Fallout NewVegas ; 恐竜の上のスナイパー

『私は・・・Lucia。とある人物を探しているの。ところで、ここから何を見張っているの?』
「俺とブーンはここで東からやってくるシーザー・リージョンを見張っているんだ。」

ここでもリージョンの名前を聞く。迫りくる脅威って訳だ。

マーニーは東のほうを指さした。

「あいつらは性懲りもなく、侵入しようとするんだ。今のところは幸運なことに撃退できている。」
『そっか・・・。ブーンって、誰?』

「ブーンは俺と同じスナイパーだ。昼間は俺が、夜はブーンが見張っている。NCRの下士官だった時に知り合ったんだ。」
『あら、元NCR兵士なの。』
「ああ、俺はカーンズ出身でな。未来を得るためにカーンズを出て、NCRに入隊したんだ。だがビタースプリングスで、ある事件が起こったのを境に除隊したんだ。その時、一緒にこの町に来たんだよ。」
『へえ、仲がいいのね。』

その言葉を聞くと、マーニーは少しだけ傷ついた顔をした。
『どしたの?』
「・・・いや、彼とは・・・ブーンとは意見の相違があってね。」

『意見の相違?』
「私と・・・彼の妻カーラとは意見が合わなくて。そのことで、ブーンとの友情にもひびが入ってしまった。」
『ああ、つまり・・・親友を取られたって感じなのかな?』
マーニーは驚いた顔をした。知り合って間もない小娘に、感情のど真ん中を撃ち抜かれたようだ。

「で。お前は何だって?誰かを追いかけてるって?」
『あ、そうそう。チェックのジャケット着た男がここで話し込んでいったってきいたから。』
「なんだ、お前・・・ベニーの野郎を追いかけてるのか?」

マーニーもベニーを知っているようだ。”野郎”という単語を使ったことを聞き逃さなかった。あいつ、嫌われてんな。

『そう。あいつ、私の荷物を奪い取ってね。』
「もしかしてプラチナチップのことか?それなら、あいつは簡単には渡さないだろう。」
『・・・。あいつはどこへ向かったの?』

そう聞くLuciaの顔をまじまじと眺めたマーニーは、一つ取引をしようと言い出した。

「西にあるREPCONN 実験所にグールが出てな。そいつらを始末してきて欲しい。」
『ああ、No-bark Noonanが言ってた話か。わかったわ、行ってくる。』



REPCONN 実験所に行く前に、ブーンとやらにも会っておこうかな。
すっかり夜が更けたころ、再び恐竜を上がっていく。

マーニーと同じベレー帽をかぶった男が、恐竜の口から東のほうを眺めている。

こほんと咳ばらいをすると、ブーンは眉間に皺を寄せて振り返った。

「なんだ、くそったれ!私に忍寄るとはいい度胸だ。」
『ご、ごめんなさい。あなたがブーン?』

上から下まで不審なものを見るような目でLuciaを眺め回す。悪意はないようだとわかったようだが、それでも警戒は解かない。

「お前は何者だ。」
『私はLucia。ここに着いたばかりよ。昼間にマーニーから貴方の話をきいて』
マーニーの名前を聞くと、ふんと鼻で笑った。自嘲気味な笑いだ。

「・・・お前に頼みたいことがある。」
『え?私に?』
「そうだ。余所者にしか・・・頼めない。」
『どういうこと?』

一瞬躊躇したように見えたが、意を決してLuciaと話をすることに決めたようだ。
「私の為に・・・あるものを探し出して欲しい。ただ、何が見つかるのかはわからない。」
『?何かわからないものを探し出せっていうの?』

ブーンの表情が歪んだ。

「俺の・・・俺の妻カーラは、俺が当番の夜にリージョンの奴隷商人によって連れ去られた。」
『うん。』
「やつらは、カーラだけを狙って連れ去った。内部に手引きした人間がいるとしか考えられない。」
それで、余所者しか信用できないと言ったのか。

『奥さんを探し出したいの?』
再びブーンの眉間が曇る。
「いや、妻は死んだよ。私は彼女を売り飛ばしたろくでなしを見つけ出したいんだ。」

『見つけ出したら・・・どうするの?』
「罪を・・・償ってもらうさ。」