まずは近場のMick and Ralphへ。
この辺りにもヤク中が屯している場所があるらしい。
『・・・ったく。』
「断るかと思ってた。」
『ん?』
ヴェロニカが後ろを歩きながら、Vesperが人探しを受けたことに対して思いがけなかったと呟く。
『正直ヤク中がどうなろうとどうでもいい。』
「え?」
『無理やり口につっこまれた訳じゃなし、てめぇがやりたくてヤクやって死のうがどうでもいいんだよ。』
「ちょっと!事情があるかもしれないじゃない」
『ヤクをやらなきゃならねぇ事情ってのはなんだ?貧しさ・・・』
Vesperの頭の中に、またこの話か、という声が過る。
また?またってなんだ。ヴェロニカとヤクの話をしたのは初めてだぞ。
急に黙り込んだVesperを心配そうにヴェロニカが覗き込む。
手で追い払うような仕草をすると、少しむっとした顔をして離れていく。
くそ、なんだこの記憶は。
新しい煙草に火をつけ、目を瞑る。
いい加減、記憶が戻らねぇとイライラして仕方がねぇな。
ヴェロニカがビルの中に誰かいるよと声をかけてきた。

ボロボロの服を着た男が、2人を見つけるとヤクが欲しいと懇願してきた。
疲れ果てた顔にクスリを長い時間使ってきた跡が色濃く残っている。
『・・・あんた、ビル?ジェイコブ?』
「あ?おれぁジェイコブだ。なぁ、ヤク持ってないか?なぁ?」
「アポカリプスの使徒のジュリーが心配してたよ。助けが必要だって」
ジュリーの名前を聞くと、ジェイコブは苛ついた顔をした。
気分は最高なのに、何故助けが必要だと言うんだ?
ジュリーは聖人かもしれんが余計なお世話だと吐き捨てた。
Vesperが舌打ちする。
蔑むような視線をジェイコブに向けるが、本人は気づいていないようだ。
『売人は誰だ。』
「ヤクがないなら、金ないか?金がありゃ・・・」
『てめぇにヤクを売ってるのは誰だって聞いてんだよ。』
「ディクソンだよ。あいつのヤクは悪くない。俺だって手が震えなきゃ、てめぇで作るさ。」
『この辺のやつらは、そいつから買っているってことだな。』
「ああ、そうだ。ビルのやつもディクソンから買ってるって言ってたぜ。」
金をせびるジェイコブを無視して、VesperはMick and Ralphの辺りで売人らしき人物を探す。
何人かに声をかけた後、寂れた建物から目つきの悪い男が出てくるのが見えた。
あいつだよ、と住民が教えてくれる。
ふらりと近づいてきたVesperに男はにやりと笑いかけた。
「なんだ、あんた。あんたも買い物か?」
『・・・ディクソンか。』
「ああ、そうだ。何だ、お前もアレか。」
ディクソンの下卑た笑いを無視して、Vesperはジェイコブやビルの名前を出す。

ディクソンは面白そうに笑うと、ジェイコブやビルにクスリを売っていることを認める。
商品を欲しがってる人物に売っているんだ、悪いことなどないと。
貧しい人間を食い物にしてと、ヴェロニカは食って掛かろうとしたが、Vesperに止められる。
『・・・なるほど。この辺りにはNCRもいると聞く。もしかしてNCRから薬を入手して、フリーサイドを堕落させようとしてるわけだ。』
※スキル Speech35
NCRの名前を聞いてディクソンはぎょっとした顔をした。
Vesperの話を慌てて止めようとする。
「ば、馬鹿いってんじゃねぇよ!NCRなんざ関係ねぇ!変なこと言いふらさないでくれ!!」
『変なこと?どうだかな。』
「わかった、わかった!ジェイコブやビルにはもうヤクは売らねぇよ。これでいいだろ!」
そう言い捨てると、ディクソンは文句を言いながら立ち立って行く。
ディクソンとVesperのやりとりを見ていたグールがにやにやしながら近づいてくる。
「やぁ、アンタ。あいつをよく追っ払ってくれたな。」
『・・・。』
「お礼といっては何だが、フリーサイドの情報を少し教えてやろう。」



※キャップを払うといくつか噂を教えてくれる。
ロットフェイスに礼を言い、ジェイコブの元へと戻る。
手ぶらで戻ってきた2人を見て、ジェイコブが口汚く罵る。

『あ?てめぇ、今なんて言った?』
「いいからヤクをよこせよ!じゃなきゃ金をくれ!!!」
かちり、と銃の撃鉄を起こすと、ジェイコブの額に狙いを定める。
「ちょ、ちょっとVesper!」
『・・・ディクソンは、二度とてめぇにヤクは売らねぇよ。』
「なんだと!!俺は、俺はどうすりゃいいんだ!!」
『ジェリーが戻ってこいっつってるって言っただろ。オールドモルモンフォートへ行け。』
「しかし・・・。」
ビシッ
顔の真横を撃ち抜く。
『ぎゃあぎゃあ騒ぐんじゃねぇよ。戻るのか?戻らねえのか?』
かちり。再び撃鉄を起こす。
わ、わかった。戻るから・・・!と慌てて立ち上がるとジェイコブは建物から走り去って行った。
その後ろ姿を面白くもなさそうに眺めるVesper。
ヴェロニカが呆れたように肩を竦めた。
『・・・なにか言いたいことでもあるのか。』
「べっつに。次はビルを探さないとね。」

※Atmic Wranglerの隣にある廃墟でぼんやりしているビル・ロンテ
ビル・ロンテ老もジェイコブに劣らず顔色が悪い。
どれだけヤクをやり続けてるんだ、こいつらは。
『あんた、ビルか。』
「そうだが、誰だアンタは。」
「ジュリーが心配してたよ。戻っておいでって。さっきジェイコブと話して、彼も戻って行ったから・・・。」
ジュリーの名前を聞くと、ビルは押し黙った。
期待してくれた彼女をまた裏切る訳にはいかない、とぼそりと呟いた。
「帰って休むとしよう。」
「そうだね。それが良さそう。顔色も悪いし。」
『・・・。』

ビルは重い腰を上げ、軽く2人に頭を下げると、オールドモルモンフォートへと戻って行った。
「2人とも無事に辿り着くといいけど。」
『そこまで面倒見る気はねぇ。』
「さてと。次はなんだったっけ。」
『物資を配ってるNCRに探りを入れる。』
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