Skyrim – Lucius リフテンで強請る

ミストヴェイル砦の扉を押し開ける。
中では首長と執政と思しき人物が、ドラゴンに襲われたヘルゲンの話をしていた。

2人の会話に耳を傾けながら、辺りの様子を窺う。
広間は然程大きくはないようだ。
衛兵が数人ウロウロとしている。
首長に向かって歩を進めるLuciusを止めようとするものはなかった。

首長が近づいてくるLuciusに気付き、執政の話を手で制する。

ライラ・ロー・ギバー:リフテンにはどのような用でいらしたのかしら
Lucius:お会いできて光栄です。Skyrimを旅していて、食料を買い足せればと。これは従者のリディアです
リディア:首長。お目にかかれて光栄です
アヌリエル:ミストヴェイル砦へようこそ。私は執政のアヌリエル

そこから話は、盗賊ギルドや内戦の話へと発展した。
アヌリエルからは、街中で噂されているとして汚職の話が飛び出す。
自分たちは問題を適切に取り扱っていると。

そこから再び首長ライラ・ロー・ギバーと執政アヌリエルが話に熱中しだしたので、Luciusは静かにその場を離れる。

しばらくすると食事の準備が整ったのか、どこからともなく人が集まってきた。
男が二人口論を始める。
どうやら首長の身内、息子たちのようだ。
仲の悪そうな兄弟を見て、Luciusは兄と弟を思い浮かべた。
どこも同じようなものか。

食卓では、アヌリエルが男と言い争いをしている。

あれは、恋人同士ですかね、とリディアが呟く。
見るとアヌリエルが男の腕に優しく手をかけ、あとで私の部屋で話をしましょうと誘うように微笑んだ。

リッケ特使から言われた、アヌリエルの裏切りの証拠を見つけ出さなければならない。
リディアに、衛兵たちの注意をひくように指示すると、首長たちの居住区へと近づく。

リディア:ホワイトランの近くにもドラゴンがやってきたんですよ
衛兵1:噂で聞いたぞ
衛兵2:ホワイトランの衛兵にドラゴンが殺せるなら、我々にもやれるさ
リディア:どうやって殺すんですか?
衛兵1:俺は衛兵の中で弓の腕前は一番だ
衛兵3:嘘つくな!お前なんて、この間鹿を逃がしただろう!

衛兵たちがリディアの話に食いついたのを聞きながら、静かに移動する。

アヌリエルの部屋は鍵が掛かっておらず、中へすんなりと入ることができた。
体を滑り込ませ、慎重に扉を閉じる。

衣装の入った棚に無造作に置かれた手紙。
ちらりと中身を見る。
なるほど、賄賂を受け取ったのか。
懐に手紙を忍び込ませ、アヌリエルの部屋を後にする。



大広間に戻ると、衛兵とリディアがまだドラゴンの倒し方を話していた。
Luciusに気づくと、軽く頷く。

首長やアヌリエルたちは食事が終わったようだ。
各々好きなように過ごすために立ち去ろうとしている。

アヌリエルの前に立ち塞がると、ちらりと手紙を見せる。

一瞬訝し気な顔をしたが、すぐに状況を飲み込んだようだ。
険しい顔でLuciusを睨みつける。

アヌリエル:どういう・・・つもりかしら
Lucius:覚えがあるという事だな
アヌリエル:・・・ここではマズイわ。私の部屋へ
Lucius:・・・
アヌリエル:黙ってついてきて。離れなければ衛兵に咎められることはないわ

アヌリエルはLuciusにリフテンの産業や政治などを説明する姿を装い、部屋へと歩いていく。
リディアがちらりとLuciusを盗み見た。

会話が首長の耳に届かない場所までくると、アヌリエルは苦々し気にLuciusを見つめた。

アヌリエル:で?なんだっていうわけ?
Lucius:リフテンの執政さんは随分と蓮っ葉な口をきくもんだ
アヌリエル:そういうあんたは帝国のスパイってわけね。面白い
Lucius:これを公表されたら、どうなる
アヌリエル:身の破滅ね。ねぇ、聞いてよ。私はストームクローク贔屓ってわけでも、帝国寄りって訳でもないの
Lucius:・・・それで?
アヌリエル:ここでは上手くいっているのよ。ライラは単純で古風だから操るのは簡単。でも怒らせたら二度と許してくれない
Lucius:・・・

アヌリエルが必死な様子で、Luciusに取引を持ち掛けてきた。
黙っていると、了承と受け取ったのかウィンドヘルムに向けて、大量の金と武器が運ばれているところだと漏らした。
Luciusの表情を見て、アヌリエルが薄く笑う。

今追いかければ間に合うわよ。
そう呟くと、Luciusの手から手紙を取り戻し、目の前で破り捨てた。



急ぎ足で戻ってきたLuciusを見て、慌ててリディアが近づいてきた。
あそこにいるのが、メイビン・ブラックブライアです、と小声で教える。

ライラ・ロー・ギバーと向かい合って話をしている、威圧的な雰囲気の女性。
あれがメイビン・ブラックブライアか。

荷馬車が襲われたことを問い詰めているようだ。
衛兵の職務怠慢。リフテンは何をしているのか。
ライラ・ロー・ギバーは、衛兵を失ったことに終始する。

メイビン・ブラックブライアは冷たい目をしてライラ・ロー・ギバーを見つめる。
職務を果たさず死んだ衛兵のことなどお構いなし。
彼女の立ち位置は、あくまでも商人のそれだ。

なるほど。
こうやって、首長を意に添わせているのか。
商人の皮を被っているが、政治を知っている。
ライラ・ロー・ギバーの使い道がなくなったら、すぐにでも首を挿げ替えることくらいするだろう。

安全に商品を運ぶことができないのであれば、蜂蜜酒醸造所をリフテンから別の場所へ移すと脅す。
リフテンの産業や雇用が蜂蜜酒醸造所に頼りきりなのだろうか。
ライラ・ロー・ギバーは、損失の埋め合わせを約束した。

自分に有利な回答を引き出し、満足げにメイビン・ブラックブライアは頷く。

きな臭いといっていたリッケ特使は正しかったですね、と砦を出た途端にリディアが呟いた。

リディア:そういえば、証拠は見つかりましたか?
Lucius:ああ
リディア:では、特使の元へ戻りましょう
Lucius:そうだな。



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