オールド・モルモン・フォートを後にして、Strip地区を目指す。
この辺りはフリーサイドというらしい。
道の角に立って客引きをする男や女が、2人を手招きする。
女のにこやかな笑みに、Vesperがふらりと呼び寄せられそうになるのをヴェロニカが止めた。
「ちょっと、しっかりしてよ。」
『クソッ、別にいいだろ?お前も楽しめばいいんだよ。』
ヴェロニカが拳でVesperの頭を殴りつける。
舌打ちしながら、視線を道路の反対側に向けると、これまた風変わりな建物。
なんだこりゃ?
建物の入り口には、Tシャツにジーンズ、てかてかとした髪を後ろに撫でつけている。
見れば似たような姿をした野郎どもがウロウロしていた。

看板には「The kings」。
なんの王様たちなんだ?
Vesperの怪訝そうな視線を追いかけて、ヴェロニカも看板を見上げた。
2人で顔を見合わせて肩を竦める。
道を進むと、Strip地区への入り口が見えてきた。
門は・・・開かれていないようだ。
周りにはセキュリトロンたちが何台も立って、警戒している。
なんだってんだ、厳重に警戒してやがる。
「あー、あんたたち、フリーサイドは初めてかい?」

スーツ姿の男が、2人に声をかけてきた。
『なんだ、あんた』
「ちょっとしたおせっかいだよ。セキュリトロンたちを出し抜こうとすれば・・・」
そんな話をしている最中。
男が1人、セキュリトロンの警告を無視して、塀を乗り越えようと走る姿が見えた。
ドンッ。
躊躇うことなくセキュリトロンたちは男を消しクズへと変える。
そして何事もなかったかのように、再び警戒態勢に戻って行く。
『うへぇ・・・。』
「な、言ったとおりだろ?」
「じゃあ、中に入るにはどうしたらいいの?」
ヴェロニカが不満そうに鼻を鳴らす。
オールド・ベンと名乗る男は、中に入るにはパスポートがいると言う。
パスポート?
パスポートがない場合は、信用調査。
キャップを沢山所持している必要があるようだ。
「まぁ、あとはフリーサイドの顔役でもあるキングを頼るとか。」
オールド・ベンは気を付けろよと忠告をして、立ち去って行った。
どうする?とヴェロニカがVesperを見つめる。
『チッ、クソったれ。信用調査ってのがどれだけかかるのか、確認する。』
2人が近づいていたことに気付くと、セキュリトロンが門の前に立ち塞がった。
「ゲートを通るには、信用チェックを受けるかパスポートを提示してください。」

Science 80あれば、無理やり通ることも可能。
要求は2000キャップを所持していることを示すか、パスポートの提示。
どちらもVesperの手元にはない。
苦々し気に煙草の吸殻を足元で踏みつぶす。
『・・・このブリキ野郎・・・』
「十分なキャップ、もしくは通行許可証(パスポート)をご用意の上で、もう一度お越しください。」
そう言い残すと、セキュリトロンは背を向け入り口の警戒へと戻って行った。
「どうする?ベガス地区の周りに巣食ってるフィーンド達とか倒して稼いでくる?」
ヴェロニカがファイティングポーズを取り、Vesperに向かって拳を突き出した。
今から2000キャップ稼ぐとなると、時間がかかりすぎる。
でけぇヤマがあるならまだしも。
『仕方がねぇ。キングとやらを頼ってみるか。』
「さき、オールド・ベンが言ってた、顔役って人?」
恐らく先ほど見た「The kings」が、キングがいる建物だろう。
『キングがどんな奴か、確認するのも悪くねぇだろ。』
「フリーサイドの顔役ってどんな人だろうね。」
『さぁな。』
「The kings」の中には、やはりてかてかの髪を後ろに撫でつけ、Tシャツのジーンズ姿、もしくはレザージャケットを羽織った男たちがいた。
Vesperの好みには、まったくと言っていいほど当てはまらず、思わず顔を顰める。

「なんだ、何しに来たんだ?またキングへの請願者か?」
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