後頭部に鈍い痛みを感じて目が覚める。
ゆっくりと目を開く。薄目で周りを見渡すと・・・。
これは・・・馬車か。馬車で、どこかへ運ばれている。
身じろぎすると、向かいに座っている男が声をかけてきた。
どうやら俺はストームクローク軍諸共捕まってしまったらしい。
視線を右に移すと、そこにはウルフリック・ストームクロークもいた。
俺は奴の暗殺依頼を故郷で受けスカイリム入りした。
ダークウォータークロッシング近くで移動中の奴らを見つけ、後を追っていたところで・・・。あそこで帝国軍がやってきて乱戦になり、あろうことか俺も一緒に捕まってしまったんだ。くそ。
それにしても、このレイロフってやつとロキールという馬泥棒はよく喋るな。
なんとか逃れる方法はないかと周りを見回しているうちに馬車がどこかへ着いてしまったようだ。
無理やり降ろされ、帝国が点呼を始めた。
ストームクロークの奴らと一緒にこんなところで死ぬのはごめんだ。
馬泥棒のロキールは恐怖でパニックになって逃げだし、射殺されて死んだ。
闇雲に逃げ出しても、同じ目にあうだろう。
警備の薄い箇所がないか、人影に隠れて辺りを見渡していたのだが・・・何故か俺が呼ばれてしまった。
首切り役人が待ち構えている。
突然のドラゴンの襲撃に帝国もストームクロームもパニックになり、逃げ惑う。
俺はドラゴンの咆哮で吹き飛ばされ、軽く気を失っていたようだ。
こっちへこい!と叫ぶ声のほうを見ると、レイロフが手招きしている。
呼ばれるがままに塔の中へと逃げ込んだ。
塔の中はストームクローク兵、そしてウルフリック・ストームクロークもいた。
どさくさに紛れて、殺してしまえないかと考えているとレイロフが塔の上に逃げろと言い出した。
だが、塔の中も安全ではなかった。
石の壁をぶち破って、ドラゴンが攻撃してきやがった。
ドラゴンが開けた穴から外へと飛び出す。
さっきストームクローク兵の点呼をしていた帝国軍兵士に遭遇した。
逃げ道を知っているかもしれないと後をついていくとレイロフもやってきた。
諦め悪く、俺はレイロフに着いて行くことにした。
建物の中に逃げ込み、手を縛っていたロープを切ってもらう。
死んでいたストームクローク兵の装備を剥ぎ取り身に着けていると、帝国兵がやってきた。
勿論ぶちのめす
脱出路を探しながら、レイロフと共に走り出す。
途中で遭遇する帝国兵は皆殺しだ。
帝国兵のほうが、良い防具をつけているな・・・。
転がした帝国兵の防具を身に着けていると、レイロフが嫌な顔をした。
お前らの防具より良いんだよ、こっちのほうが。
デカい蜘蛛を蹴散らし
熊も仕留めると、出口はすぐそこだった。
無事に脱出できて嬉しくなったのか、レイロフは俺にストームクロークへ入隊すればいいと勧めてきた。ストームクロークに興味はないが、ウルフリック・ストームクロークの拠点ウィンドヘルムの話は聞き逃さないようにする。
どこかで、さり気なくレイロフと別れたかったのだが一緒にリバーウッドへ行こうと誘われてしまった。姉妹のジャルデュルの家で休もうと言う。
一体どんな流れでそうなったのか、俺自身もよく覚えていないがホワイトランの首長に応援要請に行って欲しいと頼まれてしまった。・・・正直面倒なことには巻き込まれたくはない。
だが、それぞれのホールドの主要都市について調べておくのは悪くないか。
レイロフやジャルデュルには曖昧に返事をしておいた。
ジャルデュルの家で一晩休ませて貰って・・・出かけるとしよう。
姉妹の家にたどり着き安心しきったレイロフは酒を飲みながら、あれこれ話を聞かせてくれた。