遠くで声が聴こえる。
いや、聞こえたような気がした。
あれは、誰だ?
耳の奥で、どくどくと脈打つ音がする。
俺は、一体・・・?
???:馬鹿ね、????に???しましょ???
???:お前は???だったよ。流石だ。???自分の運の????
???:ずっと???
???:最初から決まっていたんだ。
そして、暗転。
ぼんやりと、動く何かが見えた。
あれは・・・、なんだ?
よく見ようと身じろぎすると、頭に痛みが走る。
「目が覚めたか?気分は?」
声の方に顔を向けようとすると、ぐるりと世界が回った。
ドック ミッチェルと名乗る老人から、頭を撃たれて墓場に放置されていたところを助け出されたと聞かされる。
頭を撃たれた?墓場?
『・・・俺は・・・?』
「ヴィウターが連れてきた時はどうなるかと思ったが、大丈夫そうじゃな。」
『・・・?ヴィクター?』
「君を助けたセキュリトロンじゃよ。あとで挨拶するといい。」
「ここはグッドスプリングスという片田舎だ。私が君を手術してね。」
それはそうと、とドック ミッチェルがテーブルの上に手紙や眼鏡、ほんの少しのコインを置いた。
「眼鏡に、Vesper と刻印がしてあった。君の名前かね?」
『Vesper・・・?俺の名・・・?』
まるで心に響かないが、恐らく俺の名前なのだろう。
テーブルの上に置かれた眼鏡を手にする。
手紙はMojave EXpressの依頼書だ。
「あんた、運び屋の仕事でもしてるのか?」
『運び屋・・・?いや、よく覚えていない。』
ああ、すまんとドッグ ミッチェル。
プリムという町にMojave EXpresの支店があるらしいから、話を聞いてみるといいと教えてくれる。
その町の名前に、何かひっかかるものを感じた。
行けば思い出すのだろうか。
「とりあえず、グッドスプリングスの街を散策するといい。何か知っている住民がいるかもしれん。」
壁に掛けてあった帽子を土産にもらい、Vesperはドックの家を後にした。
2代目運び屋の旅、始まりました!
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