BooneにLucky38のことを話すと、Camp Maccaranに用事があるので終えてから向かうと言われた。
『えー・・・一緒に行けると思ってたのにな。』
「・・・すまんな。Hsu大佐と約束がある。それが終わったら、Lucky38へ向かうとしよう。」
ED-Eが元気づける様に、Luciaの周りをぐるぐる回る。
久々にED-Eと2人だけ。
『ED-E!ゆっくり2人でLucky38に戻ろうか!』
ビビッとBeep音を立てて、同意を示すED-E。
恐竜の前から、大きな道路を通って北上することにしよう。
暫く歩くとキャラバンの一行に出会う。
ぐうと腹が鳴った音に、そういえば朝ご飯食べてなかったなと気づいたLuciaはキャラバン隊に声をかけ食事を購入することにした。
El Dorado Gas & Serviceで一休みして、更に北上する。
日が傾き始めると、空気がひんやりとしてきた。
『あー、どうしよう。夜になっちゃうなぁ。ボルダーシティに行くのも・・・うーん。』
そう考えているLuciaの目に、焚火の灯りが映った。
『ED-E、あそこに行ってみよう!』
Beeep!
女性がひとりぽつんと立っていて、屋台のような場所では男性が酒を煽っていた。
とりあえず、店の人に声をかけてみよう。
『こんばんわ。』
ちらりとLuciaに視線を走らせ、また酒を煽る。
「ここは第188交易所。何もないよりはマシなところだ。」
『こんなとこでお店をやってるの?』
「嬢ちゃんは何しにこんなとこに来たんだ?」
Strip地区へ行く途中だと言うと、Strip地区へ意気揚々とギャンブルをしに行くカモたちが俺の商売客なのさ、とSamuelは笑って言う。
近くにNCRの基地もあるので、兵士たちも良い客だそうだ。
ふぅんと話を聞いているLuciaの後ろから、近くにいた女性が声をかけてきた。
「ねえ・・・あなたどこから来たの?」
『え、私?私は・・・Goodspringsというところから来たわ。あなたは?』
Veronicaと名乗る女性は、自分は地下の穴で暮らしていたという。
Luciaが困惑した顔で彼女を見つめると、笑いながら言い方を間違ったわね、バンカーというところで暮らしていたのと言い直した。
バンカー・・・?どこかで聞いたことがあるような、ないような・・・。
記憶を辿るLuciaを後目に、VeronicaはBrothehood Of Steelを知っているかと聞いてきた。
バンカー・・・Brothehood Of Steel・・・聞いたことある。
ああ、そうか。ED-Eを貸してくれと接触してきたことがある。彼らの事か。
昔のテクノロジーを集めている集団でしょう?と言うと、Veronicaはちょっと微妙な表情を見せた。
気を取り直す様に、これからどこへ行くの?と聞くので先ほどSamuelに説明したようにStrip地区へ行くところとだ伝える。
するとVeronicaが目を輝かせて一緒に行きたい!と言い出した。
『うーん・・・?』
「あ、ごめんね。私一人では行けない危険な場所が世界には沢山あるでしょう?助け合って旅ができればと思うの。」
それにね、とVeronicaは続ける。
「私、Brothehood Of Steelの一員なの。さっき聞いた時、どんな反応するか知りたかったのよ。」
LuciaがVeronicaを見定めていたように、VeronicaもLuciaを見定めていたのだ。
『・・・で、私合格だった?』
Veronicaが笑いながら、手を差し出してきた。
「・・・ありがとう。悪く言わないでくれて。B.O.S.は・・・敵も多いのよ。」
正直に自分がB.O.S.であることを話してくれたVeronicaの姿勢が、Luciaには好もしいものに思えた。
『私はLucia。よろしくね、Veronica。』
握手を交わし、Samuelのところで食事をしようと歩き出した。