ピーターソン空軍基地の中に足を踏み入れる。
Zephyrが辺りに鳴り響く音を耳にして、嫌な顔をした。
「何、この音。」
「どこかの馬鹿がセキュリティを作動させてしまったようだ。五月蠅くて申し訳ない。」
振り向くと、穏やかそう顔をしているが油断なく2人を見つめている男が立っていた。
「私はダリウス・クォン。こっちはセルゲイ・グレートスキーだ。よろしく、レンジャー諸君。」
Wraithと握手を交わしたクォンは基地の事を説明する。
セキュリティが起動したことにより、警備ロボットが徘徊していると言う。
「ロボットをどうするかは君たちに任せるよ。ここは君たちの・・・」
話の途中で、クォンも辟易したようにスピーカーを睨みつけた。
舌打ちしてスピーカを指さす。
Wraithは苦笑いしながら、クォンとZephyrを見た。
2人とも不機嫌そうにしている。
『・・・このアラームを止めてから、続きを話そう。』
「同意。気が狂いそうだ。」
※クエスト更新:鳴り響くアラームに対処する
正面の階段を上がり、セキュリティシステムのある作戦室へと入る。
アラーム音と共に、警備ロボットもBeep音を高らかに鳴らしながら部屋の中を所狭しと走り回っている。
「・・・地獄かよ・・・。」
Zephyrは両手で耳を抑え、Wraithを睨みつける。
やれやれ。
溜息をつくと、Wraithは走り回っているロボットをどうにかして止めて話しかける。
「BBBB 侵入者、警告です!ここは安全な政府の施設です、あなたが不法侵入を犯したのです! GGGGifしないと パスビフされます!!」
「なにいってんだこいつ?」
『古い機械のようだな・・・。』
※以下の選択肢から対応を選ぶ。
「この基地は何十年も使用されていません。ずっと警戒していましたか?」
(スキルKiss Ass1)「我々はアリゾナ・レンジャーズ、米陸軍工兵隊の後継部隊です。我々は政府の代表です。」
(スキルSneaky Shit1 所持していないので選択不可)
「おっと、私たちの間違いです。これから出発します。」
「あなたが仕えている政府はとっくの昔になくなっています。監視しても意味がない。」
警備ロボットを攻撃します。
2人がレンジャー部隊であると名乗ると、ロボットは思案するようにBeep音を発した。
「ジジジ・・・作戦室を利用する権限が暫定的に付与されました。監視員は引き続きあなたを監視します。」
とりあえずロボットから攻撃されることは免れたようだ。
後は、このアラーム音を止められれば・・・。
部屋の真ん中に、大きなコンピューターが鎮座している。
こいつがセキュリティを制御しているメインコンピューターなんだろうか。
ディスプレイに流れる文字を眺めるWraith。
コマンド入力を求められる。
Zephyrは興味を失ったようで、辺りをふらふらとうろつき始めた。
『Command’s ID か・・・。』
ふむ、と呟くと自分自身をコマンドとして入力した。
ディスプレイの上でカメラがフラッシュする。厳めしい表情をした写真がいくつも流れ、最後にWraithの顔が並ぶ。
「コマンドを認識しました。セキュリティ警告がキャンセルされました。」
響き渡っていたアラームが途端に鳴りやんだ。
ほっと一息ついていると、手を叩く音が聞こえてきた。
見れば総主教が部下を連れて、こちらへと向かってやってくる。
「よくやった、レンジャー諸君。見込んだだけのことはある。」
『・・・ありがとうございます。』
話が途中だったな、と総主教は呟き、自身の子供たちの話をし始めた。
娘が1人、息子が二人。
彼らは共謀して総主教の地位を狙っていたため、追放したという。
しかし最近になって、総主教の地位が危ういという噂が流れ・・・それを信じた3人の子供たちはそれぞれ父親を倒す計画を立て始めているらしい。
『それは・・・我々に貴方を警護するように、ということでしょうか?』
「警護?君たちにそんなものは求めていない。」
「じゃ、どうして欲しいんだよ?」
『Zephyr。』
Zephyrが馬鹿にしたような口調で話し始めたので、軽く首を横に振り制する。
改めてWraithは総主教に問いかける。
『それでは、我々は和平の使者として貴方の子供たちと交渉を行う役割・・・ということですか?』
「家に連れ帰るんだ。」
『家に、ですか。』
「そうだ。そしてそれは、生きたまま、ということを指す。こんなことをしでかしても、彼らは私の子供だ。いいな?」
Zephyrは不満そうに鼻を鳴らす。
『・・・その時の状況によりますが、できる限りご希望に添える様に努力します。』
「よろしい。」
総主教が満足そうに頷く。
※ここでメインクエスト3つが追加される。
クエストは開始可能なレベルが決まっていて、3人の子供たちに対処するクエストはそれぞれ高いレベルが求められる。要は手強い。
※クエスト:The Psychopath ヴィクトリーの対処をする。
ヴィクトリーの人物像「残酷で残忍。拷問したり放火したり。総主教がアスペンへ軟禁したが、仲間と共にスキー場を屠殺場に替えてしまった。」
クエスト:The Zealot ヴァロールの対処をする
ヴァロールの人物像「穏やかで、甘やかされて、外交や戦争の技術を学ぶ代わりに、一日中コンピューターをいじっているような男。妹が起こした小さなクーデター未遂の直前に、『誤って』セキュリティシステムをクラッシュさせたために追放された。」
クエスト:The Traitor リバティの対処をする。
リバティの人物像「兄弟二人を合わせたよりも頭脳と狡猾さを持っている。実際にコロラドを運営できるのは彼女だけだ。問題は、彼女が奴隷国家としてそれを運営することだ。全員が鎖につながれ、全員が彼女のために働くことになる。」
ZephyrがWraithの後ろで3人の子供達について、小声で悪態をついた。
全面的に同意であったが、総主教には聞かせられないなとWraithは自分の胸の中に納めた。
『詳しい情報をありがとうございます。最善を尽くしましょう。』
Wraithの礼儀正しい回答を聞き鷹揚に頷く。
ああ、そうだ。と総主教が何か思いついたような素振りをした。
「先ほどの電話はコロラドスプリングスのデイジー保安官からのものだ。ドーシー一家を追い出すのに苦労しているらしい。」
『なるほど。』
「彼女に手を貸してやって欲しい。君たちの力を、Team Novemberが何ができるのか見せてくれ。」
クエスト:Cornered Rats 追加
『・・・Yes、Sir。』
「よろしい。良い知らせを待っている。そうそう。クォンとグレートスキーとは話をしたかね?」
『少しだけ。アラームを止めてから、詳細を話し合う予定でした。』
「ここは君たちのものだ。好きに使うといい。我々は出て行くとしよう。」
クエスト:Home Away from Home 完了
部下と共に出て行く総主教を見送る。
振り返ると、ZephyrがWraithの背に隠れて総主教に向かって舌を出していた。
『・・・Zephyr。』
「見えなきゃいいだろ。アタシ、あいつ嫌い。」
Wraithが深々と溜息をついた。
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