Fallout NewVegas ; I Put a Spell on You
久しぶりにキャンプ・マッカランへ来たので、シュー大佐に挨拶していきたいとLuciaが言い出した。
「シュー大佐?誰だ?」
『うーんと、ブーンさんが言うには凄い人らしいんだけど。ここをまとめている人。』
「なるほど。」
シュー大佐の部屋へ顔を出すと、難しい顔をして机に向かっている姿が見えた。
ドアの外から声をかける。
Luciaの顔を見ると手招きし、ドアを閉める様に指示を出した。
アルケイドを見ると訝し気な顔をしてLuciaに説明を求める。
『ええと、ブーンさんと一緒に仕事をしてるアルケイド先生です。』
「アルケイド・ギャノンだ。アポカリプスの使徒に所属していたが、今は彼女と行動を共にしている。」
「うむ。わかった。・・・用心に越したことはなくてな。」
アルケイドと握手する。
ここ最近、機密情報漏洩が起こっていると、シュー大佐は深いため息をついた。
パトロール中に休憩を行っていると奇襲されてしまうのだ。
「スパイがいると、そういうことか?」
アルケイドの言葉に頷く。用心深く、廊下へ続くドアを見つめたまま。
「そのため・・・すべてに遅れが生じている。物資供給も援軍派遣もな。」
『それで、私たちにどうして欲しいの?』
「この件はカーティス大尉に一任している。まずは彼と話をして欲しい。あとボイド少佐にも声をかけてくれ。」
「わかった。」
言葉少なにシュー大佐の部屋を出ると、まずはカーティス大尉の元へと向かうことにする。
シュー大佐に手伝うように言われてきたことを告げると、カーティス大尉は合点がいったように頷いた。
なるほど部外者を使うとはな、とシュー大佐の考えに感心したようだ。
スパイは掴みどころがなく近づいたと思うと、すぐにその振る舞いを変えると言う。
『私、どうすればいいのかな。』
「アドバイスをするとすれば、この件に関わっている人物に話を聞くことから始めるといい。」
カーティス大尉はボイド少佐とコントレラス軍曹の名前を出した。
先ほどシュー大佐もボイド少佐の話をしていた。次はボイド少佐に話を聞きに行くか。
コントレラス軍曹には用心したほうがいいぞと釘を刺してきた。
カーティス大尉に礼を言い、部屋を後にした。
「Lucia。」アルケイドが呼び止める。
『どうしたの、先生?』
「ちょっと気になってな。」
『うん?』
「NCRは・・・スパイの目星が全くついていないんだろうか。」
そんな状態で部外者に調査を依頼するのか?
アルケイドが眉間に皺を寄せ、珍しく険しい顔をする。
『とりあえず、ボイド少佐に話を聞いてみようよ。』
2階にいるというボイド少佐の部屋へと向かう。
ボイド少佐に声をかける前に、ボイド少佐は貴様は何故この場所にいるんだと叱責してきた。
恐る恐るシュー大佐に言われて来たことを告げると、少佐は忌々し気に部屋の中にいるリージョン兵を睨みつけた。
「その話の前に、あいつをどうにかしないと。」
『・・・リージョン兵?』
「そう。ようやく生け捕りにしたからね。口を割らせないと。」
自白剤を使いたいところだけど、NCRの上層部が良い顔をしなくてと残念そうにボイド少佐は言う。
Tandi大統領の政権時代からの規制がまだ残っていてね。
アンタがあいつをちょっと可愛がってやってくれたらいいんだけど、とボイド少佐が水を向ける。
リージョン兵を?
私が?
少しだけ、歪んだ、楽しさのようなものが心の中に浮かんできた。
「ま、できないような腰抜けには、情報漏洩の問題を解決することもできないだろうがな。」
「おい!それとこれとは別問題だろう!」
『・・・やる。』
ボイド少佐が心底嬉しそうに微笑んだ。
「いい返事だ。」
準備ができたら呼ぶから、まぁ待ってなと言い残して、ボイド少佐はリージョン兵が待つ部屋へと入っていった。
※クエスト:The Silent Treatment 開始