Fallout NewVegas ; Old School Ghoul(3)
外に出ると、日が陰り始めていた。
休ませてもらおうかと思ったが、クリムゾンキャラバンに行くことを考えると一度NewVegasへ戻るほうがいいだろう。
Mother Pearlに一声かけなきゃねと考えているLuciaの後ろを、物思いに耽っている顔のラウルが歩く。
『ラウル?また何か考えてるの?』
「・・・ん?ああ、ボス。すまん。」
『今度は誰だろ。Loyalかな?』
ラウルがきまり悪げに頭を掻く。
「なあ、ボス。奴は年寄りだけど、ここの皆にとって役立つことがなんであるか知ってる。」
『うん、そうだね。Jackなんか尊敬してるって言ってたよ。』
「ああ、そうだよな。そうなんだよな・・・。」
ラウルが一瞬無言になった。
話し出すまでLuciaは待つことにした。ゆっくりと歩きながら。
メキシコシティを立ち去った時、全てを失ったとラウルは言う。
大切な妹も、家や名声そして自分の顔ですらも。
Miguelと名前の付いたペトロ・チコの製造工場のジャンプスーツを着て、Tusconという町で生活を始める。
元々持っていた修理の腕を生かして、自分のためや他人の為に物を修理していた。
「人を殺すよりよっぽどいい腕の使い方だろ?どんな争いごとにも加わらなかった。」
『・・・。』
「銃に・・・オイルを差しつづけていたのは、ただのプロのプライドからだったよ。」
再び、ラウルが沈黙した。
何度か言い淀んだ後、意を決したようにLuciaを真っ直ぐ見つめ話を続ける。
「彼女が、現れたんだ。」
『彼女?』
死んだ妹ラファエラそっくりのクラウディアという女性に出会ったラウル。
とても可愛かったよ、と彼女を思い出し少しだけ微笑む。
特別仲良くなるようなことはしなかったが、アレコレと世話を焼いてあげてたようだ。
「あいつらが来るまでは、あの頃にしては穏やかな日々だったと思う。」
『奴らって誰?何があったの???』
不穏さを感じて、思わずラウルの服の裾を掴む。
Dirty Daveと6人の兄弟というギャングよりも質の悪い奴らがTusconの街にやってきたのだ。
街で問題を起こして欲しくないと願っていたラウルは、弾薬を求められたので融通してやったらしい。
だが、Dirty Daveたちは・・・事を起こしたのだ。
クラウディアがいる勤め先で発砲し、4人を殺し、そして彼女を連れ去った。
すぐさま銃を手に取り追いかけたが・・・クラウディアは殺されていた。
「奴らを追いかけ続けて3日。キャンプを張っているところに飛び込んで、奴らを、殺してやった。」
『ラウル。』
服の裾を掴むLuciaのを、ぽんぽんと優しく叩く。
「ぼろぼろになった俺は、なんとかTusconへと戻り・・・体力が回復したら西へと向かったんだ。」
『うん。』
「そこからは、ブラックマウンテンでTabithaに捕まって、ボスが知っての通りだよ。」
いつの間にかMother Pearlのいる建物の前までやってきていた。
でも、まだラウルはLuciaに話しておきたいことがあるようだ。
少し離れた場所まで、再び2人で歩く。
「なあ、ボス。」
『うん。』
「俺は昔ほどタフじゃあない。だが、その分知恵はついた。それに、手先も十分器用だと思う。」
ラウルが、にやりと笑った。
「また、銃を手にとる時がきたと思ってるんだ、あんたのために。」
Speach66で修理に専念するように説得することも可能。その場合Perk「Full Maintenance」
『ラウル。』
「なんだい、ボス?」
『ありがとう。話をしてくれて。』