Fallout NewVegas~On the tip of my tongue

Kingの元へと戻る道を歩きながら、ヴェロニカがぶつぶつとフリーサイドで起こっている出来事について考えをまとめていた。

「キーラン少佐は、Kingに使者を送っていた。」
『・・・。』
「その使者は何者かに殴られて大けがをして戻ってきた。」
『どこで襲われたのかわかりゃな。Kingんとこに裏切者がいるのか、第三者が手を組ませないように暗躍してるのか。』
「えー?リージョンとか?」
『さぁな。B.O.S.だったらどうする?』

そんなことやるぐらいの気概があったらね、とヴェロニカが呟く。
表に出て行って、ほかの組織の話し合いを邪魔するようなことをする人物がいたら少しはエルダーも考えを変えるかも。
肩を竦めて諦めたようなヴェロニカの顔を見ると、何かが心を過っていった。

『・・・。』
急にVesperが立ち止まる。

「・・・と一緒に・・・Vegasへ・・・」

あの女だ。
俺は、あいつと一緒にVegasへ来た。
どこで?どこであの女に会った?

「・・per・。」
『・・・。』
「Veper!」
目の前に、おっかない顔をしてヴェロニカが立ちふさがっていた。
考え事をしていて周りが見えなくなっていたようだ。

「ちょっと、大丈夫?」
『あー・・・』
頭を振って息を吐く。くそったれ。

『女がな。』
「は?」
『頭んなかに巣くってやがるんだ。名前もどこで会ったのかも思い出せねぇ。』
「なにそれ。」
Vesperはグッドスプリングスで頭を撃ち抜かれて埋められたところをセキュリティロンに助けられた話をする。
ヴェロニカはぽかんとした表情で話を聞いていた。

荷物を運ぶ仕事で、NewVegasへ行く予定・・・だったと思う。
何処から来たのか、自分がどういう人物なのかは今のところ思い出せない。
自分の荷物を取り戻すためにベニーという男を追いかけている。

そこまで一気に話をすると、新しい煙草に火をつけ一息ついた。

「ベニーってやつから荷物取り返したら、その女の人探さなきゃね。」
『うん?』
「一緒に旅してきたんでしょ?ベニーにつかまってないといいね。」



Kingの物まね学校に戻ると、すぐにPacerが二人に声をかけてきた。
脅すような、緊迫した声音でNCRの元を訪れたことを責める。

キーラン少佐の話を訳が分からないと断ずる。
こんな話をKingの耳に入れるまでもない。あの方を煩わせるな。

『・・・。』
「お前は余計なことに首を突っ込むんじゃねぇよ。おれらで片付ける話だ。」
「えー?でも、結果を聞きたいはずだよ。」
『・・・なんでてめぇらじゃなくて、俺らに探りをいれるように頼んだと思う。』
PacerとVesperがにらみ合う。

好きにしろと舌打ちしてPacerがその場を離れていった。

Kingはというと相変わらず舞台前の席に座り、犬の背を撫でている。
戻ってきたVesperに気づくと、音楽を小さくするように手で合図した。

NCRは古びた駅でNCR市民だけに食料配布を行っている。
フリーサイドの市民には配る気はないようだ。

特に目新しい情報がないことに少しだけKingはがっかりしたような、ほっとしたような表情をした。

『あと。』
「うむ?」
『この件をアンタと話し合おうとして、人を寄こしたらしいぜ。』

「まてまて、なんだって?」

ヴェロニカが同じ話を繰り返す。
NCRのキーラン少佐という人物が、Kingと物資の件について話し合おうと使者を送ったと。
そして、その使者は何者かにひどく殴られ怪我をして戻ってきたと言っていたことを伝える。

「そんな人物は、ここには現れていないぞ。どうも大きな誤解が生じているようだ。」
Kingはしばらくの間、黙って考えを巡らしている。

と、そこに革ジャン姿の部下が飛び込んできた。

「King、大変です!!!!」



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