
テュリウス将軍との謁見を終え、Luciusとリディアは宿屋ウィンキング・スキーヴァーへと向かう。
リディアが何度か、話しかけようとして口を噤んでいることに気付いてはいたが、Luciusは何も言わず歩き続けた。
宿屋の親父は何度か訪ねてきている二人を覚えていて、適当に座るようと言って食事の準備を続ける。
鮭のステーキにリーキのグリル、鹿肉のシチューなどを頼むと近くの空いた席にどかりと座り込む。
Lucius:・・・疲れたか
リディア:いえ、問題ありません。
Lucius:そうか。ホワイトランへ戻りたくなったら、いつでも言ってくれ
リディア:・・・
Lucius:なんだ
リディア:私は、ホワイトラン近くにあった小さな村の出身で。村は戦で焼かれて、住民は全て亡くなりました
Lucius:・・・そうか
リディア:たまたま、ホワイトランに使いに行っていた私だけ生き残りました。私を待つ人は誰もいません
リディアは少しだけ悲しそうな顔をしたが、すぐに表情を引き締め、従士様の向かうところに付き従いますと言い放つ。
運ばれて来た食事に視線を移し、リディアの告白には触れず、Luciusは黙ったまま食べ始めた。
翌朝、馬をとばしウィンターホールドの帝国軍野営地へと向かう。
やってきたLuciusを見止めると、リッケ特使は手招きする。
目標はカスタブ砦。
帝国兵の何人かが捕らえられ捕虜になっているという。
気付かれないように中に潜り込み、捕虜を救出。そして中と外から同時に攻め込む。
リッケ特使:いけるか?
Lucius:やってみましょう
リッケ特使:いい返事だ。君になら任せられる作戦だと私も思っている。まずは、砦近くにいるハドバルと話せ
Lucius:はっ
リッケ特使が満足そうに笑う。
カスタブ砦の場所を地図に示し、頼んだぞと呟いた。
地図を覗き込み、リディアが場所を把握する。
馬に飛び乗ると2人で駆け出して行った。
雪山を越え、地図に示された兵士たちの待機場所までやってきた。
雪を踏みしめ近づいてくるLuciusを見ると、ハドバルが大きく笑った。
部下に砦近くまで偵察に行くよう指示する。
ハドバル:よぉ、またあんたか!寒くて息がつららになるぜ!
Lucius:リッケ特使の指示で砦の捕虜救出と砦の奪還を
ハドバル:あんたがいりゃ負けなしだ!お、嬢ちゃんもいるのか
リディア:じょ、嬢ちゃん・・・?
Lucius:で、中に潜り込む方法はありそうか?
ハドバルが砦の壁を指さす。
影に隠れた場所に格子戸がある。
そこから潜り込むのがいいだろう。
ストームクローム兵たちは格子戸の存在に気付いていないようだとハドバルが鼻で嗤う。
遠くに見える砦。
よく見るとストームクローム兵が巡回している。
なるほど、奴らに見つからないように近づく必要があるわけだ。
リディアに身を低くするように指示をだし、カスタブ砦へと近づく。
※ストームクローム兵が巡回しているので、気づかれないように近づく必要があり。気づかれると、捕虜救出は失敗に。夜の方が成功率高そう。
格子戸まで無事たどり着いた。
音を立てないように扉を閉め、砦内の様子を窺う。
恐らく牢獄は地下だろう。
ストームクローク兵に見つからないように、隠れながら中を進む。
従士様、とリディアが小声で呼びかけた。
指さす先に視線を移すと、兵士たちが閉じ込められている牢獄が。
それにしても、見張りも付けていないとは。
逃げ出すことや救出があるわけないと奢っているのか、ただただ無能なのか。
牢に近づく者がいることに気付いた兵士たちが、身を固くする。
姿を現したのが自分たちの味方だと分かった瞬間、絶望していた表情が明るくなる。
帝国兵:救出にきてくれたのか!
Lucius:静かに。今開ける
帝国兵:ストームクロークどもに報いを受けさせてやる!
捕虜は4人。
見る限り、怪我もなく体調も問題ないようだ。
取り上げられていた武器防具に身を包み、4人は砦の外へと駆け出して行く。
Luciusとリディアは砦内に残っていたストームクローク兵を片付けてから中庭へと向かう。
救出された捕虜たちの怒号と共に、外で待機していたハドバルたちも攻め込む。
中と外から攻撃を仕掛けられたストームクローク兵たちはあっという間に仕留められる。
砦に帝国の旗を立て、兵士たちは満足そうにしている。
Luciusに気付くと、ハドバルが笑みを浮かべながら近づいてきた。
ハドバル:やったな!あんたならやれると思っていたぜ
Lucius:皆、無事だ
ハドバル:ああ、聞いた。あんたは命の恩人だとまで言ってた
Lucius:それでは、私は将軍へ報告を
ハドバル:嬢ちゃんもよくやった
リディア:・・・
リディアが困惑した顔でLuciusを見つめた。
じゃあ、将軍によろしくな!と言うとハドバルは後始末をするために、部下に指示を出す。
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