
セプティマスの住処の出入り口は一か所。
唯一の出入り口を、うねうねと動く触手が塞いでいる。
リディアの目にも見えていると言うので、どうやら夢ではないようだ。
ナイフに手をかけ、ゆっくりと近づく。
触手の間から無数の目玉が見え隠れしていることに気付くと、ilexは思わずゾッとして足を止めた。
???:もっと近くに寄るといい
ilex:・・・誰なの・・・
ハルメアス・モラ:我が名はハルメアス・モラ。まだ見ぬ者の守護者。
ilex:(セプティマスが主と言っていたデイドラね・・・)
ハルメアス・モラ:定命の者よ、お前を観察していた
穏やかな口調で語り掛けてくるが、ilexは背中に冷たいものを感じていた。
リディアは固唾を飲んでilexを見守っている。
ハルメアス・モラはセプティマスの役目もそろそろ終わりを迎える。
”箱”が開けば、利用価値は無くなると、そう告げた。
ilex:利用価値・・・?
ハルメアス・モラ:そして次は、お前だよ。我が勇者よ
ilex:ちょっと、冗談じゃないわよ
ハルメアス・モラ:大勢が、そうやって抗ってきた。だが永遠に抗うことは叶わぬのだ
ハルメアス・モラの笑い声なのか、ガサガサと何かが擦れるような音がした。
気が付くと、入り口を塞いでいた闇と触手は姿を消していた。
マーキュリオやエリクも心配して近寄ってきた。
ilexは掻い摘んでハルメアス・モラとの会話を皆に伝える。
このままセプティマスの依頼を続けて大丈夫なのか、ilexは一抹の不安を覚えた。
ilex:嫌な予感しかしないのよね
リディア:ハルメアス・モラですか・・・
エリク:どうする?セプティマスの依頼、やめる?
マーキュリオ:箱が開いたら・・・いったいどうするつもりなんだ
ilex:お役目御免っていうけど、どうするつもなのかはわからない
深いため息をつきながら、首を横に振る。
とはいえ、セプティマスを殺す、とは言っていなかったし、ハルメアス・モラととの対話ができなくなるだけのかもしれない。
よし、と呟き、セプティマスに依頼された「マーの血」集めを続けることにする。
※ファルメルはブラックリーチに戻ればよい。オーク等は山賊を仕留めるといいかな
※アルトマーはサルモール大使館に殴り込みに行きました
「マーの血」を無事集め戻ってきた一行を見て、セプティマスが抽出器を渡すようilexを急かす。
ilex:ここにあるから焦らないで!
セプティマス:もう少しで・・・聞こえそうだ。はやく、早く抽出器を!
エリク:ねぇ、セプティマスにハルメアス・モラのこと言わなくていいの?
ilex:セプティマス。箱が開いてしまったら、あなたに何か起こるかもしれないわよ?
ilexから抽出器を手渡されたセプティマスに、皆の心配する声は届いていないようだ.
血を混合すると、ドゥーマーの装置の前に立つ。
セプティマスの一連の動作を受けて、金属のきしむ音を立てて装置の扉が開いた。
あ、と思う間にセプティマスは装置の中に駆け込んで行った。
虚を突かれた形でilex一行も慌てて後を追いかける。
装置の真ん中に置いてある「何か」を見つめて、セプティマスがぶつぶつと呟いていた。
そして。
セプティマスの体がふわりと宙に浮いたかと思った瞬間、ふと崩れ落ち、灰になった。
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