イヴァルステッドを早めに出立する。
宿屋の親父がハイ・フロスガーへの巡礼の話や西にある呪われた墓地の話を聞かせてくれた。
まぁ、興味はないが。
鶏の鳴き声だけが聞こえてくる朝靄の中、リフテンへと向かうことにする。
途中、遺跡のようなものを見かけた。
屯している山賊にLadyが反応して、襲い掛かっていく。
・・・やれやれ仕方がない。
山賊を殲滅し、遅めの朝食をとることにしよう。
有難いことに、樽の中に塩やりんご、キャベツといった食料が隠されていた。
こんな遺跡で山賊どもは生活してた訳か。
Ladyには携帯用の干し肉をやり、俺はリンゴとパンを齧った。
上のほうに何かある。
・・・なんだ、これは?
何をしても反応しない。ドゥーマーの遺物か何かなのだろう。
腹も膨れたことだし、先を急ごう。
それにしても、この辺りは熊が多い。
イヴァルステッド近くでも熊に襲われたし、また熊だ。
やれやれと思って走っていると、今度はカジートの盗賊に絡まれた。
・・・随分と獣が多い土地柄だな。
さっさと盗賊を転がして、リフテンへと急ぐ。
水車小屋(ハートウッド工場)があった。
この辺りまでリフテンの衛兵は見回りに来ているようだ。
狼や熊も出没するし、盗賊も出るからリフテンから結構離れてはいるが、見回りをしているという訳か。
逃げることがあったら、こちら側には来ないほうが良さそうだ。
リフテン近くの農園にたどり着いた頃には、日が傾き始めていた。
あっという間に暗くなる。
夜になると街中に入れてもらえない可能性もある。門番に怪しまれるのも面倒だ。
衛兵たちに気づかれないよう、農園の片隅にベッドロールを敷き休むことにする。
翌朝早朝にでも中に入れてもらうとしよう。
門の前には衛兵が2人気怠そうに立っている。
俺が近づくのを見止めると、しっしと手で追い払う仕草をした。
気づかないふりをして、更に近づく。
聞こえるように舌打ちすると、衛兵は下がれと言い再び追い払う仕草をした。
俺が無言のままでいると、更に笠に着た物言いで北門を使えと馬鹿どもに言うのが俺の仕事でなと吐き捨てた。
Ladyが低く唸り始めたので、無言のまま門から遠ざかる。
衛兵たちが追い打ちをかける様にバカにした笑い声を立てるのが聞こえてきた。
身分等を確認する素振りも見せずに、旅人を追い払うとは・・・なんとも馬鹿な衛兵だな。
北門を使えと言われたが・・・言うことを聞く言われもない。
湖側に建物がいくつか見える。
そこから中へ出入りできそうだ。衛兵たちの視線が届かない場所まで下がり、湖側からの潜入を試みる。
湖側の出入り口にも当然衛兵がいたが、ブラック・ブライアのハチミツ酒醸造所の扉が普通に開いたので、そこから中へと入る。
従業員たちが忙しそうに働いているのを横目に、何食わぬ顔をして通り過ぎる。
同じ季節労働者と思ったのか、旅人が間違って迷い込んだと思ったのかはわからないが、ちらりと俺を見るだけ見て皆自分の仕事へと戻って行った。
無事リフテンへ潜り込んだ。
衛兵に目を付けられると面倒だ。できる限り目立たないように行動しよう。
・・・まずは、リフテンの地図と作成して・・・と辺りをそっと伺っていると、1人の男がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。
さっきの衛兵か?と身構えると、俺の目の前で立ち止まった。