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キャサディ夫婦の問題を片付け、更にコロラドスプリングの街を歩いて回る。
Luciaが少し不服そうな顔をしていることにZephyrが気づく。
「なぁ、さっさと神の庭とやらに行こうぜ。」
『ん。どうした、Zephyry。』
「や、アンタなら医者探しを先にやりそうだから。」
WraithがちらとLuciaを見る。
そうだなと呟くと、商人たちが集まる中央広場を抜けて、髪の庭へと続くゲートへと向かう。
ゲートに近づく集団がいることに気付いた警官が、足元に煙草の吸殻を投げ捨てた。
「勝手に近づくな。」
だらしなく無精ひげを生やした男が、新しい煙草に火を点け煙を一行に向けて吐き出す。
Zephyrが嫌な顔をしたのをニヤニヤしながら見ている。
『デイジー保安官に頼まれて神の庭に逃げ込んだドーシー一家を追っています。中に入れて欲しい。』
「ああ、君たちか。街の奴らが新参者が来たと噂してたよ。」
「ルピンスキー、ゲートを開けてくれ。」
クォンが一緒にいることに気付いた気づくと警官は頷いた。
「ドーシー達に地獄を味わわせてやりな。」
神の庭に足を踏み入れると、すぐさま無線を受信した。
少し怯えているような、小さな囁き声だ。
「ハ、ハロー?町から・・・来た人ですか?」
ドーシー一家の罠ではないかと疑うWraithは答えず、無線の声に耳を傾ける。
「僕は・・・ベラミー・ウォードです。あちこちにドーシー一家がいて身動きが取れません。崖の上に潜んでいます・・・。」
ベラミーの名前を聞いたLuciaが頷いた。
『・・・こちらはレンジャー部隊だ。その場を動かないでいてくれ。ドーシー一家は俺たちがなんとかする。』
ベラミーが奥底からほっとしたような溜息をついた。
「僕は少し奥にある高台にいます。ここまで来れますか?」
『わかった。兎に角身を低くして見つからないように・・・』
「そこに隠れてるのはわかってるぞ!!出てこい!!」
無線の音を聞きつけたのか、ドーシー一家がベラミーに気付いてしまったようだ。
Luciaが息を飲んだ。
「まずは、この兄ちゃんを助け出そうぜ。」
WraithはZephyrの言葉に頷き先を急ぐ。
少し先に開けた場所があり、高台を見るとベラミーが岩陰で身を縮こませて震えていた。
ドーシー一家はベラミーに気を取られて、背後からやってきた一行に気付くのが一瞬遅れたようだ。
Wraithの合図と共に、まず一人頭を撃ち抜いた。
敵は6人。
ベラミーに被害が及ばないうちに、迅速に壊滅させる必要がある。
ThunderはLuciaの表情が変わったことに気付いた。覚悟が、できたようだ。
銃声が鳴りやんだことを確認して、高台から男性がそっと顔を覗かせた。
飛び散る血や重なり倒れる死体に一瞬怯えたような表情を見せたが、自身が助かったことに安堵した。
「本当に・・・本当にありがとうございます。僕はベラミー・ウォード。知ってることは何でも話します。」
泥まみれの青年は寒さに震えながら、そう言った。
『何故君はここにいるんだ?何をしてた?』
「僕は・・・科学者なんです。太陽熱を収集して燃料として利用する実験をしていました。」
「他の人たちはどうしたんだよ?」
ベラミーは唇を噛む。
「高台で太陽電池アレイの設定をしていたときにドーシー達が来て・・・。」
自分が目にした光景を思い出したベラミーは震えながら、ドーシー一家が人々を殴りつけ引き摺っていったと語る。
『・・・どこへ?』
北の方角を指さす。
「野営地があるんです。そこへ全員集めているようでした。大人も子供も容赦せずに。」
「ベラミー。私の、家族はどこ?」
ベラミーの説明を一言も聞き漏らさないようにと耳を傾けていたLuciaが初めて声をかける。
驚いたように顔を上げると、ベラミーはLuciaを見止めた。
「・・・Lucia!!君は無事だったんだな!家族と一緒にいたとばかり思っていたよ。」
「幸いなのか、最悪なのか、わからないけれど。私は無事よ。」
「ドーシー一家は全員を野営地に連れて行って、それで、銃声と悲鳴が・・・。」
ベラミーの言葉は消え入りそうだった。
「・・・私の家族や仲間を傷つけたら、許さない・・・」
Luciaは拳が白くなるまで強く握りしめている。
視線を感じて、ふいと顔を背けた。
野営地へ行って人質が無事か確認してくると言うと、ベラミーが太陽電池アレイをうまく利用してドーシー一家に打撃を与えることができるかもしれないと教えてくれた。
『わかった。君は街へと避難するんだ。道中にドーシー一家はいないはずだ。』
「ありがとう。気を付けて。」
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