
ニックが一息つくために椅子に腰かけたのを見計らって、エリーがコーヒーを用意してくれた。
「そうだ、ついでと言っては何だけど・・・もう一つ事件を解決してみない?」
そう言うエリーからホロテープを手渡された。
「ホロテープ?」
「聞いてみて。」
ホロテープを再生するとマーティー・ブルフィンチという男が話始めた。
“ニック、ファニエル・ホールの上にある変なバッタの像を覚えているか?あの中にメモがあることがわかったぞ。あのシェム・ドラウンの息子が書いたメモだ。”
“名前を聞いてもピンと来ないかもしれないが、シェム・ドラウンは鋼細工師だ。まだ人が鋼細工なんかをやっていたような大昔のな”
ニックを見ると目を瞑って、聞いているような眠っているような表情をしていた。
テープはファニエル・ホールを調査してくるというブルフィンチの声で終わっていた。
「この男は・・・?」
「昔々のパートナーだ。」
「へえ。どんな奴だ?」
「奴の良かったところ・・・?ここを辞めたことかな。」
エリーが苦笑いする。
「まぁ、そんな訳でファニエル・ホールに付き合ってくれると嬉しいんだがな。」
「わかった、いいよ。バッタの像って気になるしな。」
気を付けてとエリーが送り出してくれた。
ファニエル・ホール
ファニエル・ホールは案の定スーパーミュータントが屯していた。
どんどん倒しながら、屋上を目指していく。
次から次へと襲い掛かってくるスーパーミュータントにうんざりしてきた。
ニックが呆れたように呟いた。
「マーティは本当にこんなところを一人で攻略しようとしたのか?」
なんとか屋上に出ると、そこにはマーティー・ブルフィンチの遺体が転がっていた。
「ニック・・・。」
「マーティはうまくやれなかったようだな。心配するな、相棒。事件は解決してやるからな。」
ブルフィンチの遺体の先に・・・あれか、バッタが止まっていた。
「あった・・・!」
「何か書いてあるな。」
※”グラスホッパーの食料”を読むと「シェム・ドラウンの墓を見つける」とクエストが更新され、
旧グラナリー墓地にクエストマーカーが付きます
フェラルグールたちを倒して・・・シェム・ドラウンの墓を探す。
「あ、あった」
「墓を掘り起こすのは気が引けるが・・・。」
棺桶の中からはシェム・ドラウンの白骨、金の延べ棒、銀の延べ棒、銅の延べ棒。
「これは、シェム・ドラウンが打った武器なんだろうか?」
「マーティの思い出として、ニックが持っているか?」
「いや、いらん。事務所にあっても困るし、あんたが持っていてくれ。」
「わかったよ。どこかに飾っておこう。」
バレンタイン探偵事務所へ戻るとエリーがどうだった?と聞いてきた。
「マーティは死んでたよ。ファニエル・ホールを攻略して。勝者として死んだ。」
「ニック、冗談言わないで。マーティがファニエル・ホールを攻略したなんて・・・。」
そこでエリーがニックの表情に気づき、口を噤んだ。
「・・・マーティにしては、頑張ったわね。」
「そうだな。」