プレストンにドッグミートを頼もうとサンクチュアリに戻る。
犬小屋を新調してやるとドッグミートは嬉しそうに中に入っていった。
じゃあ、俺はしばらく出かけてくるけど、プレストンと一緒にサンクチュアリの見張りを頼んだぞ。
わんわん!
プレストンに声をかけると快くドッグミートを引き受けてくれた。
よろしく頼むよ、プレストン。
ニックを探しに行く前にダイヤモンドシティ周辺を探索しようかな。
ダイヤモンドシティに戻って、パイパーを旅に誘う。
マーケットへ出てみると、なにやら騒ぎが起こっていた。
兄弟と思われる男が片方の男に向けて銃を構えている。人造人間と叫んでいるが・・・。
理由を聞きに間にわって入ろうとした瞬間、ガードが銃を向けていた男を撃ち殺してしまった。
パイパーは渋い顔をして顛末を見つめている。
傍にいたガードに詳細を聞いてみることにしよう。
「男が自分の兄弟に向けて銃を抜いたんだよ。人造人間だと思ってな」
「人造人間・・・」
「まったく。あの新聞のせいで家族が入れ替えられるかもしれないと皆疑心暗鬼になってイライラしている。」
まわりにいた人達は気づくと方々に散らばっていっていた。
ダイヤモンドシティでは、こんな騒ぎは日常茶飯事なんだろうか。
黙ってしまったパイパーを促し、マーケットを後にした。
町を出ると激しい銃撃戦が行われている音が響いている。
走って行ってみると、スーパーミュータントとダイヤモンドシティ・セキュリティが戦っていたので助太刀をする。
あちこち走っていると、遠くに多くの倉庫のようなものが見えてきた。
珍しく建物が残っているな・・・と近づいてみると、中から「止まれ!」と警告の声が飛んできた。
老婆(?)が一人銃を向けている。
フィリス・ディリーと名乗る老婆は、自分は人造人間だから早々に立ち去れと言う。
「自分が人造人間だと言っているが・・・」
「どういうことなのかしらね。ブルー、もう少し話を聞いてみてくれる?」
もう少し詳しく話をしてくれないかと頼むと、渋々ながらも銃を下ろしてくれた。
「貧しいながらも孫のサミュエルと2人なんとか暮らしていたんだ。ファームの警備をしたりしながらね。」
「人造人間ていうのは・・・?」
「ある夜、ファームの見張りをしながら居眠りをしてしまったんだ・・・。突然銃声が聞こえて目を覚ますと孫のサミュエルが・・・死んでいたよ。」
「他には誰もいない。殺したのは私に違いないんだ。唯一の家族を殺してしまうなんて・・・私は人造人間に違いないんだ」
「それで自分を人造人間と・・・?」
「あんたに何がわかるっていうんだい?自分の手で孫を、大切なサミュエルを殺してしまったんだ」
「いきなり大切な人を奪われた気持ちはわかるよ。妻を殺され子供は誘拐された。無力で防ぐことはできなかった。」
フィリスは目線を落とし小声で「すまなかったね・・・」と呟いた。
後ろでパイパーが身じろぎもせずに立っている。
「ミニッツメンに協力しないか?」と声をかけるとひどく驚いていた。
呆れたように笑うとフィリスは「考えておこう」と言った。
「銃を向けて悪かったね。あんたの言うとおり、そろそろ過去と決別すべき時なのかもしれない。この場所は好きに使っていいよ」
そう言い残すとフィリスは2Fへ上がっていった。
居住地が増えたことになるんだろうか。
念のため、プレストンに報告しようかな?
そう考えていると後ろからパイパーが声をかけてきた。
「ブルー。話する時間ある?」