Skyrim~小さな恋の物語

Tesoroがリフテンでゴルディールと飲み明かしていた頃。

ホワイトランの街中に吸血鬼が出て戦闘があり、エリクやリディア、ジェナッサも戦いに参加していた。
住民に被害も出ず、無事に撃退したのは夜もかなり更けた頃だった。

疲れて眠るリディアを見下ろしながらジェナッサは一人頭を悩ませていた。


なぜかスプーンと鍋を抱えて眠るリディア

ブリーズホームでは私兵のリディア、傭兵のジェナッサとエリクが3人で生活している。

ダンマーのジェナッサは長命なため、リディアやエリクよりはずっと年上で、さらに各地を放浪してきているので機知にも長けている。ノルドにもだいぶ慣れてきた。

「これはTesoroが戻ってきたら相談したほうがいいかもしれないわね・・・」階段を降りながら独り言ちる。

「なにを?」
誰もいないと思って油断していた。エリクが火のそばで座り込んいたのだ。考え事に集中しすぎて、気づかないとは・・・。

「なんでもないわ。エリクこそ、どうしたの?眠れないの?」
「うん・・・。」

なんだかエリクの元気がない。
「僕は・・・Tesoroについてあちこち行って、少しは強くなった気でいたけど、吸血鬼を見たときは足がすくんで咄嗟に動けなかった。」
「それは仕方がないわね。人は見たことがないものには恐怖を抱くものよ」
「でもリディアやジェナッサは勇敢に立ち向かったじゃないか!」
「じゃあ、次の襲撃で活躍すればいい。何をそんなに焦っているのかしら?」

エリクがちらっと二階に視線を走らせたのをジェナッサは見逃さなかった。今はそこには触れないでおこう。

「すぐに強くなることは難しいわね。同胞団にお願いして狩りに行くのに同行させてもらったら?場数を踏むのが優先かも。」
「・・・ジェナッサはどうして傭兵になったの?」
「わたし?わたしは元々武器職人でね。作っているうちに、自分の武器の切れ味を試したくなったのよ。そうしたら使い方を極めたいと思うじゃない?それで傭兵になってみたってわけ。そういうエリクは?」
「僕は・・・小さいころから父さんに戦争で勇敢に戦った話を聞いて、僕も誰かを守れるようになりたいと思ったんだ。衛兵に剣の使い方を習ったりして、近所のオオカミなんかを退治していたんだけど物足りなくなって・・・」
「それでロリクステッドを飛び出したという訳ね」

火を見つめ、2人で無言になる。
やおらエリクが立ち上がり小さく「おやすみ」と呟いた。ようやく寝るようだ。

エリクに「おやすみなさい」と返したが、ジェナッサはまだ火を見つめたままだった。

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時々書いてみようかと思っている妄想話です。

妄想なので勿論公式設定ではありません。