
壁に掲げられた詩と日誌やホロテープ。
Patrickが一瞬泣きそうな顔をしたように見えた。
カロンとDogmeatはPatrickが動き出すのを待っている。
「主」
『あ、ああ。うん。ごめん。』
「どうした?」
『これ。』
壁の詩を愛おしそうに指でなぞると、力なく笑う。
『母さんの好きな聖書の一節。父さんがいつも言ってた。』
机や棚にあるホロテープや日誌に目を通す。
ここに、父さんや母さんがいたんだ。ここで、研究をしてたんだ。
ホロテープをひとつひとつ大切そうにPip-Boyで再生する。
浄化プロジェクト。
誰もがきれいな水を飲めるように。
そう信じて進めていたプロジェクト。
一度は諦めたけれど、父さんは今度こそ成功させようとしているんだ。
『カロン。父さんはVault112に情報を求めて行ったらしい。僕もそこに行こうと思う。』
「わかった、主。」
頷くカロンに合わせてDogmeatも、わん!と吠えた。
ジェファーソン記念館からVault112があると思しき場所まではかなり距離がある。
メガトンで一休みして、準備を整えてから出発しよう。
荒野を抜けて
エバーグリーン・ミルズで
レイダー倒して
洞窟の中の住処を壊滅させたりしながら、Vault112がある場所を目指す。
『そろそろあるはずなんだけどな・・・。』
Pip-Boyで地図を確認しながらPatrickが呟く。
地図が示す場所へ辿り着いた。
が、それらしい入り口は見当たらない。
「主、ここか?」
『うーん、そうみたいなんだけど・・・。ここにあるのかな・・・?』
「とりあえず、入り口を探してみよう。」
目の前にあるのは「スミス・ケーシーのガレージ」と書かれた建物。
人が住んでいる気配はなく、捨てられた場所のようだ。
ぐるりと建物の周りを一周して、怪しい物がないか確認する。
とりあえずレイダーやスーパーミュータントは確認できない。
思い切って建物の中へと入ってみよう。
荒れ果てた建物の中を探索していると、カロンが何か見つけたのかPatrickを呼ぶ。
地下へと降りることができるようだ。
用心しながら降りて行くと・・・
見覚えのある空間が広がっている。
ここがVault112・・・?
ロボットからVaultスーツが手渡された。
これを着ろってことか。
中に入ると、「トランキル・ラウンジに着席」するようにというアナウンスが流れた。
ラウンジ?なんだそれは?
進んだ先に広がる光景を見て、Patrickは思わず息を飲む。
この装置は・・・なんだ?
不思議な装置を覗き込むと、人がいるものもある。
皆寝ているのか、目を瞑って微動だにしない。
着席するようにとアナウンスは言っていた。
謎を解くためにも、やるしかなさそうだ。
空いているラウンジを見つけ、中へと潜り込む。
目の前にあるディスプレイには、どこか平和そうな街並みの映像が映っている。
これはどこなんだろう。
そういえば、戦争前はこんな風景があったって、授業で習ったっけ。
抗うことができない、眠気が襲ってきた。
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