Fallout NewVegas~No Vacancy

Fallout NewVegas~No Vacancy

Pip-Boyで地図を改めて確認する。
この道を進めば、ノヴァックに辿り着くようだ。

山の間に続いていく上り道。
山肌に挟まれた細い道。

気に喰わねぇな。

Vesperは右に左にと視線を走らせる。
ニプトンで出逢ったリージョン兵たちに待ち伏せされていたら、レイダーどもが狙いをつけていたら。
何も知らない旅人が、暢気に歩いて山道を登ってきたら。

銃のスコープを覗くと、道の途中に転がる車に寄りかかって何かを待つような素振りをしている女が見えた。
あれは囮か?
そっと身を屈め、山肌を上がって行く。

案の定、道を見張るレイダー達を見つける。
後ろから問答無用で頭を撃ち抜き、囮の女も始末した。

隠れているレイダーがいないことを確認して、道へと降り立つ。
さっさと先へ進んでいかねぇとな。こんなとことで油を売ってる暇はねぇ。

途中、リージョン兵の撃ち合いに遭遇したり、ヴァイパーと名乗る集団に襲われているトレーダーを助けたり。

トンネル近くに巣食っているヴァイパーたちに襲われたりしているうちに、辺りが暗くなってきた。

流石に夜道の移動は躊躇われた。
どこかに家でもないだろうか。乗り捨てられた車でもいい。
ヴァイパーたちの寝床で休むことも考えたが、いつ仲間が戻ってくるかわからない。
寝ているところを襲われるのは避けたかった。


レンジャーステーション チャーリー

双頭の熊の絵が描いてある。
NCRの拠点という事だ。

背に腹は代えられない。
忌々し気に舌打ちをして、Vesperはステーションのドアを開けた。

「なんだね、君は。迷子か?」


『・・・ノヴァックとやらは、ここから近いか?』
「ノヴァック?ノヴァックならすぐそこだ。少し行けば目印が見えるだろう。」
『目印?』

Vesperをじろじろと眺めると、NCRレンジャーは奥のドアを指さした。

「一晩だけなら寝床を貸してやってもいい。だが、あちこちうろつくなよ。」
『・・・あんたたちに興味なんざねぇから安心しな。』

とはいえ、助かったことに変わりはない。
ロボットに持たせていた荷物の中から、バーボンを見つけるとNCRレンジャーに投げて渡す。

『礼だ。』



翌朝、早めに起きてステーションを後にする。
すぐにでも、あのチェックのスーツの男に追いつきたかった。

そういえば、もう少し行けば目印が見えてくるとNCRレンジャーは言っていた。
高い塔や看板なんかがあるのだろうか。

『・・・、ん?』

何かが見えた。
大きな・・・あれはなんだ?

大きな恐竜の・・・張りぼて?
目印ってのは、これか。

兎に角、街の住民にチェックのスーツの男について話を聞かなくては。
そう思いながら歩くVesperに、どこかで聞き覚えのある声が話かけてきた。

「よーお、相棒!」

そこにいたのはグッドスプリングスでVesperを助けてくれたという、セキュリトロンのVictorだった。

『・・・なんだ、てめぇ・・・』



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