Fallout NewVegas~プリムへ
グッドスプリングスを道なりに南下すると、T字路に出た。
看板には、右に進めばプリム。左に進めば・・・Vegasへ行けると書かれている。
いっそのこと、一気にVegasまで足を延ばしてみるのもいいかもしれない。
途中空き家でもあれば、一休みできるだろう。
日が落ちてしまう前に休める場所を探さなくては。
そんなことを考えながら歩いていると、制服のようなものを着た男たちが何かを漁っているところに行きあたる。
Vesperに気づくと問答無用で発砲し、ダイナマイトを投げつけてきた。
『やろうってのか!!』
「うらぁ!!」
「死ねぇ!」
始末した男たちを足で転がす。
制服の背中には「NCRCF」の文字。
NCR?軍隊からの脱走兵か何かか?
男たちから、使えそうな弾薬やステイムパックなどを奪い取り懐へと入れる。
「まて、お前。待つんだ!先に進むんじゃない!」
急ぐVesperを、作業員といった風貌の男が制止した。
男は、ここから北はデスクローが出没するから行かないほうが良いと言う。
『デスクロー?』
「そうだ。あいつらは見た目以上に素早いし、何より鋭い爪で襲い掛かってくる。もしVegasに行こうと考えているなら遠回りにはなるがプリムからノヴァックに抜けるルートの方がましだ。」
男はちらりとVesperの装備に視線を投げて、溜息をついた。
どうやらデスクローに勝てそうにないようだ。
仕方がない。戻ってプリムを目指すか・・・。
チョンプス・ルイスと名乗る男は、夜歩くのは危ないから休んで行くといいと声をかけてきた。
『ここは?』
「ここはスローンだ。中に酒場もあるから一休みしていきな。」
『そうするより他なさそうだな。』
「宿舎のベッドで寝るといい。」
『有難く借りるよ。ああ、そういえば・・・ここに来る間にNCRCFと書かれた制服を着た野郎どもに喧嘩を売られた。』
チョンプス・ルイスは、嫌そうな顔をした。
「NCRCF・・・New California Republic Correctional Facility(ニューカルフォルニア共和国 矯正施設)。」
『ようするに・・・?』
「前科者どもが入ってたムショみたいなもんさ。NCRはそいつらに刑罰の為に鉄道建設の手伝いをさせてたんだ。」
『なるほど。脱走した奴らってことか?』
「・・・どうやら暴動があったらしくてな。」
自分たちを「Powder Gnang」と呼んで、通りがかるキャラバンなんかを襲っているという。
最初に遭遇した時、何かを漁っていたようだったが、そうかキャラバン隊の荷物を漁っていたのか。
NCRはリージョンとの戦いに明け暮れていて、そこまで手が回らない。
チョンプス・ルイスはVegasでのNCRの立ち位置を説明してくれた。
脱走兵たちを捕まえたらNCRから謝礼があるかもしれんぞというが、NCRに手を貸す気にはなれなかった。
『ともかく、飯と酒だ。』
翌朝。
スローンを後にして、来た道を戻って行く。
途中、喧嘩を撃ってくるPowder Gnangたちを片付けながら進む。
遠くにジェットコースターや大きな建物が並ぶ場所が見えてきた。
あれが、プリムか?
思いを巡らせた途端、頭にズキリと痛みが走る。
???:お前、???じゃないのか? Vesper:うるせぇな、そんなこと???
やっぱり俺は、あの街へ行ったことがある。
あのじじいに話を聞けば何かわかるだろうか。
混濁した記憶を振り払うように頭を強く揺する。
「おい、お前!!どこへ行くつもりだ!」
銃を手にした男がこちらに近づいてきた。
NCR兵のようだ。
Vesperも反射的に銃を構える。
『・・・なんだ、お前らは。』
「我々はNCRだ。プリムは今立ち入り禁止となっている。来た道を戻るんだな。」
『立ち入り禁止だと?俺は、あそこにあるMojave Expressに用があるんだ。』
「勝手にしろ。俺は忠告したからな。」
脱獄した囚人が街を占拠していている。
NCRはというと、手出しもできず、制圧したとしても人手不足で管理下に置くことすらできないというのだ。
物量で蹂躙してきたくせに、人手不足とか笑わせるぜ。
じゃあ何に為に、ここにいるんだ。お前たちは。
NCR兵に背を向けて、プリムへと向かった。
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