城門へと急ぐLuciusの後を、リディアも追いかける。
街中では衛兵が住民に避難を呼びかけている。
商人たちは慌てて荷物をしまい込み、家へと急ぐ。
設置されたバリケード前で、リッケ特使が帝国兵士たちに檄を飛ばしていた。
後ろのほうにハドバルの姿も見える。
遅れてやってきたLuciusに気づくと、ニヤリと笑いかけた。
リッケ特使:反乱軍の悪弊を一掃すれば、この国を取り戻すことができる!
帝国兵:うぉおおおお!!
リッケ特使:準備はいいか?皆、ついてこい!帝国のために!帝国軍のために!
帝国兵:勝つのは俺たちだ!
帝国兵:ストームクロークどもを痛い目にあわせてやる!
いくぞ!一人たりとも城内に入れるな!!
リッケ特使の掛け声と共に、ストームクローク兵へと立ち向かっていく。
ストームクローク軍は石と火で城壁を破壊しようとしている。
その後ろから兵士たちが飛び出してきた。
飛び交う石や弓矢を避けながら、Luciusはストームクローク軍を切り伏せて行く。
リディアと共に、城門前でストームクローク軍をひたすら倒す。
暫くすると立ち向かってくる敵兵の波が収まってきた。
どうやらホワイトランは落とされずに済んだようだ。
足元に転がるストームクロークを調べながら、リディアが溜息をつく。
リディア:従士様。・・・終わったようです。
Lucius:街中に戻ろう
リディア:・・・煙が見えます。投石器を破壊できなかったのが悔やまれます
Lucius:君は十分に戦った。ストームクローク兵を街中に入れなかっただけでも良しとすべきだ
リディア:でも
Lucisu:街は再建すればいい。だが亡くなった人は戻らない
リディア:・・・はい
唇を噛み締め、リディアが小さく頷く。
城内へと続く大きな扉の前で、バルグルーフ首長が演説を行っているところに出くわす。
ホワイトラン衛兵や帝国兵が首長の言葉に歓声を上げる。
これでホワイトランは帝国側についたと判断して良いだろう。
ウルフリック・ストームクロークの動向と共に、テュリウス将軍に報告しなければ。
そんなことを考えていたLuciusに、ハドバルが声をかけてきた。
ハドバル:生きてたのか!死んだかと思ったぜ
Lucius:勝手に殺さないでもらおうか
ハドバル:はっ!そうだな。アンタの腕ならストームクロークなんて目じゃないな
Lucius:リッケ特使はどこだ?
ハドバル:ああ、城内の様子を見て回ってる。
Lucius:そうか
ハドバルは上機嫌で、こっちのほうが倒した数は上だ、酒を奢れと喚く。
Luciusに付き従うリディアに気付き、アンタは誰なんだと絡み始めた。
ハドバルの相手をリディアに押し付け、Luciusは演説を終えたバルグルーフ首長に声をかける。
鷹揚に頷くと、バルグルーフ首長はLuciusとリディアの活躍を褒めたたえた。
ソリチュードに戻りテュリウス将軍に報告すると伝えると、街の再建についてはリッケ特使としておくが将軍にも一言伝えておいて欲しいと言う。
とはいえ今日は疲れただろうから、一休みしてから戻るといいと言い残し首長は街中へと戻って行った。
大きな扉を押し開け、街中へ。
あちこちから煙が見えるが、大きな火災は起こらずに済んだようだ。
大破した家も見当たらない。
沢山の戦禍を目の当たりにしてきたLuciusとしては、この程度で済んで良かったとしか思えなかった。
しかし。
生まれ育った町が戦争に巻き込まれるのを初めて経験したリディアは違う。
苦しそうな視線をありこちに走らせている。
Lucius:俺は、明日の朝早くにソリチュードに戻るつもりだ。君はここに残れ
リディア:・・・!
Lucius:ホワイトランの事が気にかかって、戦いが疎かになるのは困る
リディア:そんなことはありません!
Lucius:遠い地で戦いの最中にホワイトランが落ちたという報を受けて、冷静でいられるか?
リディア:・・・私は。私は従士様の私兵です。
Lucius:私兵に任じられたからといって、どこまでもついてくる必要はない。
リディア:いいえ、従士様と共に。従士様の重荷を背負います。それが私の務めです。
睨みつける様にLuciusを見つめるリディア。
このタイミングを逃すと、ホワイトランへ戻るのは当分先になる可能性が高いと言っても聞かない。
わかった、と溜息をつくとリディアの表情が少し綻んだ。
宿屋は祝杯を上げる衛兵で溢れていたので、ドラゴンズリーチで一晩を過ごさせてもらうことにしよう。
明日は夜明け前に発つぞと言うと、リディアは力強く頷いた。
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