーフ首長へ声をかける。
ヘルゲンがドラゴンに襲われたこと。
リバーウッドが救援を求めていることを聞くと、バルグルーフ首長はすぐさまイリレスに衛兵をやるように指示した。
更にドラゴンに詳しい奴がいるんだと言い、つかつかとどこかへ歩いていく。
ハドバルと顔を見合わせ、慌てて首長の後を追いかける。
フードを被った男にバルグルーフ首長が声をかける。
彼の名はファレンガー。ホワイトランの王宮魔術師でドラゴンにも詳しいという。
ヘルゲンがドラゴンに襲われたと聞くと、目を輝かせてドラゴンの大きさや飛ぶ姿などを矢継ぎ早に質問しだした。
バルグルーフ首長に窘められ、渋々といった様子で話を元に戻す。
ドラゴンについての重要な情報を得るために、ブリークフォール墓地にあるドラゴンストーンを持ってきて欲しいと言うのだ。
ドラゴンストーン。
なんて魅惑的な響きだろう。
ilexはハドバルの同意も得ずに、我々2人で行ってくると答えドラゴンズリーチを後にした。
ilex:と、いうわけでもう少し付き合ってもらうわ
ハドバル:まぁ、リバーウッドに戻っても暇を持て余すだけだしな。構わんよ
ilex:・・・暇なの?
ハドバル:手伝ってやるのに、その言い方はないだろう
ilexは付き合ってもらうお礼にと、ホワイトランでの食事と宿代を払うことにした。
じゃあ折角だからと何故か防具を新調するハドバル。
冒険者ぽいだろ?と上機嫌だ。
翌朝、日が昇り始めたころホワイトランを出発する。
橋を渡り、リバーウッド手前の山道を登ると雪がちらつきだした。
あまりの寒さにilexの動きが鈍る。
ハドバルが監視塔のような場所にいた山賊たちを片付け、毛皮のコートを持ってきてくれたので着込むことにする。
ilex:さ、さむい
ハドバル:ほら、これを着ておけ。
ilex:はやく建物の中に入りたい・・・
ほら、見えてきたぞ、とハドバルが指出すが雪がひどくて良く見えない。
とにかく、建物の中に入りたいと急ぎ足になったilexの足元に弓矢が撃ち込まれた。