ポラトル少佐のテントに戻ると、Dr.リチャードから報告があったらしく少佐からも礼を言われた。
照れ笑いしながらブーンを見ると、少しだけ微笑んでいるようだった。
ますます照れてしまうLucia。
E-DEも喜んでいるのか、頭の上でぐるぐる回っている。
「よくやってくれた。Dr.リチャードが絶賛していたぞ。」
『や、あの、その。力になれて嬉しいです。ほ、ほかに何かある?』
途端にポラトル少佐が渋い顔をした。
「ネルソンに、始末しなきゃならないリージョン軍がまだいる。」
ネルソン?どこかで聞いたことがあるような・・・。
「・・・前に、磔にされていたNCR兵を助けただろう。」ブーンが呟く。
ああ、あの街か!リージョン兵を片付けたと思っていたけれど・・・また占拠されてしまったのか。
ネルソンでNCR兵を助けた際に、ブーンの様子がおかしくなったことも思い出されてくる。
ネルソンを取り戻すことでフーバー
ダムでの戦いも有利になるだろうと、ポラトル少佐は話を続ける。
ネルソン近くにいるクーパー軍曹と話す様に言うと、ポラトル少佐は忙しそうに立ち去って行った。
『ブーンさん。』
「・・・なんだ?」
Luciaから視線を外して、ブーンは答える。
『ネルソン・・・。ネルソンに行ってリージョン兵を倒してこようと思うの。』
「・・・それで?」
『い、一緒に来てくれる?』
ブーンが、すれ違いざまにLuciaの肩を叩いていく。
「・・・気を使わなくていい。」
暫くの間、黙ったまま歩いてく。
辺りが暗くなってきた。
暗がりの中から、こちらに向かって手を振る人物がいるのが見えた。
あれがクーパー軍曹かな?
挨拶を交わすと、クーパー軍曹は早速ネルソンの現在の様子を教えてくれた。
Dead Seaというリーダーを倒せば、後のやつらは簡単に倒せるだろうと言うのだ。
NCR隊員の数も多くはないから、攻める方向を決めておこうとクーパー軍曹から持ち掛けられた。
闇夜に乗じて、少数精鋭で攻め込むという訳か。
ブーンとクーパー軍曹が地図を見ながら、攻め込む方向を決めていく。
ちらりとブーンの表情を盗み見してみるが、以前の時のような暗く苦しそうな表情ではなさそうだ。
「よし、それでは攻め込むぞ!後に続け!」
クーパー軍曹の号令と共に、駆け足でネルソンへと攻め込んでいく。
スナイパーライフルでブーンが遠くから仕留めたり、NCR隊員たちが後ろからリージョン兵に近寄り止めを刺したり。
外にいたリージョン兵たちを静かに倒しているのを確認しながら、Dead Seaを探す。
クーパー軍曹から送られてきた情報によれば、Dead Seaは宿舎にいるようだ。
寝ていると・・・いいけど。
宿舎の灯りが消えていたので寝ていると思い込んだLuciaは、中の確認をきちんと行わずドアを開け忍び込む。
Luciaが中に入り込んだ瞬間、Dead Seaが部屋の明かりをつけてしまった。
「誰だ!!!」
問答無用で襲い掛かってくるDead Seaに向けて、何発も弾を撃ち込む。
返り血を浴びて宿舎から出てきたLuciaを見て、ブーンが少しだけ目を見張った。
「・・・おい、怪我したのか?」
『あ、大丈夫。Dead Seaを倒したよ。ちゃんと・・・中を確認しないでいたから、鉢合わせしちゃって。』
Luciaの顔についた返り血を、指でそっと拭いながらブーンは話を聞いていた。
「・・・油断するな。」
『うん。ごめんなさい。』
クーパー軍曹が、宿舎で血だまりの中に倒れているDead Seaを確認する。
これをポラトル少佐に渡してくれと、小さな袋を手渡してきた。
不思議そうな顔をしているLuciaに、リージョン兵の耳だ、とクーパー軍曹が説明する。
頭を持って行ってもらう訳にも行かないからな!とリージョン兵を倒して高揚しているのか、ご機嫌な様子だ。
あまり気持ちの良い土産とは言えないが、ポラトル少佐への報告の際に渡すとしよう。
ポラトル少佐の元へ戻ると、ほっとした表情で迎えてくれた。
これで少しの間だけでも近くにリージョン兵がいることを気にせずに、休養に入ることができると言う。
クエスト:Restoring Hope 完了
「本当にありがとう。」
『あとはもう大丈夫そうかな?』
「そういえば、2等軍曹のレイエスが君と話がしたいと言ってたな。話を聞いてやってくれるか?」
「・・・まだ仕事があるのか。」ブーンが少しだけ不機嫌そうに呟く。
『レイエス2等軍曹ね。何をしてる人?』
「彼女は技術曹長で、各地のレンジャーステーションから送られてくる情報の分析やセキュリティについての仕事をしている。」
レイエス2等軍曹の話を聞いてみようと約束して、ポラトル少佐のテントを後にした。