Skyrim – Lucius ミストヴェイル砦へ向かう

大粒の雨に打たれながら、馬を柵に繋ぎ止めリッケ特使のテントへと急ぐ。

現れたLuciusに鷹揚に頷くと、特使は今回の作戦を説明する。

リッケ特使:ああ、君か
Lucius:遅くなりました
リッケ特使:我らの密偵がリフテンの執政について情報を入手した
Lucius:執政、ですか
リッケ特使:そうだ。リフテンと言う町は、なんともきな臭くさくてね。首長はライラ・ロー・ギバーだが、メイビン・ブラックブライアが実権を握っているようなものだ
Lucius:どんな人物ですか、ブラックブライアは
リッケ特使:帝国寄りのような姿勢を見せてはいるが、本音は自身の利益が最重要事項だ
Lucius:・・・なるほど。首長自身はどういった立場なのでしようか

リッケ特使は鼻で嗤ってみせた。
それが答えという事か。

首長の私兵であるアヌリエルという人物が、盗賊ギルドと繋がりがあるという情報を密偵が得たという。
その証拠を得て、協力を取り付けてくるように。
それが今回の指示だ。

慎重さと隠密の技術が求められる。
執政の身辺を探るような人物を、リフテンの衛兵が見過ごすようなことはあるまいとリッケ特使は呟く。

情報を得て戻ってくることを約束し、リッケ特使のテントを後にした。



道しるべを確認しながらリフテンへと向かう。
リディアが、こちらですねと先導する。

狼や巨大な蜘蛛などを蹴散らしながら進んで行く。
ふと、Luciusがリディアにリフテンに着いて知っていることがあるかと尋ねた。

リディア:リフテン、についてですか?
Lucius:そうだ。リッケ特使はきな臭いと評していたが
リディア:そうですねぇ・・・やはり盗賊ギルドの噂でしょうか
Lucius:・・・後は何かあるか
リディア:衛兵については、あまりいい噂を聞かないですね
Lucius:どういうことだ?
リディア:ええと・・・賄賂を強要したりするなど・・・そう言った噂が

Luciusが一瞬、不快そうに眉根を寄せた。
盗賊ギルドと裏で繋がりがあると思しき執政。
実際に権力を握っているのは他の人物であるという首長。
そんな首長がいる領地で、衛兵が私腹を肥やそうとしているのは、驚くに当たらない。

ライラ・ロー・ギバーがストームクローク寄りならば、制圧した際に上を変えても良いだろう。
自分ならどうするかと、珍しく政策に思いを巡らせる。

リフテンの北門が見えてきた。
門の前に立つ衛兵たちは、Lucius達が近づいてきても暇そうにしているだけだった。

リディア:中に入りたいのですが
衛兵1:・・・
衛兵2:ここは通れない
リディア:では、どうしろと・・・?
衛兵1:裏門があるだろう
衛兵2:そちらに廻れ
リディア:何故この門を通れないんですか
衛兵2:あんたらに答える筋合いはない。裏へ廻れ

リディアが怒りを含んだ目でLuciusを見つめた。
Luciusは肩を竦め、馬首の向きを変える。

裏門でも、衛兵は偉そうな態度で立ち塞がる。
「通行料」なるものを要求する衛兵だったが、少し圧をかけ、賄賂を要求されたと公表ずるぞと言い募ると大人しく引き下がった。
それならば最初から袖の下など求めなければいいものを。
相手がどんな人物であるか確認もせず、無碍に扱ったり、賄賂を求めたりする。
Luciusは蔑んだような目で衛兵を一瞥すると、門を開けリフテンの街中へと向かった。

街の真ん中は市場になっているようで、客引きの声が響く。
ノルドだけでなく、ダンマーにアルゴニアンまで。
ほう、と物珍しそうにLuciusは行き交う人々を眺めている。

怪し気な商品を売る行商の口上を聞き

家庭のひと悶着を眺め

いざ、ミストヴェイル砦へ。



↓ 拍手 一押しいただけると中の人が大喜びします!※別窓開きます