目を覚ます。
見慣れた薄汚い天井が目に入る。
いつの間にか眠ってしまったのか。
酒が抜けきらない重い体を無理やり起こした。
机の上にある端末が小さく瞬いている。
こんな時間に何の用だ。

スクリーンに明るさに思わず目を細める。
映っているのは、サム・ワッツ。
『サム、何の用だ。』
俺の声が届いていないのか、サムは一方的に話し出した。
「よう、相棒。変な時間に連絡を取ってたらすまんな。」
『ったく、こんな時間にどうした。』
スクリーンの中のサムがにやにやと笑う。
「いいか、Rook。会話しようとすんじゃねぇぞ。これは映像だ。俺が残したメッセージだ。」
どういうことだ?
サムは何をしている・・・?
「お前がこれを見ているってこたぁ、ついに俺はヤられたってことだ。死んでるってことだろう。」
ヘマしたんだろうな、と肩を竦める。
Rook、お前はどこでこの映像を見ている?
一発当てて、豪勢なホテルで見てるか?
それとも俺と同じように場末の宿屋で飲んだくれているのか?
サムが昔一緒にやったランのことを話題に上げる。
3年前。
シアトルでやったランで仲間のダウドが死んだ。
ドッグの酒場でフィクサーを待っていたときのことを思い出す。

シャーマンのサンゴマ、メイジのニュー・ラリー、サム・ワッツと俺の4人は、小雨が降る中フィクサーの到着を待っていた。
サムがニュー・ラリーを問い詰める。
「・・・レンラクを襲撃する前に、ラリー、お前どこかに電話してたよな?」
「・・・」
「ダウドがヤられる前に、どうしてあの男を攻撃しなかったんだ?攻撃するタイミングはあったはずだ。」
ニュー・ラリーはサムに視線を合わせない。
何かを探すように遠くに視線を投げる。
「そうかい、悪いが騒ぎはごめんだ。俺は抜ける。」
サンゴマが何かに気づく。
「おい、襲撃だ!囲まれてるぞ!」
サムがニュー・ラリーに詰め寄ろうとするが、するりと躱されてしまう。
にやにやと嫌な笑いを浮かべるニュー・ラリー。
「新しい友達がやっときたか。お前たちとはここでお別れだ。」
ああ、そうそう。
あいつらは荒っぽいから、お前たちの死体も残らんだろうなぁ。

※2名ずつ3回敵が襲撃してくる。テーブルとか使って身を隠しながら戦う。
ニュー・ラリーやレンラクの奴らを片付けて一息。
サンゴマがサムを見て大丈夫かと声をかける。
「あ、ああ。大丈夫だ。」
そういうサムは肩で息をしている。
顔色も悪いようだ。
「Rook」
俺をじっと見つめ名を呼ぶ。
『なんだよ。』
「そろそろ足を洗おうと思う。素敵な宿を見つけて、くたばるまで酒を飲むんだ。」
『そうだな・・・。町を出て安全な場所に身を潜めたほうがいいかもな。レンラクは・・・記憶力がいい。』
サムが笑って応える。
まさか、サムはレンラクにやられたのか?
3年も前の話だが、やつらは執念深いと聞く。
ぼんやりとスクリーンの中のサムを見つめる。
「俺は、俺が死んだ後にケツを拭いてくれる奴を探したんだ。リストの一番の上にお前がいた。良いことなのか、悪いことなのかはわからんがな。」
デッドマンズ・スイッチを仕掛けた。
俺に何かあったら、この映像が送信されるようにしておいた。
犯人を突き止めたらロジャース、メーガント&マッケイン法律事務所へ行ってくれ。
10万ニューエン用意した。
10万ニューエン。
サムがそんな大金を用意したことに驚いた。
奴は本気なんだ。
頭をトントンと叩くと、位置表示チップを埋め込んだと示す。
サムの動きが止まったら、チップが作動して位置情報を送る仕組みだ。

「それじゃあ、Rook。遺体安置所で会おう」
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