Fallout NewVegas ; ラウルとの出会い

タビサとロンダが立ち去った後、しばらく放心していたLuciaの背中をED-Eがぐいぐいと押してきた。

『あ、ぼんやりしてたね。ごめんごめん』
Beep!!

あとでニールにタビサが立ち去ったことを報告するとして・・・、この辺りの建物を見て回ろうか。
さっきは貯蔵庫に入ったから、次は刑務所とやらに入ってみよう。

中に入ると、ターミナルがあり更に奥へと続くドアが。
奥のドアはロックされているようだ。


Lucia:ん?パスワード?

まさか、ドアロックのパスワードがこんなところに書かれてるなんて、本気?
タビサが中に誰かを閉じ込めたのかな?書かれているパスワードを使うと、かちりとロックが開いた。

奥の部屋へ入ると、中にはジャンプスーツを着た・・・グール???

『あなた・・・誰?』
グールは声をかけてきたLuciaを見ると遅かったじゃないかと溜息交じりに呟いた。

『遅かった・・・て??』
「俺の勘違いだったようだ。ラジオを聞いて助けに来てくれたわけじゃないみたいだな。」
『ラジオ?なんのこと?』
やれやれというように肩をすくめ、グールはいいんだ、気にするなよ、と言った。

ラウル・アルフォンソ・テハダと名乗るグールは、もう行ってもいいか?と聞いてきた。

『行くのは構わないけど、着ているジャンプスーツには”ミゲル”って書いてあるよ?』
「ん?ああ、以前はミゲルのものだったみたいだな。彼が誰だったかは・・・もういいだろう、ボス?」
『ボス??ラウルはなんでこんなところにいるの。タビサに捕まったの?』

あーと言ってバツが悪そうにラウルは頭を掻いた。
「これがバカな話でね。」

最初は歯切れが悪かったが、Luciaが話を促すので腹をくくったラウルは流れるように今までのことを話しだした。
聞いていたラジオ放送が止まってしまったので、修理したらいいかと思ってBlack Moutainにやってきたそうだ。

『ああ、タビサに”これはいいものを手に入れた”と思われちゃったって訳か。』
「そういうこと。」

ラウルを縛り付けていたタビサはもういない。そうだ、一緒に旅をしないか聞いてみようかな。
『ね、ラウル。』
「なんだい、ボス?」
『一緒に旅しない?私・・・NewVegasに行かなければならない用事があるの。』


ラウル:ここにいるよりはマシだ

話し込んでいる間に日が傾いてきていた。
今晩はここに泊まって、夜が明けたら・・・まずはSloanの困りごとを解決してNewVegasに向かおう。

夜更けまであれこれとラウルと話し込んだ。
ラウルは以前メキシコシティのすぐ外で生まれて、小さな牧場を営む両親と暮らしていたそうだ。
『戦前って?』
「核が落ちる前だよ。もう200年も前になるな。」

ラウルの話を聞きながら、うとうとしだしたLuciaに毛布をかけてやりラウルは自分の簡易ベッドで横になった。



『NewVegasに向かう前に片付けたいことがあるんだ。』
「片付けたいこと?」

遠くが見渡せるように鉄塔に昇り、Sloanのほうを指さす。

『Sloanて町があってね。デスクローに悩まされてるらしいの。』
「デスクロー?あの化け物か。・・・で?まさかな、ボス?」
『うん。倒しに行こうかなって。』

深い深いため息をラウルはついた。
「ボス、この老体に何をさせる気なんだ?膝にも腰にもガタが来てるんだぞ。」
『昨日、ピストルでかなり良いショットができるって言ってたじゃない。頼りにしてるよ!』

にこにこと笑うLuciaを呆れた顔で見つめるラウル。


ラウル:早まったかもしれんな、俺・・・

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