Fallout NewVegas ;Kings’ Gambit
大使館で一休みし、改めてクロッカー大使に声をかける。
『まだ頼みたいことあるって言ってたよね。』
「ああ、君か。ちゃんと休んだのか?大丈夫なら次の仕事をお願いしたい。」
クロッカー大使は、フリーサイドにいるNCR市民が暴力を受けていると話し出した。
そして、その暴力はThe Kingsと呼ばれるギャングたちによって行われていると。
クエスト:Kings’ Gambit 開始
クロッカー大使の口からペイサーの名前が出てきた時、思わずLuciaは首を傾げた。
確か前にもNCRとThe Kingsの軋轢に対処したことがあったが、その際にペイサーはThe Kingsから愛想をつかされたと思っていたのだが。
もしかしてKingは許したんだろうか。
「・・・どうした?」
『なんでもない。それで、何をすればいいの?』
クロッカー大使は、ペイサーをNCR以外の者の手にかかって殺害されたと見せかけるか、上司であるKingに暴力を止める様に説得するか、どちらかをLuciaにやって欲しいと頼んできた。
Kingは全く耳を貸さないほど頭が固い男ではない・・・はずだ。
耳を傾けてくれる余地はゼロではないと思う。
クロッカー大使に、ひとまずKingと話をしてくると約束し、大使館を後にした。
フリーサイドにあるThe Kingsへ。
Kingはいつものように手下を従えて、舞台を眺めていた。
Luciaが来たことに気付くと、おやおやこれは、と音楽を止めて向き直る。
「嬢ちゃんが問題を解決してくれてから、うまくいってるよ。感謝している。さて、今日は何の用かな?」
『ええと・・・。フリーサイドにもNCR市民がいると思うんだけど、彼らへの暴力を止めてくれないかしら。』
傍に座っていたペイサーがぴくりと動いた。
ペイサーの挙動に気づいていないのか、Kingはそのまま話を続ける。
嬢ちゃんのお願いはもう聞いただろう。
「ちょっと欲張りすぎやしないかね。きける願いは1つだけと言ったはずだ。」
『・・・うん。』
話はこれで終わりだと手で合図する。
途端に舞台の音楽が再び流れ出した。
Kingに色よい返事をもらうことができなかったとクロッカー大佐へ報告する。
予想していたのか、クロッカー大使は思っていたほどがっかりはしなかった。
「そうなると君は2つの選択肢を選ぶことになる。」
『選択肢?どういうこと?』
「1つは、Hoover Dumにいるムーア大佐が君を呼んでいる。ムーア大佐の指示に従ってフリーサイドを攻撃するんだ。」
「・・・もう一つはなんだ。」
クロッカー大佐がブーンを見つめた。
「キャンプマッカランにいるシュー大佐に力を借りる。」
『シュー大佐?』
「ああ、彼は暴力に暴力を持って制するような人物ではない。何かいい案があると思う。」
クロッカー大使の言葉にブーンも頷く。
なるほど。シュー大佐なら、いきなり拳を振り上げるような真似はしないだろう。
力を貸してくれるように頼んでみても、恐らく否定はしないはずだ。
『キャンプマッカランに行ってみる。』
シュー大佐の元へ向かい、クロッカー大使に頼まれた仕事の話をする。
てっきりムーア大佐のところへ行くんだと思っていたと、シュー大佐は少し驚いた顔をした。
『クロッカー大使が、貴方がなにかもっといい案を出してくれるんじゃないかって。』
ふむ、とシュー大佐は考え込んだ。
何度も我々を助けてくれた君の頼みだからな。
「では、フリーサイドでの暴力を止めるなら、水・電力・食料を多く供給することを約束しよう。」
「・・・シュー大佐、大丈夫なのか?」
「ああ。フリーサイドと手を組めるなら、安い物だろう?」
『ありがとう!Kingに話をしてくる!』
大慌てでThe Kingへと向かうと、入り口付近でNCR兵とThe Kingsの手下たちが押し問答しているのが見えた。
「・・・これは、どういうつもりだ・・・?」
『まさかムーア大佐???』
掴みかかろうとしていたNCR兵を押し留め、Kingと話を付けてくるから、手を出さないように言い含める。
The Kingの中も人で溢れかえっていた。
人を掻き分けてKingの元へと急ぐ。
NCR兵に囲まれる形になったKingは苛立ちを隠せず、Luciaの姿を見つけると、どういうことだと睨む。
LuciaはNCRが土足でThe Kingに上がり込む形になってしまったことを詫びる。
シュー大佐からの申し出を伝えると、ようやくKingの表情も少し和らいだ。
KingがLuciaの申し出に耳を傾けたことをきっかけに、ペイサーが銃に手をかけようとしたのが見えた。
「ペイサー!やめろ。お前の過ちを一度は許してやっただろう。」
「俺はアンタがバカげた過ちを犯すのを止めてやるよ。」
ペイサーとその手下どもが銃を構え、NCR兵も応戦する。
狭い部屋の中で銃撃戦が始まった。
「Lucia!!」
ブーンがLuciaの手を引き、テーブルの陰へ押し込む。
銃弾を受けて、ペイサーが床に崩れ落ちるのが見えた。
「・・・ペイサーが死んでしまった。」
『King・・・。』
「The Kingsは、NCRの申し出を受け入れよう。これで、いいだろう?」
倒れているペイサーを見つめながら、KingはLuciaに約束した。
重い足取りで大使館へと戻る。
クロッカー大使にKingがシュー大佐の申し出を受け入れたことを報告した。
上首尾に終わったことに大使は大喜びだ。
クエスト:Kings’ Gambit 完了
「ムーア大佐が君の功績に対する報告書に興味を持ってね。是非にと言っている。」
助けを求める様にブーンを見やると、小さく頷いてくれた。
『わ、わかった。Hoover Dumに行ってくる。』
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